嘘だろ?(ヤンデレパート)
プチヤンデレ入ってます。
「ただいま」
「お帰りなさい」
俺が玄関に入って条件反射てただいまを発すると白露からお帰りなさいが帰ってきた。いや、何故に!?
ま、まさか!!俺が学校で一緒にいた白露は某殺せない先生みたいな残像だったのか!?そうなると白露の最高速度かマッハ20くらいになるのか?
「何故に白露が返事を⋅⋅⋅⋅⋅⋅?」
「主様が私の元に帰ってきたからですよ」
「いつも白露の元に居るつもりなんだけど」
「甘い、甘いですよ主様。私の元に居るというのは周りを気にせずところ構わず私とイチャイチャしたりセックスできるような状態の事を言うんです」
「そ、そっか」
もはや、ヤリ○ンとヤリチ○としか思えない概念を白露から聞いてしばらく戦慄していたが
何か忘れてる気がする。
いつもならすぐに出迎えてくる母さんがいつまでたっても来ない。おかしい。めっちゃおかしい。
「おかしいですね。食材の臭いがしません」
「やっぱり?」
「何かあったんでしょうか?取り敢えずリビング覗いてみます?」
「覗いてみよう」
俺達は忍び足でリビングに繋がる扉に近付きドアのガラスからリビングを覗いた。
「グルルルルゥ!!」
「くそっ!竜人が居るなんて聞いてないぞ!」
「慌てるな!我々には属性攻撃無効化術式がある!!」
リビングに部分竜化(体の一部を竜に変える技術。母さんの50%フォルム)した母さんとKKKっぽい白ずくめの怪しい奴等がいた。ナニコレ?誰か説明して?
「ウワァーーーーーーーーーーーー!!」
「何!?ドラゴンはまだ何もしていないはず!!」
「俺の嫁に手を出してただで済むと思ってるのか?」
「な、何!?研究所に釘付けにしていたはずなのに!!」
「お、おい!!息子達が帰ってきてるぞ!!」
KKKもどきの一人が俺達に気付いた。あ、これアカン流れや。案の定KKKもどきが俺達のところに向かってきた。ってヤバいやん。でも逃げるあても無いし、そもそも父さん達を置いては逃げられない。
「来てますね⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
「来てるね⋅⋅⋅⋅⋅⋅。じゃなくて!ヤバいよ!!」
俺は遠い目で現実逃避している白露にツッコんだ。え?何でヤバいのかって?属性攻撃っていうのは純物理攻撃以外の攻撃全てなんだよ。しかも無効化だよ?市販品でも災害指定級種の攻撃を押さえられるように設計されてるんだよ?
割としゃれにならない状況だ。いや、本当どうしよう?
「ウワァーーーーーーーーーーーー!!」
「「ッ!」」
「よりにもよって俺の大切な子供達に手を出すとは言語道断。地獄に落ちろ」
「「「ァァ!!ギギィ!!ォゴォ!!ガァェ!!グゴォッ!!」」」
父さんがKKKもどき達の下から串を出してゆっくりと串刺しにしていく。最初はKKKもどき達が聞くに絶えない悲痛な叫び声をあげていたが、最後はもぅ、ゆるじでぇ。と言うだけだった。
「と、父さん!!何が有ったの!?」
「あぁ、最近完成したありとあらゆる物を作り出す装置を歴史の闇に葬り去るために国際連合から刺客が送られてきたんだ」
「そ、そんな⋅⋅⋅⋅⋅⋅。でも、どうして」
「きっと上級国民共が特権階級を独占し続ける為よ」
父さんと母さんが交互に俺の質問に答えてくれた。でもそれはあまりにも理不尽な事実だった。
いやさ、既得権益にすがる人達が多いのは知ってるよ?でもさ、流石にこれは無いでしょ?全員が餓えずに豊かな暮らしができる事の何が悪いんだよ?むしろ良いことでしょ?なんでだよ?
「酷すぎる!!自分達の利益の為に、なんで」
「泣いてくれて、ありがとな。父さん達はこれからお尋ね者になるかもしれないけど、お前達は強く生きてくれ。そしていつか、これを全員が持てるような国を作ってくれ」
「そんな、最後みたいな事言わないでよ」
父さんはいつも仕事に持っていっているポーチを俺に渡して、頭をくしゃくしゃっと撫でながらそんな事を言った。やめてよ。こんなのホントに最後みたいじゃん。
「奏多、これから先困ったら古竜の里に行きなさい。これを見せてクレアの子供だって言えば何とかなるから。⋅⋅⋅⋅⋅⋅多分」
「母、さん?」
母さんが俺を抱きしめて、俺に何か固いもの──鱗かな?を俺に握らせた。いや、ホントしゃれにならない。エイプリルフールはもう終わったよ?
「くっ、もう来やがった」
「奏多、どうか元気で⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
「嘘、だよね?俺を騙そうったってそうは」
「主様⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
白露が俺の肩に手を置いて首を振った。それが示す事実は母さん達の言っている事は冗談でもなんでもないという事に他ならない。
「くっ、なんでだよ⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
「奏多、いつか私達の暮らせるような国にしてね」
「いつかまた会えるさ、生きてるんだからな」
母さん達は何かを待っているかのようにじっとしている。待っているんだろうあの言葉を。なら、ちゃんと言わないとね。
「いって、らっ、しゃい」
「「いってきます」」
母さん達が一瞬で目の前から消えた。きっと瞬間移動したんだろう。気が付くと俺は自然と涙を流していた。またか、またなのか?また運命は俺から大切な物を奪っていくのか?
「またか(ボソッ)」
俺がまた大切な人を奪われた事を嘆いていると、白露が後ろから抱きしめてきた。いつものような絶対に離さないって感じの抱きしめ方とは違い優しく包み込むような、そんな抱きしめ方だった。
「主様、自分を責めないでください。お義父様とお義母様の事は主様のせいじゃありむせん。⋅⋅⋅⋅⋅⋅弱くたっていいよ、辛いなら逃げちゃいましょう?逃げた先にも私はずっと居るから。だから、安心してくださいね」
ゾクゾクするというのが一番近いだろうか?心臓を優しく捕まれたかのような感覚と白露の甘い言葉に涙が出てきた。なんだろうね、感涙っていうのかな?多分それだと思う。
「あ゛ぁ゛っ、くっ、ひっくっ⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
「よしよし、大丈夫、私がついてます」
「白露ぉ゛~」
「よしよし、私だけは一生あなたの側に居るからね❤️」
~~~~~~この後襲われました~~~~~~
ヤンデレ感出てましたか?もし出てなかったら是非感想で教えてください。