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帰ってきたぁ!

 結構絞られた······。でも多分6時間くらいしか経ってない気がする。


「二人は出れましたかね?」

「俺達が修行してる間に出てたりしてね」

「ははは、そんなまさか〜」


 俺達は扉を開いて外に出た。懐かしい玉座の間が俺達を出迎えてくれた。久しぶり過ぎて旅館か何かに行ったときの気分になった。


「危なっ······何するんですか!」

「どうやら修行の効果はバッチリのようですね。紙は持ってますか?」

「これですね?」


 白露がすかさず出てきた。やばい超かわいい······。二人はどこに居るんだろう?ステルスの修行でもしたのかな?


「せ、千年!!」

「それで、二人はどこに?」

「一人は天井ですよ?」

「「何故そこに······」」

「壁張り付きと消音、擬態を試されてた」


 あ〜、まひは今まで見た能力全部再現する修行してたのか······。よく考えたらまひの能力とこの扉相性よすぎなのでは?


「トーラーさんは?」

「そろそろ生えてくると思うんだが······」


 トーラーが地面から生えてきた。こう言うとちょっと語弊がある。地面がパカッと開いてトーラーが上がってきたと言った方がいい気がする。


「ひさしぶりだね、君達。ボク達の部屋の方が若干時間が早いようだね。あの扉は後でじっくり調べたいものだよ」

「ひさしぶりですね。どんな修行を?」

「脳の処理能力向上と基礎体力強化。後は体を柔らかくして、どんな姿勢からでも攻撃が出来るようになったよ」


 トーラーがそう言って体を横に曲げた。腰くらいまで曲がってる······。避けの動作が弱点にならないようにしたんだ。

 陛下の性格はアレだけど·····めちゃくちゃ強いと認めざるをえない······。嫌だけど。


「回復食はこちらです。お腹は空かなくても食事は恋しいでしょう?」


 皆が目の色を変えて宴会場に向かった。やっぱり皆も食事恋しかったんだ······。俺だけじゃなくて安心したよ。


「あぁ······生きてる」

「長年食べなかった胃に染み渡る」

「食事とはこんなに素晴らしいものだったのか······」

「美味しい······」


 俺達は久しぶりの食事を貪るように食べた。質素な食事のはずなのに、全てが超高級料理のようだった。


「「「「ごちそうさまでした!」」」」

「お粗末様でした」


 俺達はしばらくそこで余韻に浸っていた。食事はやっぱり3大欲求のひとつなんだと改めて感じた瞬間だった。


「そろそろよろしいですか?」

「あ、どうぞ」

「皆さんにここを取り戻していただいた手前言いにくいんですが······この大陸にはもう一つ拠点があります。北に軍港があるのです。後敬語をやめてください。私は耳があまり良くないので口調でないと区別ができません」

「ふふふふ、私は元々この口調だから問題無し!!軍港をとればいいわけですね?そんなのお茶の子さいさいですよ」

「ありがとうございます」

「気にする事は無いですよ。修行のお礼ですよ、お・れ・い」


 陛下が深く頭を下げた。白露は善意100%って感じで言ってるけど、ただ憂き晴らししたいだけのような気がする。

(主様鋭いですねぇ)

 まさかの正解!?まぁ、確かにあんな修行したら憂き晴らしもしたくなるよね。

 たぶん千年くらいやってるし。根拠?さっきの陛下の千年!?ですが何か?

 それにしても軍港か······。この世界の地形的に海戦はほぼ無いのを考えると補給地的な意味が強そう。


「そうですね······おそらく敵は私達の戦法を知っているはず、であれば正面から行きましょう」

「でも結構兵力差ない?」

「ふふふ、主様。私は主様の義手を作った頃から思ってたんです。これを応用して何か出来ないか、と」

「「ふむ、それで?」」


 トーラーとハモった、だと!?倫理的に問題なければ好奇心の為に猫をも殺す研究者と!?でも研究者としては気にもなるか。


「それがその糸人形です。なんとマッハ10程度の移動速度を可能にしています!設計図はこれになります」

「なるほど······筋肉の収縮をこの織り方で再現している訳か(ブツブツ)」

「ちなみにそちらは鑑賞用の設計図ですね。例の機械なら大量生産できますよね?」

「なるほど!それで大量突撃するわけか!」


 マッハ10程度でめっちゃ固い糸人形が突撃してきたらたまったもんじゃないでしょ。

 例えるなら爆発しないミサイルみたいなもの·······逆に想像しづらくなったかな?とにかく壊滅するのは想像に難しくない。


「しかし、特殊な脳力持ちがいた場合はどうするんだい?」

「それは私達が処分すればいいんですよ」

「なるほどな······」

「アレ、とは?」


 陛下が質問をしてきた。あれ?言ってなかったっけ······。言ってないじゃん。むしろなんで言ったと思ってたんだよ。


「父さんが作ったなんでも作れる機械なんだけど、名前が決まってないからアレって呼んでる」

「そうですか······。初代も2代目も凄まじかったですが4代目も凄まじいですね」

「そうでしょう?」


 ご先祖様が褒められるのは自分の事のように嬉しい。ただ、ご先祖様話はちょっと待って欲しい。

 なんでかって?魔力反応から地図を書いてるからだよ!


「よし、出来た。これがその軍港のおおよその見取り図だよ」

「そんな能力無かったよな?」

「魔力の反応を掴む修行してたら出来るようになったんだ······」

「そうか······」

「なるほど城壁はあるわけか。この四隅の発光した風に書かれているものはなんだい?」

「多分、結界。ここのを参考にしたのか魔力反応が似てる」


 量産はされてないと思いたいが、多分量産されてるんだろうなぁ〜。この大陸の鉱山資源を使えば簡単に作れるだろうし······。


「決行はいつ?」

「そうですね······。遅いと援軍が来る可能性がありますし······待てて一週間といったところですか」

「いや、そこまで猶予はない。援軍を派遣されてしまうと制圧した後に到着してそのまま全滅なんて事もありえる」

「むむ······」


 俺達だけで行ければいいんだけど······。制圧には最低でも百人は居ないといけない。

 軍港はそのまま港にして、各国を脅······交渉をするのに使いたいから破壊も出来ない。どうしたものか······。


「明後日の夜明け頃はどうだろうか?」

「はっ!それだよ!!さすがボクの夫!!」


 いつの間に関係が進んだのかは後でじっくり問い詰めるとして·······。

 今日はまだまだ時間があるし、明日なら来てくれる人もいるかもしれない。

 海にだって魔物娘や魔人は居るはずだ。それを合わせればギリギリ制圧が維持できるかもしれない。


「という訳で明後日の夜明け頃で大丈夫ですか?」

「え、えぇ」


明日は大分破壊的に、なるといいなぁ

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