首都奪還戦 前半
二人がまたギャーギャーと言い合いが始め、店長はゆるふわな雰囲気を撒き散らす。羊は未だ寝ている。
期待は出来ないと言われただけはある。行動するのはどうせ別々だし、地獄卒だけどうにかなればいいんだけど······。
「貴様は勘違いしているようだな。これはお願いでは無い、命令だ」
「ぅ······ごっ」
白露が地獄卒の頭を持ち上げて、そう言った。そして、いきなり腹筋に左ジャブを打ち込んだ。白露ぉーーーーー!!
「返事は?」
「い」
「返事は、はいかYESしか認めない!」
白露がいと聞いた瞬間頭を壁に打ち付けた。いくら回復出来てもそこまでやると何か障害残るのでは······。
てか地獄卒ってなんだよ。地獄の獄卒に見える鬼の一種か?
(そうですよ。大分珍しい種で。男しか居ません。私達と逆のパターンですね)
白露、障害とか残らないの?
(残らないですよ。きっと、たぶん、おそらく)
白露の魔法なら大丈夫か······。そういえばさっきの口調も格好良くて良かったよ。
(っ///さらっと恥ずかしい事を言いますね!)
事実だし
(······今夜は寝かせませんからね)
え、あ、うん。なんか白露を褒めてたら今晩の予定が決まった。もしかして今日中に主都落とすの、早くない?
今こんな会話をしてるけど白露は今も地獄卒の頭を掴んだままだ。
「YES」
「最初からそう言ってくださいよ〜。じゃ、直してあげますね〜」
「な、直ってる······」
「ちゃんと余計に肝臓まで直したんですからとっとと破壊してくださいね」
「イエス、マム!」
なんか変なのが誕生したな〜。まぁ落としてくれるなら構わないんだけど。後の三人はどうにかなりそうだし。
「それでは、あなた方四人には塔の魔石を壊す任務を与えます」
「陛下の御心のままに!」
「チッ、しょうがねぇな······」
「分かったわ〜」
「zzzz」
若干一名寝てるのが気になるけどたぶん大丈夫、だと信じたい。もしかして今すぐ攻めていくの······。早くない?
「主様、出発は夕方になります。まだ少し時間があるので仮眠にしましょう」
「分かった。二人共、それで大丈夫?」
「ボク達は大丈夫だが······」
「魔人側の予定的に大丈夫なのか?」
確かにそれは考えてなかった。でも白露の事だし多分大丈夫。きっと俺が驚くような何k······
「合わせられますよね?ちなみに結界を破ってから十分くらい経ったら来てください。気合で」
「な、なんとかします」
白露かっけぇ······。こんなの見せられたら素敵!抱いてっ!ってなるよね〜。まぁ今すぐ来られたら困るけどね。
(抱いてほしい?今生きますよ!主様!!)
都合の良いところだけ切り取った!?夜まで待って!我慢したほうが燃えるじゃん!ね?
(チッ!仕方ないですね)
俺達は仮眠部屋に行って仮眠を取った。男女別れてたから白露がめちゃくちゃゴネてたけど、集団レ○プと聞いて素直に女部屋に行った。
「ふぁ〜、外はうん。夕焼けだね」
「主様、心の準備は出来ましたか?」
「そこそこかな〜、白露は?······白露!?」
「主様は私が運ばせていただきました。疲れるどころかご褒美ですぐへへへへ」
「俺の体からなんか危ない物質でも出てるの!?」
深淵に触れた気がする。周りを見ると堅牢な要塞がそびえ立っている。ここは森の中か······。しかし森が多いなこの大陸。そういう災害指定級種でもいるの?
「それだけ反応できるなら準備は万端ですね」
「え、ちょっ、まっ!」
「突撃!!」
いきなり空に投げだされた。段取り通りに!ここから剣に魔力を込めて、いつものように振るう!
「グランドッ!」
「クロスッ!」
やっぱり破れないか!流石ひいおじいちゃんの術式!年季が違う!後は二人に派手にぶっ放してもらおう!多分壊れないけど!
「フェイタル・エクスプロージョン!」
「この速度、この角度!完璧だ!!」
トーラーが爆風に乗って結界に刺突した。結界にわずかにひびが入った。まさかっ!グランドクロスのダメージが一番大きかった場所に直後に当てた!?
「これが新技、ホグノーズ!」
いや〜、父さんと母さんにも見せたかったな〜。結界の下の駐屯兵達の驚いた顔!これだけでご飯三杯はいける
「主様!羊がやりましたよ!」
「仕事はやっ!」
「なんか周りで兵士が寝てます!」
え、待って塔が溶けてる!?もしかして眠らせるのが能力じゃないの······?もしかして眠らせるのは特性だったりするの?恐ろし。
「主様!今ならいけるかもしれません!」
「分かった!」
俺は聖剣を斜め上に振り上げる勢いで高く飛び上がり頂点で聖剣に魔力を込めに込めまくり、そのまま剣を結界にぶち込んだ。
ひびが大きくなった······!!さすがのひいじいちゃんでも魔力無しでは結界の強度は下がる!!
「ゴルァーーーーーーーーーーーー!!」
塔が、燃えている。地獄卒と呼ばれるだけあって火属性かつシンプルに火力高めなタイプか。
あれ、結界ミシミシ言ってない?ちょっとトーラーに聞いて見よ······。
「え?」
俺がトーラーの方を向こうと足の配置を直した瞬間、結界が音を立てて崩れた。
その結果、俺達は真っ逆さまに城内に落下することになった。
ちゃんと明日も更新しますからね!皆さん安心してください!!