食事ってMPでもいいの?
と、そろそろログアウトしよう。
今の時刻はリアルで18時。
お腹が減ったんだ。
「2人ってログアウト中どうなるんだろ…」
「さぁな、あたしは知らねぇ」
「確か死ぬ危険性がないところで戦うんだったっけなぁ。意識は寝てる感じだった気がするの」
ログアウトは通じるのか。
戦うのは少し心配だけど、死ぬ危険性がないところって言ってたし安心しよう。
「じゃあ、ログアウトするね。できるだけ早く戻ってくるから」
そう言って私はログアウトボタンに触れた。
◇◆◇
次の瞬間、現実に引き戻された。
見える景色は天井だけ。
「久しぶりにゲームやったけど、楽しいなぁ…」
まさかのめり込むなんて。実際は少しやってみようっていうだけだったのに…
だが、どうしてもゲームとは思えなかった。
ミルとリア。まだ2人としか出会っていないが、人間にしか思えない。ましてやAIだなんて。
「……考えても仕方ないか。はぁ、とりあえず夜ご飯食べよ…」
夜ご飯と言えども、さっさと食べてミルたちに会いたかったため、カップラーメンだ。
電気ケトルでお湯を沸かす。
暫くたって、ぽこっと音がするとお湯が沸いたという合図だ。
お湯を入れて3分。3分たったかよく忘れるため、タイマーを掛ける。
どうするべきか。
そう考えていても、頭に浮かぶのはあの2人。
頭にすぐ思い浮かぶってことは、それだけ楽しんでいたってことなのか。
勉強に専念したいのなら今すぐ辞めるべきだ。
だが、私がやめたとして2人はどうなるんだ?
私はずっとログアウトしたまま。
ミルはさっき、私がログアウトしている間、戦うが、自分たちの意識は寝ているようだと言っていた。
…ということは、ずっと寝ているのか?目を覚まさない?
それは嫌だな。
なら、私は続けよう。
と、今まで考えていたのだが、結局は辞めることなんて考えていなかった。
ピピピピピ
タイマーの音がした。
私はタイマーを止めると、カップラーメンを食べ始めた。
早くゲームをやりたいため、できるだけ早く食べる。
食べ終わると、またベットに寝転ぶ。
食べてすぐ寝ると牛になると言われているが、本当なのだろうか?
牛になるのは嫌だな〜!
ヘッドギアを被る。
そしてまた私はゲームに没頭するのだった。
◇◆◇
「リリ!おかえりなの!」
「ん、おかえり」
…やっぱ可愛いな。
「うん、ただいま!2人とも、お腹って空いてない?」
「「空いた」」
「だよねぇ、ちょっと待って、食べれそうなの出すから。
そういや、レベルあがったの?」
「いや、上がってないな。やっぱり"安全な"ところだから、経験値の入りが悪いんだよ。」
「そうなの…」
「そっか…あ、ご飯に出来そうなのなかった…MPって、美味しいのかな?」
それは気になった。
MPでもいいのかなぁ?
それなら今出せるんだけど…
「うん、それでもいいの!ご飯!ご飯!」
よかったのか…
2人にMPを与える。
あっというまに食べ終わると、眠そうなことに気付いた。