過去との決別
皆さんお久しぶりです。最近両親の仲が大変悪化している電誅です。皆さんの両親は大丈夫ですか?大丈夫なら是非感想で教えてください。それはさておき、今回何が起こると思いますか?想像力を掻き立ててお読みください。
──数年がたち、俺達は小学校の卒業式の日を迎えていた。どうして卒業式は行くのかって?そりゃ、行かないと小学校と決別した感じが無いからだよ。
「さ、行きましょうか」
「うん、行こう」
俺達は小学校と決別するために学校へ向かった。もちろん俺は今日まで登校などしていない。というか、出来れば今日も来たくなかった。
「なんというか、久しぶり過ぎて変な感じですね」
「そうだね。なんか行かないことが当たり前になってたから、新鮮な感じがするよ」
俺達がお地蔵さんのところで新鮮さを噛み締めていると向かいから誰かが来た。あの人影は⋅⋅⋅⋅⋅⋅トーラー達かな?
「やぁ、君達。通学中に会うのは久しぶりだね」
「おはようトーラー、マヒロ」
「おはようございます」
「周3で遊んでたが、ここで会うとなんか新鮮だな」
「確かに」
トーラー達と話ながら道を歩いていたらあっという間に学校に着いた。まぁ、そもそもそんなに遠くないからね。
「主様、わかってますね?」
「分かってるよ。見ない、喋らない、近寄らない。でしょ?」
「そうです。主様の事を何も分かっちゃいない人達は居ないものと扱ってください。代わりは全部私が務めますので」
「心強いね」
「「そこまでするのか」」
俺が白露と外出時の鉄則を確認していると、トーラー達がそこまでするの?って顔で引いていた。当たり前な気がするんだけどなぁ。
「これをどうぞ」
「はい、分かりました」
「ペコリ」
「すまないね」
昇降口で女生徒が花を配っていたので俺の代わりに白露が受け取った。それを着けてもらっていると、二人が本当に喋んないんだという顔で俺を見ていた。俺は勿論!という意味を込めて良いねサインを送った。すると二人は呆れたような顔になった。何故だ?
俺達はそれを着けた後、階段を上り教室に入った。めちゃくちゃ久しぶりだからか、教室が綺麗に見える。⋅⋅⋅⋅⋅⋅本当はめちゃくちゃ汚いけど。
「主様、私駄目かもしれません。こんな雑菌まみれの場所が綺麗に見えます」
「俺もだから平気だよ。そういえば何で雑菌放っておいてるんだろうね」
俺が素朴な疑問を口にするとトーラーの辺りから物凄いオーラが漂ってきた。怒ってるのかな?俺ですら教室に感慨を得ているんだトーラー達は物凄い思い入れがあるに決まってるよね。
⋅⋅⋅⋅⋅⋅いや!これは怒ってるんじゃない!!解説魂だ!トーラーの解説魂が震えているのだ!
「説明しよう!菌には薬剤耐性菌という薬剤に耐性を持つタイプが居るんだ!しかもそいつらは普通の菌が進化した場合にも増えてくる!!だから、無暗矢鱈に殺菌するとかえって危険になるんだ。ゆえに!教室の菌を全滅させることは出来るが、やらないのだ!!」
「付け加えると毎日殺菌する予算が無いのもあるけどな」
「そ、そうなんだ」
「為になりますね」
物凄くギラギラした目で語るトーラーの圧力に押されながら俺達は反応を返した。たぶん俺達が居なかったから解説出来なくて、欲求不満になっていたんだろう。
⋅⋅⋅⋅⋅⋅関係無いけど欲求不満って響きがなんかえっちぃよね。
「ん?なんだか周りがうるさいな。何故だ?」
「たぶんさっきのトーラーの解説が原因じゃないか?」
「そうかな?」
「「それ以外あると思う(います)?」」
あまりにトーラーが自覚してないから突っ込んじゃったよ。しかもハモりながら。まぁ、仕方無いね。うん。
「それもそうか」
納得してくれたようで幸いだ。しかし、周りの奴等の性根は相変わらず腐ってる。ってかより腐ってない?
