入学式
皆さんお待たせしました!入学式です!そして奏多くんの生涯の親友との出会いでもあります。前作を読んできてくれた方にはかなりおおっ!と思ってもらえるはずです。そういえば、皆さんは小学校のこと覚えてますか?ちなみに学校名は私が通っていた学校を参考にしています。
バサッ!と布団が剥がれた。寒い。今日は待ちに待った入学式の日だ。布団が剥がされたので起きあがる。すると、母さんの声が聞こえてきた。
「奏多ー、朝御飯出来たわよ?」
「ん~、分かった白露~、起きて⋅⋅⋅⋅⋅⋅起きてるよ!?」
白露を起こそうと辺りを見渡すと白露は既に起きていた。一体何時に起きてたの!?今6時だよ!?
『おはようございます、主様。所で入学式ってなんですか?』
「入学式っていうのはねー、皆で一緒に読み書きとか、計算の仕方を教えてもらう場所に君達は来ましたよーっていうイベントだよ」
白露が体をやや仰け反らせて、口?を開いた。開いてないけど、喋ってるから開いてると言わせてもらいます。僕は誰に説明してるんだ?まぁいいや。
『へぇー、そんな場所があるんですか。そこ私も行けるんですか?』
「行けるはずだよ?」
『やったーー!!主様と一緒です!』
そして、用意されていたちょっと背伸びした服装に着替える。その後、僕はトイレを済ませてダイニングへと向かった。ダイニングに着くと既にご飯が用意されていた。僕はいつもの場所に座り、いつものアレを言った。
「「「いただきます!!!」」」
朝御飯もいつも食べなれた味のはず、なのに本当に何か違う。何故かは分からない。でも、もっと美味しい味を、食べ慣れている味を知っている気がする。
「「「ごちそうさまでした!!!」」」
朝御飯を食べた直後白露が僕に近づいてきた。何か言いたい事でもあるのかな?
『主様、食べるものを私が作れたりしませんか?』
いきなり何を言い出すんだこの子は。え?作れるの。マジで?どうやって作るんだろう?凄く気になる。
「作れるの!?」
『なんか作れるような気がして』
マジか。強くて料理できて口調も丁寧、ヒロイン力高過ぎない!?あれ?ヒロイン力って何だ?頭に急に浮かんで来て⋅⋅⋅⋅⋅⋅
『さま、主様!!』
「はっ!何?白露」
『何?じゃないですよ!呼び掛けても反応が無いから心配したじゃ無いですか!⋅⋅⋅⋅⋅⋅それはそうと駄目、ですか?』
くっ!なんて事だ!この台詞なんだかよくわからないけど、物凄く良いって返事したくなる!!
「良いよ」
『ありがとうございます!主様だーい好き!!』
その台詞を聞いた瞬間猛烈な変な感じ、デジャブっていうんだっけ?を感じた。
「ありがとうね、白露」
『いえいえ、私がやりたくてやることですから』
そしてデジャブ感を感じつつ僕は入学式に向かった。家から小学校まではゲロ近く、10分くらいで着く。
「ここか、」
横浜市立南本宿小学校改、最後の一文字が物凄くいたたまれない感じだけどここで合っている。校舎を改築したから改らしい。
「よし、行こ」
敷地の中に入って案内に従い教室へと向かう。へぇ、飼育小屋が有るのか⋅⋅⋅⋅⋅⋅改築の割にはあんまり立派じゃない。そして遂に教室に着いた。
緊張しながら中に入って席に座る。しばらくするとチャイムが鳴り、先生が入ってきた。
「おはよう、今日から一年二組の担任になる荒井琴です。一年間よろしく」
うわー、女教師かー。無いわー、だってガミガミうるさいだろうし。女教師が許されるのは二次元だけだよ。しかし、ここで何も言わなかったらさらに面倒な事になるのは間違いない。なので僕は大人しく挨拶を返した。
「「「「「よろしくお願いします!!」」」」」
「それじゃあ、体育館に行くから、番号順で並んで」
先生の言葉に従い皆が廊下に出て並び始める。並び終わった後、四階にある教室から階段を下り体育館に向かった。
体育館にて
僕達は番号順に体育館に並べられたパイプ椅子に座る。しばらくすると隣の席の金髪で切れ長の赤い目の女の子と黒髪の目付きの悪い男の子が話しかけてきた。
「君、ちょうど隣の席なのも何かの縁だ。自己紹介でもしないかい?」
「トーラーナイス。俺も聞きたかったんだ」
隣の子達は元々知り合いだったようで、気さくに話している。よし、混ざりたいから自己紹介しよう。
「僕の名前は独孤奏多。君たちは?」
『私は白露です!!』
白露が言ったが、話しかけてきた二人にはシャーとしか聞こえてないと思う。哀れ、白露。
「俺はタナカマヒロだ。で、そっちの金髪は⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
「おっと、それ以上は君でもいっちゃ駄目だ。ボクはエデクト・B・トーラー。マヒロの妻だ。それと名前はトーラーだから気さくにトーラーと呼んでくれ」
ちょっと待って。突っ込みが追い付かない。え?トーラーさんマヒロくんの妻なの!?もう結婚してたの!?
