バトル物の人間がFE的世界観に入ったらそりゃFE側は負けるよねって話
「信じられないかもしれませんが、これは私達の仕業じゃありません。······皆行こう」
俺達は夜の森に繰り出した。やっぱり燃えている。とりあえず火を消さないとまともに動けない。
「白露t」
「ここらへんの燃えている木は破壊してきましたが、数が多くて······」
「分かった」
く白露でも音を上げる程多いのか······。困った。今も燃やされてるだろうし、元から断つしか無いか。とにかく上空から把握しな······待てよ。これが相手の狙いか?
「「主様(君達)、上空からの射撃を反射しましょう(よう)!」」
「そうだね。白露、頼める?」
「任せてください!」
使わないから忘れてたけど白露も絶対障壁持ってたな。白露のスピードなら絶対当たらない。······白露にばっかり負担を強いるのは気が進まないけど。
「行きます!」
白露が木に糸を着けて、木をパチンコのように使って上空に飛んだ。そして、少しすると無数の熱戦や弾丸、魔法が白露に向かって飛んでいった。
「おらぁぁぁあぁぁあ!!」
白露が絶対障壁を展開して、そのまま猛スピードで打ち込んできた方向にぶつけた。逃げる間も無かったと信じたい。
「反射いらなかったのでは?」
「シャ──」
「待って待って待って!」
白露がシャルルを中断してそのまま落ちてきた。ゲリラできそうなこの森を隕石でやられたら困るからね。
「主様、どうします?」
「やっぱり火は何とかしたいけどこれで全滅って訳にもいかないし·····」
このあたりならトーラー探知できるか?できれば逆奇襲したいけど暗視ゴーグルとか持ってそう······。
「トーラー、いける?」
「このあたりならギリギリね」
「多そうなところを頼む」
う〜ん、拠点を各個撃破していくのはやっぱり無理があるかな······。司令塔を崩せれば楽なんだけど。
「悲報と朗報がある」
「朗報から頼む」
まひから聞いている!!これは何とかしてくれるのか!?······何とかしてくれなさそう。勘だけど。
「この近くに拠点がある」
「おぉ!······悲報は」
「司令塔は複数居る可能性がある」
「そうか······」
まじか〜。めんどくさっ!!何で複数居るんだよ!······リスクヘッジだよね。知ってた。地道に攻勢掛けるしか無いか。出来れば通信される前に制圧したい。
「ここの司令塔の位置は?」
「ここから斜め右に百メートル」
「地形はどうですか?」
「開けた場所の中心にある」
開けた場所か······。奇襲対策か白露ならいけそうだけどここは万全を期して空中から何かを落とした方が良いな。
白露!?ちょっとまって!何かを正面から行ってるの!?もう敵陣まで行ってるぅぅうぅぅぅぅぅうぅぅぅうぅ!!
「てk」
「ふんっ!」
「うわぁぁぁぁあ!!」
白露が敵陣に突っこみ、全員バッタバッタと薙ぎ倒している。通信用の装置はすでに壊れている。おかげで陣は大混乱だ。······なるほどそう事か。
「行くよ!」
「「なるほど·····分かった」」
俺達は白露が暴れまわっている中央を避け、俺は北から、トーラーは東から、まひは南から中央に向かった。
「ジ・アース!」
──時は、止まった。
俺は兵士の首を掻き切ってそのまま兵士達の首輪を切って回った。その時に数人だけ俺は兵士を残して置いた。
妙な感情は無い。刺客を今までさんざん殺してきたんだ。当然といえば当然だ。
──時は、動き出した
「な、何が!!」
「ぎゃぁぁぁあ!!」
「て、敵襲ぅがぁぁぁぁ!!」
「悪魔だ!悪魔だぁぁぁぁ!!」
俺は兵士達を次々と斬り伏せていった。恐慌状態にある為か能力を使う余裕も無く案山子同然だった。
「狼狽えるな!敵は数人!我々が落ち着いて対処すれば十分に······」
「飛んで火に入る夏の虫というやつですね」
「ジ・アース!」
──時は、止まった。
白露がまず司令塔の心臓を貫き、そのまま頭を砕いた。そしてそのまま内蔵を全て引きずり出して、臓器を踏み潰した。
──2秒、経過
俺はそのまま本部に向かって今回の作戦の資料を探した。あって欲しい、デジタル端末に保存されて襲撃されたら消えるシステムなんてことがあったら困る。
──6秒、経過
案の定、作戦はデジタル端末上に保存されてており、削除が始まっている画面だった。
「有ったよみんな!」
「何っ!」
「見せてください!」
「時が動き出したら削除がおわるからあんまり時間は無いけど」
──8秒、経過
もう8秒!?後4秒でどうやって本拠地の位置を探し当てろと!?やるしかないけど。本拠地はやっぱり派手に攻撃した方がいい気がする。
現実世界側の百年戦争期のリチャード三世も言ってた。大将さえ倒せば戦争は勝ちだって。
「解析が終わった。敵の本拠地はここから真っ直ぐ約300メートル地点に存在する」
「分かった。白露、派手なのを頼める?」
「私を誰だと思ってるんですか?主様の妻白露ですよ!派手なやつですね?お茶の子さいさいです!」
白露が三日月に向かって飛び上がり、そこからミサイルを投げ飛ばした。何で白露が手動で飛ばした方が強いんだよ······。
「よし、突撃しよう。爆薬持った?」
「もちろん」
「煙幕もついでにあるぞ」
「準備バッチリだな······!!行くぞ!」
俺達は敵の本陣に向かった。白露が既にミサイルを打ち込んだおかげでかなり損耗している。
司令官が出てきていないところを見ると冷静な人間なんだろう。今回の襲撃は失敗に終わるけどね。
「落ち着け!アラクネの戦闘力はさほどない!大佐の言ったとおりにやれば勝てるはずだ!」
「了解です!隊長」
次の瞬間、兵士達の頭がぶち抜かれていた。残念だったね、隊長さん。ウチの白露は最強なんで。
「白露、とりあえずやっちゃって」
「分っかりm」
「雷撃!」
はい、という訳ですごいことになってきましたね。次をお楽しみください。もしかしたら皆さんの察してる通りになるかも······