対勇者パーティー(第二形態)後編
「危ないっ!」
~~~~~~~~Side 白露~~~~~~~~~
「彩夏ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!きっさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!シャrぐっふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
この衝撃波、まさか勇者っ!復活が早すぎる!内臓がボロボロのはずなのに!どうして!!右手が·····。
「ふんっ!シャルルぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「ぼんっ」
隕石が、粉々になった?嘘······。地球壊さないギリギリの大きさなのに······。早いっ!何だっ!この速度はっ!こんなの、まるで、まるで······
「そう、光の速さだ」
「なっ!」
不味いっ!早く主様のもとへ向かわないと。回収が間に合わなくなる!
つ、着いた。間に合え!よし。ちゃんと生えて······なっ!回復が効かない!?落ち着け白露。さっき言ったじゃないか。回復無効だって。とりあえず応急処置だけでも······。
糸による内臓の縫合。これで出血は止まるだろう······。
「かふっ!」
「諦めろ。フルバーストを発動した時点でお前達の敗けだ」
「そんな、ことはっ」
「これでもそう言えるのか?」
首······?ま、まさか。トーラーさん達の。ここまでボロボロになってたらわからない、でもここに首なんてほかに·····。
「もう敗けだ」
「ぁぁぁぁああぁぁぁぁあああぁぁあぁぁぁ!!」
二人の脳味噌を取り出し回復、そして体に縫合。後は主様を咥えて······逃げる!とりあえず家に!!あそこなら多少はもつ!!
「逃がすと思うか?」
「貴様に追わせると思うか?」
どっかーーーーーん!!スドドドドドド!!ようやくか。意外に遅かったな。もう少し敏感かと思ったんだが······。
「ま、マントルだとぉぉぉおおぉ!!か゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぉ゛あ゛あ゛ぁ゛!!」
「そこでしばらく遊んでいろ」
さて、早く行かなければ。いかにマントルといえどおそらく長くはもたない。
私は我が家に向かった。確か、ここにお義父様とお母様が使っていたゲートがあったはず。あったあった。さて、後始末も、ちゃんとありますね。タイマーをセットして。よし。
「ぅ、は、く、ろ」
「主様!!目を覚ましたんですね!」
「ここは、家·····?あのあと、」
「撒いた、のか······」
「生き、てる······?」
「二人も目を覚ましたようですね。今は時間がありません。とりあえずゲートに·····」
ちっ!もう来やがった!!早いところ逃げなくては·······。追い付かれたら今度こそジ・エンドは免れない。
「とりあえず後で話しますね!!そいやっ!」
「え?ちょっ、まっ」
戸惑う三人を私はゲートにブチ込んだ。そして、私自身もゲートに入る。
その時勇者が入ってきた。その顔、その顔が見たかったんだよ。私の勝ちだ。
「永遠にさようなら!!」
「逃がs」
私がゲートに入った後、辺りをきっと爆風が包んだ事でしょう。見てないから分かんないですけど。
~~~~~~~~side 主人公~~~~~~~~
白露が来た。さっきからなにもわからない。刺された後何があったのか、なんで二人は傷付いてるのか、なんで異世界に来てるのか。早く説明してほしい。
今ならシンジ君の気持ちもわかるかもしれない。
「いや主様それはさすがに言い過ぎですよ」
「白露!!」
「主様の白露ですよ~」
白露が何事も無かったかのように現れた。服が更にボロボロになっている?それに体も再生途中な部分が目立つ。一体俺が寝ている間に何が······?
「実はですねカクカクシカジカ」
「そ、そんなことが······!!」
そんなギリギリの攻防があったなんて·····!!白露には感謝しかない。同時に俺のせいでこんな目にあった三人に対して凄く申し訳ない気持ちになった。
「主様」
白露がいきなり抱き締めてきた。身長が足りないから胸に埋もれる形になった。白露の匂いがして落ち着く。
「気にする事なんてありません。私はあなたが好きだから一緒にいるって決めたんです。辛いときも苦しいときも、楽しいときも、どんな時間も私にとっては宝物なんです。だから、そんな風に自分を責めないでください」
「見透かしてた?」
「私を誰だと思ってるんですか?主様の白露ですよ?」
「確かに······」
俺を抱き締めていた白露の手がだんだん下に下がってきた。こ、こんなところで。耳になんか湿ったのが······!!
「こほっ、けほっ、けほっ」
俺達はすぐに適切な距離感に戻った。二人が隣で気絶してるの忘れてた。危なかった······。あのままいつもの流れになっていたかと思うと······恐ろしい。
勇者パーティーが化け物レベルで強かった事が分かりましたね。これからどうやってこいつらを倒すのか期待しててください!