「まーたお前はそういうことを言う。俺達まだ結婚してないし、なんなら俺はお前の告白に返事するのちょっと待ってもらってるよね、ね!?」
マヒロが慌てたようにトーラーに詰め寄った。なんだ、ビックリしたー。でも冷静に考えればそうだよね。僕達まだ六歳だし。
「だが、君とボクが結婚するのは決定事項だし、君も私と一緒で一目見たときから運命を感じているだろう?」
「感じたけどあの場は付き合うのはもっとお互いを知ってからってことにしたじゃん!」
「甘いな、それは将来結婚するという結婚フラグだぞ?」
「ちょっと待って!イチャイチャしてるとこ悪いけどフラグってなに?」
反射的に口を開いてしまったが盛大に公開した。独孤家の家訓で、恋路を邪魔してはいけないってやつがあるのに!!
「トーラー、難しい言葉を多用するのはお前の悪い癖だぞ」
「すまない、しかし、それを理解する君も君だな。やはり今すぐにでも付き合おう」
「せめて解説するまで待てよ!?」
全くその通りだ。と言おうと思ったがこれも家訓に反しそうなのでやめた。
「言ったね?その言葉忘れないでくれよ?フラグというのは主に物語などで使われるこの台詞を言ったらこうなる。例えば敵にどでかい攻撃を与えた後にやったか!?といったら倒れていないといった具合に決まった場面が着いてくる台詞の事だ」
トーラーが話している間彼女は物凄く生き生きとした表情だった。こういうことが好きなんだろう。
「いや、説明したからって俺が付き合うとは⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
「ねぇねぇ、そういえばなんでトーラーさんは一人称ボクなの?」
「トーラーで良いよ。それはだね実はマヒロはカッコいい女の子が好きと言っていたのでね。口調も一緒に変えたんだ」
「二人揃って無視かよ!?」
ちょっと悪戯しすぎたかな。まぁ、なんか喜んでそうだし、いっか。そして唐突に入学式が始まった。空気読んでよ入学式。僕達は仕方無いので静かにして先生の話をきいた。
数十分後
白露は狩りに出掛けてしまった。俺だってここから出たい。
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅であるからしてだね、ゆえに君達の勉学には意味があるのだ」
終わった。ようやく入学式の終わりの言葉の手前に来た。長かった。本当に長かった。
「続いて終わりの言葉です生活担当赤井文太郎先生、お願いします」
なんか物凄く、パワー系でオラオラしてそうな人が壇上に上がった。そして謎の台の前で一礼し、マイクを持った。
「これで、迎門二年度横浜市立南本宿小学校改の入学式を終わります」
その言葉の後、退場の合図が掛かった。ようやく立ち上がれて嬉しい!僕達はそのまま教室に戻った。
ちなみに私は覚えてません。というか、思い出したくもないです。ボッチどうこうじゃなく、皆に意図的に嫌な噂を流されたので。
くらい話はここまでにして、次の話は奏多くんの生涯の親友たちと仲良くなる話です。前作を読んだらこの話も、かなりおおっ!てなると思います。