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黒髪のボッチだけど、振られたらアラクネに拾われて溺愛されました  作者: 電誅 萬刃
第二部 嵐の前のような静けさ
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狂乱の奏多

皆さん遅れてすみません。この回は休憩回です。ごゆるりとお楽しみください。

 勇者だと?そんなのうちのクラスに居たか?いや、そんなことよりも!!


「ぶっ潰してやる」

「何をしているんだい!?」

「そうだ!落ちつけ!!」


 勇者、それは今最も信仰されている宗教のめちゃくちゃ偉い人間。そして、一族の因縁の相手でもある。僕が試合場に向かって歩き出そうとすると、肩を羽交い締めにされた。


「ぐっ!離してくれ!僕は、いや!独孤家の人間は勇者をぶち殺す使命が有るんだ!!」


 そう!だからその手を離してくれ!行かなくちゃいけないんだ!初代様の名誉を回復するためにも絶対に!!ごすっ!鈍い音が首辺りから響いた。

 その後、僕の意識はブラックアウトした。


「うぅっ、首が若干痛い」


 目を覚ますと知らない天井⋅⋅⋅⋅⋅⋅は無く、白露達の心配そうな顔が有った。


「気分はどうですか?主様」

「あんまりよろしくない」

「保健室で寝てるって言うから心配してたんだよ?」


 七葉!?何でここに居るの!?いや、居て欲しくないとかじゃなくて、純粋に驚いてるだけ!僕は誰に言い訳してるんだろう?


「心配かけてごめん。確か僕は⋅⋅⋅⋅⋅⋅、勇者!勇者何処に居るの!?ぶっ殺さないと!」


 ぉっと、反射的にこんなこと言っちゃったけど引かれてないかな?良かった。そんなに引かれてなかった。


「さっきの試合から10分は経ってるから終わってるだろうね」

「え?」


  まさか、これを狙っていたと言うのか!?いやまぁ、分かってたけどさ。


「そっか、まぁ決勝でぶち殺すだけどね」

「「「ぶち殺すのは決定事項なのね」」」

「流石主様!」


 皆に突っ込まれてしまった。なんか若干一名違うのがいた気がするけど気のせいだ。


「っと、もうそろそろボク達の出番だ。行こう」

「そうなの!?」


 聞いてないよ!?寝てた、もとい気絶してたんだから当たり前か。


「あぁ、間違いないぞ」

「やっばっ!早く行こ!」


 僕達、主に僕は試合場に大急ぎで向かった。途中廊下を走るなと言われたのは秘密だ。

 試合場にて


「さぁ!波乱の二回戦!!突如現れたダークホースぅぅぅぅぅ三年二組白組チーム!!」


 歓声も無いが、ブーイングもない。あるのは恐怖の眼差しだけ。ふむ、いい気分だ。


「対して相手はぁぁぁぁぁ!!おおっと!特殊部隊と名高い四年赤組チームぅぅぅぅぅうう!!」

「「「「ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァア!!」」」」

「それでは試合開始だぁぁぁぁぁあああ!!」

「第2試合はチーム全員対全員になります。先程までとは違った戦闘スタイルが見えそうですね」


 マジか。──じゃあ今回の試合はすぐに終わるな。


「アンダスフォース」


 これは、相手の行動速度をゼロに極限まで近づけるっていう魔法だ。


「さて、行くぞ!」

「エクス、カリバぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」


 マヒロが剣を高く振り上げ、それを振り下ろした。ドッゴォォォォォォォォォォォォン!!

 物凄い音と光が収まるとそこには焼け野原しか残っていなかった。どこぞのセイバーさんかな?


「しょ、勝者は、三年二組赤組チームだぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

「斬撃をここまで大きくできる人は始めてみました。素晴らしい技量ですね」


 ──時は巻き戻った。

 観客席からの恐怖の視線をかっさらった。ふっふっふっ、僕達を馬鹿にしたことを後悔するがいい!


「さて、戻るとしましょうや」

「「「「あ、あぁ」」」」


 僕達はマヒロに若干の狂気を感じつつ試合場から離れた。マヒロを怒らせてはいけないという暗黙の了解が生まれた瞬間だった。

 グラウンドに降りる階段前にて、


「しばらく試合もないようだし、昼御飯にしようか」

「そうしようっか」


 僕達はそれぞれいそいそと弁当の準備を始める。白露が自然に料理を用意してるけど、僕が起きるなんて分からなかったよね?いつの間に準備したんだ?ま、いっか。考えても仕方ないし。


「「いただきます」」


 弁当箱を開けるとサンドイッチと唐揚げが入っていた。僕は唐揚げの一つに刺さっていた串をつまみそのままそれを口に運ぶ。美味しい。サンドイッチもすごく美味しい。


「ほら、あーんだ」

「ちょっ、まっ!恥ずかし⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅むぐっ!」

「どうしたんだい?いつもならこれくらい日常じゃないか」

「奏多達いるじゃん!!」

「それが一体?」

「人を殺しそうな顔してるぞ!」

「「リア充共め、末永く爆発しろ」」


 白露とハモったけどまぁ仕方ない。目の前でイチャイチャされてらご飯の味なんて、ねぇ? 


「私達は既婚者(仮)だからね。未婚とは違うのだよ。未婚とは」

「「キィィィィィィイイイ!!」」


 そんなこんなで僕達は昼御飯を食べ終えた。さて、次の試合は⋅⋅⋅⋅⋅⋅決勝か。ん?決勝!?早ない?まだ三試合しかしてないよ!?

 まぁ、考えても仕方ない。それに勇者をボッコボコに出来るなら、決勝だろうが、試合だろうが関係無い。


「さぁ、勇者をとっちめに行こうか」

「「「お、おう」」」


 後に白露はこの時の奏多の顔が閻魔に見えたと語っていた。

楽しんでいただけましたか?次の回で大会編は終わりです。もう少し我慢してください。

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