唄う
言わずもがなモルダウを聞きながらを推奨します
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!
会場から万雷の拍手が沸き上がった。これの後俺達が歌ってインパクトを審査員に残さなきゃなきゃいけないのか~。辛いな~。
そう心配して下を向いていると白露が手を握ってきてくれた。驚いて見上げると白露が微笑んでくれていた。
そうだよね。心配しててもしょうがない。俺は俺にやれる事をきっちりやる、それだけだ。そのまま俺達は壇上に向かった。
壇上にて
俺達は壇上で全校生徒達を見下ろしていた。改めて見ると物凄い迫力だなぁ。そして指揮者が全校生徒達に向かって一礼その後手を掲げた。
それと同時に俺達含めクラスの奴等が足を肩幅に広げた。
そして、白露の美しい伴奏が始まる。たららららん、たららららん、たたたたた、たたた、たた。よし、ここだ!
「「「なつーかしーきかーわよーモールダーウのーきよーき流れーはわがーここーろー」」」
俺達の声に引っ張られるように皆の音量が上がっていく。それで良いんだよ。
「「「「うつーくしーきかーわよーモールダーウのーあおーきみなーもはいまーもなおーながぁれにやさー日はーそーそぎーさざーなみーはいつーもうたーうたーいーいわーにーあたーりーしぶーきーあげーてーうずーをまくーー」」」」
最初の山場を無事に越えた。美しいハモり。これは審査員を圧倒出来るだろ。勝ったな。いや、まだ油断は出来ない。頑張らないと。
「「ゆたーかなー」」
「「「「ながーれよモールダーウのーきよーきみなーもは(ゆたーかなながーれよモルーーダーウーのーー)」」」」
「「「「いまーもなおーはるーにはーきしーべにーはなーひーらきーあきーにはーこがーねのみをーむーすぶーあいーのかわーよしぶーきあげーてながーれゆくーーーー」」」」
「「ゆたーかなー」」
「「「「ながーれよモールダーウのーきよーききしーべに(ゆたーかなながーれよモルーーダーウーよーー)」」」」
「「「かりーをするー」」」
「「「今日もひーびーくーーーー」」」
「「つのぶえーたーかーくーーーー」」
「「「ひとはーかーけーるーーーー」」」
「「獲物もーとーめてーーーー」」
「「つつのーおーとはーーーー」」
「「森にこーだーましーーーー」」
「「「岸部にーわくーーー」」」
「「「「喜びーの歌ーーーー((ラララ、ララララーーーー))」」」」
よしっ!ここのハモりも完璧!審査員もおおっ!って顔してる!これはいける!
「「月ーのねーととーもにーむらーびとーはー」」
「「「「今日のめぐーみをーいわーいおーどるーなつーかしーきかわーのーモールーダウーのーきしーべにはーゆたーかなー差らーQiがみちーあふれーひとーのここーろはーいつーまでーもーこのーかわーのながーれーとともにーゆくっわがっふるっさとっのこーのかわモールダーウよわがっふるっさとっこーのかわモールダーウよーーーーーー!!」」」」
歌いきった⋅⋅⋅⋅⋅⋅!!気が付くと汗がだらだらと流れていた。これがゾーンってやつかな?そして一礼した後、俺達は席に戻った。それからは他のクラスの曲が聞いていたはずたけど正直記憶が無い。──そして、順位発表の時がやってきた。
「優良賞(第三位の事)、三年二組!!」
「「「「うぉぉぉぉぉーーーーー!!」」」」
後ろの方から歓声が聞こえてきた。⋅⋅⋅⋅⋅⋅緊張しすぎてしばらく聞こえなかった。
「優良賞(第二位)、三年七組流浪の民!」
「「「「ぉぉぉぉおおおおおおお!!」」」」
今度は歓声と共に啜り泣く声も聞こえてきた。まぁ、当然だろう。あれだけ圧巻したのに二位だったんだから。一位は?一位はどこ?
「最優秀賞、三年
引っ張りますよ〜