出逢い
皆さん!こんにちは!この話も中々短いかもしれませんが楽しんでいってください!
「そういえば、今日はお前の才能を見る日だったな」
「え?なにそれ聞いてない」
「今思い出したからな」
父さんがめちゃくちゃ大事な事をさらっと言った。本当に何でもない日常会話みたいに。ちょっと待って、本人の心の準備とかそういうのが一番大事なイベントだと思うんだけど!?というかそもそも⋅⋅⋅⋅⋅⋅
「何!?才能を見るって、すごく気になるし怖いんだけど!?」
「何て言ったら良いかな~、水晶に触ったら分かるとしか言いようが無いんだよな~」
「何そのざっくばらんな言い方!?」
「俺の息子は一体どこからそんな言葉を仕入れてくるんだ?」
書斎にあるミジンコでも分かる独孤家の歴史からだよ!!最初にミジンコの解説から始まってたから超ビックリしたよ!!皆知ってた?ミジンコってひとつ目なんだよ!!え?独孤家の歴史?簡単に言うと異世界と繋がった時にあっち側からやってきたヤバい邪神をぶちのめした事だよ。でもそれは認められてない。公には勇者の功績として片付けられた。
え?勇者って何かって?異世界側から来た神はこの世に存在していてその教えに従うことが人間の幸せだって言う新興宗教のシンボル的存在で女神から特殊な能力を授かった奴の事だ。
「まぁ、いい。とにかくそういうことだから出発の準備をしておいてくれ」
「は~い」
「はいは短くっ!」
母さんに言われてしまった。いい忘れてたけど母さんは赤い髪と切れ長の同じ色の目のかなり若く見えるアラサー?だ。アラサーって言うと怒られるのに、実年齢なんて怖すぎて聞けない。ドラゴンの寿命は下級でも大体3000年くらいなんだって。怖いね。
ちなみに父さんは独孤家の復権のための仕事をしてるらしい。気になるけど教えてくれなかった。
「ハイッ!」
返事をした後、僕は出掛ける準備した。お母さんには逆らえない。ちょっと強すぎる。なんでそんな事が分かるのかって?この前の痴話喧嘩で庭に無数のクレーターが出来たからだよ?あれはすさまじかった。思い出したくもない。
「暇潰しの本と、端末と⋅⋅⋅⋅⋅⋅もう大丈夫かな。よし!お母さーん、準備出来たよー!」
「分かったわ」
お母さんを呼んだ後僕達は件の場所に向かった。別に遠くも無かったし、道すがら特に何も無かった。でもまぁ、平和が一番だよね!
「おぉぉぉぉぉぉおおおおッ!すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
黄金で装飾された白い豪華な門、そして幾何学的な模様が彫り込まれた建物!周囲には瑞々しい色の蔦が巻き付いた白亜の尖塔!!そして極めつけは半円型のアーチ屋根!いやー、エキサイティングッ!!エキサイティングってなんだ?まぁいいや、初代様も細かいことは気にしないそれが幸せへの第一歩だっていってたし。
「よし奏多、行くぞ」
「え?ここ入れるの!?入って良いの!?」
「入って良いのよ?」
母さんの指指した方向を見ると、親子連れの人達がちらほらこの中に入っていっていた。
マジかー、こんなすげぇ建物に入っていいのか~。こんな機会もう二度と無いだろうし、今のうちにここをしっかり堪能しないとね!
母さんと父さんに連れられて門の中に入っていくと、まず人の多さに圧倒された。どこを見ても人人人、人だらけだ。商店もあって活気に溢れている。そしてその商店の見た目がまた荘厳!奥にある白亜の建物の景観を壊さないようにこれまた白い。かっこよすぎない?