キーンコーンカーンコーンコーンキーンキーンカーン。チャイムと共に先生が入ってきた。
「今日は卒業式です。皆さんと離れることに⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
一年生のころに担任をしていた誰だっけ?まぁ、取り敢えず女教師が何かほざいている。正直心に全く響かない。教師の言葉を適当に聞き流していると、外に出て並ぶ事になった。俺達は取り敢えず番号順に並んだ。白露は来賓扱いらしく、体育館に強制連行されてた。
俺達が体育館に入場すると万雷の拍手が俺達を迎えた。だが、俺は知っている。今拍手している奴等がてが痒いとか、拍手したくないとか思ってるとなぁ!!⋅⋅⋅⋅⋅⋅そう思うとなんか虚しくなってきた。ん?なんか奥から物凄い音がする。
気になったのでそちらを見てみると白露が物凄い速さで拍手をしていた。通りで大きい音がするわけだ。今の白露の最高速度が大体マッハ2だからね。手を含む体全身がその速度で動けるらしい。なんでそんなの知ってるのかって?そういう事してるときにね。色々と有ったんです。察して?
そして卒業生全員が椅子に座ると拍手が止んだ。最近は卒業式の準備が一瞬で終わったり、パイプ椅子に見えるけど実は物凄いふかふかな椅子になってるけど昔はヤバかったらしいね。
⋅⋅⋅⋅⋅⋅この時代に生まれて良かった。
「国家斉唱」
俺達含む体育館に居る全員が一斉に立ち上がった。最近は個々人の前にピンマイクが浮いてるけど昔は肉声だったらしいね。この時代に生まれて本当に良かった。
「きーみーがぁーよーをはぁーちーよーにーやーちーよーにさーざーれーいーしーのいーわーおーとなーりてーこーけーのーむーすーまぁぁでー」
「ご着席ください」
アナウンスが流れたのと同時に俺達は着席した。なんで流れを知ってるのかって?白露が何故か事細かに教えてくれたからだよ。なんで知ってたのかは怖くて聞けなかった。
「校長先生のお話。皆様、ご起立ください」
俺達はアナウンスと共に起立した。この後、どうせ座らされるんだから起立の必要性皆無なのに立つなんて超めんどくさいよね。
「皆さん、おはようございます」
「「「「「おはようございます!!」」」」」
校長の仕草を見て俺達は座った。そしてその間も校長のクソ下らん話が続いていた。
数分後、ようやく校長の話が終わった。来賓からの電報も読まれたりした。そしてようやく卒業証書授与の時がやって来た。
「卒業証書授与」
「6年1組1番、碇レイ」
「はい」
ふむ、水色の髪、そして無表情フェイス、さらには落ち着いた声。これは⋅⋅⋅⋅⋅⋅アウトーーー!!
え、何?ネタでその名前着けたの?分かってて着けたの?
俺の疑問は有ったものの、その後の証書授与は順調に進んで行った。
「2組11番、エデクト・B・トーラー」
「はい」
トーラーは普通に返事をして普通に証書を受け取った。なんかトーラーが普通に振る舞ってるのを見ると、変な感じがする。と思ったら足がちょっと浮いてた。よく見ないと分からないくらい浮いてたその下には骨が有った。何でアンデットをつれてるんですか。
「2組21番、田中まひろ」
「はい」
マヒロもまた普通に証書を受け取った。いや地味にかな?注目しなきゃ分からないし。
「2組29番、独孤奏多」
「はい」
遂に俺の番になった。俺は壇上に上がり一礼し校長から証書を受け取った。その後に、もう一度一礼。そして、回れ右をして階段を下った。白露の方をみるとカメラを使えないのを悔しがっているのか唇を噛み締めながら、目を見開いていた。心のフィルムに焼き付けてるのかな?白露に笑顔を返して俺は席に戻った。
俺が席に着いた後も証書授与は続いて行く。そして全員が受け取り終わった後、俺達は壇上に上がった。
「光ー、喜びに満ちた光ー!!」
「喜びに満ちた今日の日がー!!」
その後も、陰湿な嫌がらせが公然の秘密になってる学校が何をほざいてるんだ白々しい!といった感じの台詞がながれ続け、そして旅立ち○日にが歌われた。え?歌詞とか様子はどうしたのかって?著作権の問題があるから無理だったんだ。ごめんね。取り敢えず女子が鳴き始めて大変な事になったとだけ言っておこう。
そして、俺達は万雷のような拍手と共に退場した。
「主様、凄くかっこ良かったですよ!!」
「そ、そう///」
「君達、イチャつくのは良いが周りを少し気にするとより良いと思うよ?」
「周りから殺気が飛んできてるからな」
周りを見てみると殺気の籠った視線が俺達に突き刺さっていた。うーむ、この視線は悲しみに浸ってるのに何してんだよ!って視線かな?おぉー、怖い怖い。
「主様、草が生えてませんか?」
「え、そんなこと無いよ?」
「ボクは君の心を読めないけど、今の君の言葉に草が生えてるのは分かる」
「あぁ、見れば分かる」
白露だけではなく、トーラー達にまで俺の発言に冷笑があると言われてしまった。何でかな?俺別に馬鹿にしてる訳でも無いのに⋅⋅⋅⋅⋅⋅。
俺が世の中の謎と格闘していると、教師が入ってきた。あー、めんどくさいのが始まるよ。
「皆さん、卒業おめでとうございます。ぐ」
教師が非常につまらない話を聞き流し、いつ終わるかな~と思い出した頃ようやく教師の話が終わった。っし!これで帰れる!!
