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準備

 天幕を張ってしばらく休憩していると、占領部隊の魔人達が到着した。

 軍議が開かれるから帰ってきてくれという言伝があったの俺達は帰ることになった。


「このまま順調にいけばすぐに港は使えるようになりそうだね」

「そうだけど、なんか心が痛むんだよなぁ······」

「どうして?別に何も悪い事はしてないだろう?」

「こっちの都合で早く攻めたあげく俺達は何もしてないんだよ?凄いモヤモヤするんだけど······」

「そういうものか······」


 俺達は首都にいる陛下の元に向かった。軍議かぁ。面倒な事にならないといいんだけど······。

 帰還用の地下鉄の揺れが心地良い。元々この港は地下鉄で首都と繋がっているとか。

 占領された時に入り口は埋め立てたらしい。

 入口だった場所を覚えてる人に聞いて地面をぶち破って乗った形だ。

 まひもトーラーも白露も寝息を立てている疲れたし仕方ない。かく言う俺も眠かったりする。


「んあ······着いた?」


 まだ着いては無かった。全員居るし息も正常、脈はあるし顔色も悪くない。武器もある。

 なんでこんなの確認してるのかって?きさらぎ駅の話を思い出して怖くなったからだよ!


「んんぅ、おはようございます?」

「おはよう白露」

「ふわぁ〜、おはようございます」


 白露が起きた。こんな風に無防備な白露を見るのは久しぶりだな·······。

 やっぱり超かわいい。そして、まひが席から落ちた。


「うおぉっ!あれ?」

「······んん~、何をしているんだい?」

「電車に揺られて落ちました」

「そうか······大丈夫なようで何よりだ」


 トーラーが赤くなっているなんて珍しい。まぁ、まひが下から見上げられたら流石に恥ずかしいか。

 チーンという音がした。外を見ると終点に着いていた。お知らせアナウンスじゃないのか······。


「付きましたね」

「ん、降りようか」


 俺達は電車から降りて駅から地上に出た。結構長い間地下にいたから太陽が眩しい。大通りに出たのか······。


「眩しいですね······。行きましょうか」

「行こっか」


 俺達は陛下の元へ向かった。大通りだから近くて助かった。遅れずに済みそう······遅れても責められる事はないだろうけど。


「私、参上!」


 白露の言葉が会議室に響き渡った。陛下の他にも偉そうな老魔人とか、インテリそうな緑色の肌の魔人が居た。


「なんですかあなた方は?いきなりなんです。行儀が悪いですよ」

「この人達が例の四人です」

「あぁ、なるほどぉっ」


 ねっとりした話し方で気持ち悪いなぁ。こんな人居たっけ?いなかったよね?戻ってきたのかぁ〜。


「貴様らか······ワシの軍隊の活躍を奪ったのは!」


 あ〜。はいはいこういうタイプね。エヴ○で言うところの国連軍ね。

 どうせ勝ったところで損耗率激しいんでしょ?なんか変なの帰ってきてんな······。


「それで、今日の議題は?」

「今後の戦略についてですね」

「なるほど、大まかな流れは?」

「まずは交」

「陛下!なんですかこの失礼な少年は!」


 うわぁ······。遮ってくるか。そりゃね、俺だってこんな砕けた口調したくないんだよ?白露の機嫌悪くなるし。

 でも口調でしか区別出来んなんて言われたらやるしかないじゃん。陛下から聞いてないの?


「これは私g」

「これは看過出来ませぬなぁ······」

「そこまで言うのならあなた方の方針をお聞かせ願いましょうか?納得できたらあきらてますよ」


 老魔人と緑色魔人がニタニタしてる。気色悪っ!見てて不愉快にしかならないってマジで才能だと思う。


「まずは北大陸に兵達を忍ばせ、そして段々と接収していきながら······」

「その摂取する兵、バレない自信は?それに数は十分あるのか。こんなガバガバな計画、馬鹿にしてるんですか?」

「我が第583795264254267156413軍団の実力を持ってすれば」

「長い。そして実力が信用出来ない。それだけ自信があるなら私くらい倒せると思ってもいいんですよねぇ?」

「あるに決まっているだろう!」


 あ〜あ、言っちゃったよ。白露が三日月型に口を開いてニタニタ笑っている。これはアレだよ。完膚無きまでに叩きのめすやつだ。


「窓の外」


 白露がパチンと指を鳴らすのと同時に荒野にシャルルが放たれた。いつの間に糸人形を忍ばせてたんだ······。


「偶然だ!こんなの偶然だ!!」

「そうですか······」


 白露がまた指を鳴らしてまたシャルルを放った。環境に厳しいからもうやめてあげて!!あぁぁぁあ!!3発目きたぁぁぁあ!!