「お、そこの坊っちゃん、このアイス食べていくかい?」
「いや、こっちの饅頭がいいだう?」
おのぼりさんのようにあちこちをキョロキョロ眺めていると店のおじさん達が話しかけてきた。
うわぁ、人とあんまりしゃべったこと無いからホントに困る。どうしたら良いんだろう?周りの子供達は普通に対応していた。
⋅⋅⋅⋅⋅⋅すごい熱気だなぁ。そう思っていると父さんがいつの間にかアイスを買ってくれていた。
「ほい、奏多これでも食べて落ち着きな」
「う、うん」
チョコ味のアイスは僕の好きな味だ。すごく落ち着く。チョコアイスを食べながら歩いていると遂に中央の建物に着いた。
「奏多、いってらっしゃい」
「頑張れよ!」
「う、うん」
緊張する。父さん、母さんの時代にはなかったらしいこのてきせーけんさ?は名前の通り、僕達の才能を見るものらしい。僕くらいの子どもが水晶に触ってステータスと唱える。
「やったーーーー!身体能力強化中と雷属性魔法だー!」
ふむふむ、こんな感じで分かるのか。なるほど、なるほど。
──そして僕の番がやって来た。僕は水晶にそっと手を当てる。
独孤 奏多 六歳(戦闘力評価Maxは100)
HP30
MP65
攻撃力40
守備力100
速度43
精密動作性30
魔法効果70
~~~~~~~~本人の適性~~~~~~~~
魔物使い100
時間魔法100
魔物語100
「何これ?」
うーん、なんだろう?これ。攻撃力とか、守備力って何?よくわからないや。とりあえず適性は魔物使い?時間魔法?魔物語?とりあえず僕はお父さん、お母さんの元へと帰った。
「お、帰ってきた、帰ってきた」
「どうだった?」
どうしよう。正直に言わないといけないかな。言わないといけないよね。
「僕の才能は魔物使いと時間魔法と魔物語だよ」
「へぇ、そうなのか。やっぱり家系だな」
「そうね。やっぱりそうなのね」
いや、二人で自己完結しないで教えてよ。くっ、こうなったら必殺!お目々うるうる!
「うっ!いやな、お前のお爺ちゃんが時間魔法の使い手なんだよ。俺は空間魔法の使い手なんだよ。だから、たぶん」
「時間魔法と空間魔法が交互に才能として出てくると思ってたんだけど、当たりだったわね」
そ、そうなんだ。魔物使いと魔物語は分かるよ?魔物の血が入ってるんだもん。時間魔法と空間魔法どこからきたの?
「時間魔法とか空間魔法って誰が使ってたの?」
二人の顔が輝いた。ああ、これは完全にあの人で決定だ。
「初代様だよ。初代様は時空魔法の使い手でやろうと思えば何だって出来た独孤家最強の魔物使いなんだ!それからあとは─以下略─」
うん、十数分も聞かされたらさすがに飽きるよ。しかも初代様の活躍とか本でも読みまくったからね。
「魔物使いの人はこちらに来てくださーい!!」
なんか呼ばれてしまった。呼ばれはしたが何があるんだろう?もしかして食べられちゃうのか?嫌だよ!?
「呼ばれたから行ってくるね」
「「行ってらっしゃい」」
僕はお父さんお母さんに一旦別れを告げて呼ばれた所に向かった。
呼ばれた場所に着くとそこにはなんか変な模様が地面に書いてあった。なんだっけあれ?えーっとま、まほ、魔方陣?そしてそのそばに厳つい男の人が立っていた。
「魔物使いの卵である君たちにはこれから自らの従魔を召喚してもらう」
厳つい試験管の人が意味わからん単語を言ってきた。従魔って何?いきなりそんな専門家が使うような言葉を言われても困るよ。
「従魔が何かわからないという顔をしているな。従魔とは魔物使いと契約を交わし、パートナーとなる魔物のことだ」
厳つい試験管は割と親切だった。へぇー、そうなんだ。でも待って、いきなりそんなの貰っちゃって良いの?試練的な何かを越えないといけないとか無いの?
「これはいわば投資だ。将来物凄い魔物使いになるかもしれない君達に恩を売っておく、というな」
なるほど、だからただで貰えるわけか。まぁ、貰えるものは貰っておこう。
「それではそこのお前から順番に並んでくれ」
魔方陣の中央に呼ばれた子が行った。すると魔方陣から光が溢れだす、光が収まるとそこにはドラゴンが居た。
「中々筋が良いな。大事にするんだぞ」
「はいっ!」
あの従魔の総合評価は300近くか、そこそこだな。あれ?何でこんなことが分かるんだろう?
「次、」
そしてどんどん列が消化されていき、僕の番になった。皆総合評価300近くだった。それくらいが普通なのかな?そして、いよいよ僕は魔方陣の中央に立った。
魔方陣の記号から光が溢れては消え溢れては消えを繰り返している。何!?え、え!?ちょっ、待てよ。他の人より光強くない!?眩しいんだけど!?某バルスおじさんが浴びた光並みに眩しいんだけど!?
でも、どうしてだろう?その光がとても懐かしく暖かい。そして光が収まった時そこに居たのは⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅
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