「それでは写真を撮ります。なので並んでください」
なん、だと!?帰れると思って準備してたのに!まだ帰れないと!?ちっ、仕方無い。写真を撮られてやろうじゃないか。
「一緒に写らないか?」
「そうだね。皆も友人と集まっているみたいだし、ボク達も集まるとしようか」
「くっ、俺が誘おうと思ったのに⋅⋅⋅⋅⋅⋅!」
「なんか、ごめんな」
クラスの奴等が大体グループで纏まっているので俺はトーラー達を誘って4人で端っこの方に集まった。
「撮りますよ。皆集まった?よし、それじゃハイ、チーズ」
物凄く古い文句と共に教師が写真を撮った。最近、端末のカメラで5K画質が撮れるようになったらしいね。まぁ、4Kで十分だとは思うけどね。
「はい、出来ました。後で学校のフリーページに載せくから、ダウンロードしたい人はそここらやってねー。それじゃ、最後の号令を日直さん、お願いします」
「気をつけ!礼ッ!」
「「「「ありがとうございました!」」」」
最後の号令を口パクで言った後、俺達は学校から出た。するとそこには母さんと父さんが居た。え?なんでこんなタイミングよく張ってられるの?
「あら、お友達も一緒なの?」
「初めてましてかな?いつも息子を世話してくれてありがとう」
「こんにちは。いつもお世話してます。トーラーと申します。以後お見知り置きを。あ、並んだ方が良いですかね?」
「若いのに気遣いが上手いね。それじゃ、お願いするよ」
俺が二人ともいつもと様子が違うと言おうとしたら白露に目で止められた。
「じゃあ、撮るから並んで~」
「え、父さんも並ぶの?それじゃ写真撮れなくない?」
「俺レベルになるとカメラを浮游させられるから心配ご無用」
そして、俺が質問して皆が並び終えた直後、カシャッという音と共に写真が撮られた。俺が心配してたのはそっちじゃない。トーラー達が突然現れたカメラに驚いて無いかめっちゃ心配だったんだけと。
「これから、打ち上げがあるらしいが、君達は行くのかい?」
「いや、行かないつもりですけど⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
「私達はこれからお寿司に行く予定なの、良かったら一緒に来ない?」
母さん?俺そんなの全く聞いてないよ?打ち上げも知らなかったし。まぁ、打ち上げ知ってても行かなかったけど。
「それならご厚意に甘えさせてもらいます」
「ま、マヒロ?」
「ん?駄目だったか?」
「いや、そんなことは無いが。まさか君から言い始めるとは⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
「俺だってちゃんと自分から喋るからな?」
二人が俺と白露の目の前で夫婦漫才を繰り広げていた。ふむ、こういうのを何ていうんだっけ?尊いっていうんだっけ?
「主様、まだ尊いの域に入ってはいないかと」
「え、そう?」
「はい、まだまだですね」
「君達、ボク達をダシにするのは良いが、当人達の前でそれをやるのはマナー違反だ。やめてくれ」
「「お、おう(え、えぇ)。分かった(分かりました)」」
トーラーの言葉に返事をした後、回る寿司屋に向かった。
「そういえば二人とも親に連絡しなくて良いの?」
「あぁ、今日は卒業式の後はデートする予定だったからね。特にいう必要は無いんだ」
「え、デートの邪魔しちゃいました?デートしたいなら今からでもまだ間に合いますよ?」
「「ダブルデートだと思ってるから平気だ」」
マヒロは元々何の連絡もしなくていいらしい。一体二人の家庭環境はどうなってるんだろう?そう思ってうちに回るお寿司屋さんに着いた。
はい、ただの卒業式です。え?思わせ振りなタイトルつけるんじゃねぇ!ですって?いや、本当すいません。私の内にある厨二心がバーニングしちゃったんです。両親の仲が最悪なのは本当です。