「それで?これに耐えられるんでしょう?」

「そ、それは······」

「耐えられないなら······去れ」

「「ひっ!!」」


 老魔人と緑の魔人が会議室から出ていった。本当に何がしたかったんだか······。

 白露ストレス溜まってるのかな······?後で優しくしてあげよう·······。


「さて、指針を説明します」

「あっ、何事も無かったかのように始める感じなのね」

「主様、大丈夫ですか?体調でも悪いのですか?何もなかったじゃないですか」

「······ソウダネ」


 まひとトーラーの目が痛い。余計な一言は反省もしてるし後悔もしてる。

 はぁ······こういうの本当に気をつけていかないと······。


「まずは南端の、メーデス王国に使節を出します。あまりがっつかなくても大丈夫です。通行許可さえ取れれば後はなんとかなります。我々が狙うのは北端のアドラメルク帝国。そこさえ落とせれば他の国々は我々には手出しできません」

「なるほど······ロンバルディア王国はこの大陸の豊かな資源の独占取引を餌にするわけだね?」

「正解」

「エグい事をするな······。俺達が勝てばそんなの無価値になるというのに······」

「ふふふ、勝てば我々が正義なのですよ」


 この人からそこはかとなくダークなオーラが······一人に権力集中しないように奇数の合議制にしよう。絶対に。


「それで、私達はどれだけ交渉のカードを着れるんですか?」

「王家の存続並びに統治権の保証。そして他国が侵略してきた場合の保護ですね。出来ますか?」

「私を誰だと思ってるんですか?妻も従魔も突き抜けた主様の唯一絶対の存在。白露様ですよ?お茶の子さいさいですよ」

「おまかせしましょう」


 帝国か······。そういえば鳴神もヴァレンシュタインもそこの人間だったっけ?

 教会もそこが駄目になったら手を出せなくなるのか。なんて影響力だ。


「それで、いつ行けばいいですか?」

「準備が終わったならいつでもいいですよ?私達にはこの機械がありますからね」

「そういえば、アレの配布準備は済んだのか?」

「滞りなく。見てください」


 モニターのような物が降りてきた。そこには小型化された例のアレが大量生産されていた。壮観だ······。


「出来ているようだな。法律の整備はいつするんだ?」

「勝った後ですかね。有事下ではまだ早いです」

「そうか······」


 まひが統治方法の話をしている!?もしかしてまひの専門分野って統治理論だったりするのかな?


「じゃあ、明日行かせてもらいますね。楽しみです。一回乗ってみたかったんですよ。船。たのしそうじゃないですか?」

「確かに。海を進むって楽しそうだよね」


 空には結構飛ばされてるからどういう感じか知ってるけど海には一切行ったことはないから気になる。

 どんな感じなんだろう?船酔いとか大丈夫かな?どれくらい揺れるんだろう?港だけ行っても分からんしね。


「ふふふ、楽しそうですね」

「白露も楽しそうだよ?」

「そうですね。楽しいです」

「突っ込まないからね」


 トーラーがもう諦めた。心を読まれるのに違和感無くなっちゃったしね仕方ない。

 トーラー達も最近はしてそうだけどね。距離も近くなってるし。


「さて、私達は準備するので失礼しますね」

「船はやっておくので、どうぞ休憩してください」

「は〜い」


 俺達は明日の為に酔い止めや服などを準備した。まぁ、必要そうな物をバッグに詰めるだけなんだけど。


「ふぅ、なんか疲れた」

「そうですね。ふわぁぁあ」

「あくび出てるよ」


 あくびが噛み殺せなかった。なんか本当に眠い。地下鉄で寝てたのに······。やっぱり色々疲れたのか·······zzz。


「ふぁ!?今は朝3時か······」

「おはようございます」

「うわっ!白露か······。ゴースト的ななにかじゃなくて良かった······」

「主様、起こして早速悪いんですが······」


 押し倒されてるんですけど何をするおつもりです?大体分かるけど。白露······限界早くない?もうちょい我慢とかは······


「私は知恵の実を持つ生命体なので目の前に据え膳を置かれたら我慢できません。むしろ2日くらい持った私を褒めてください」

「開き直った!?」

「主様、声が大きいです。皆に迷惑ですよ」

「え、俺のせいなの?」


〜〜〜〜この流れいつまでもやる〜〜〜〜

スランプ中に書いたらこんなに面白くなくなるのを知った今日この回

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