第39話 柳町、エロマギア状態!!
弥生の過去や、弥生と京子の出会いなどが明らかになり、もう1度3組織でのブルーハワイ討伐隊を立ち上げる事が決まった柳町達。
討伐隊としては翌日から本格的に動いて行く事になった柳町達は、とりあえず今日の所は各々の部屋に戻る事になった……
京子先生と僕はダブルブッキングを理由に、当たり前のように同部屋で寝る事になった。
ファルセットでの特訓中も同部屋だったが、ベッドはちゃんと2つあった。
しかしここでは嬉しい事に、ダブルベッドが1つしかない部屋だった!
「柳町君。私、パンツ履いた方が良い?」
「え……あ……いや……」
「といっても、今日はずっとノーパンだけどね」
そうだったんだ……
全身黒タイツの時は、もしかしたら下着を全く着けていないかも知れないとは思っていたけど、ここに来る途中、車で京子先生が眠っている時に、お胸を1揉みした時はスポブラしてたしな……
その時によって下着を着けたり着けなかったりしてるのかなぁ……
「そういえばあの人、何か異能オーラを使うマギア状態の話してたじゃない」
「お父様ですね! 瀧崎さんに教わるはずだった、異能オーラをコントロールするようなやつですよね」
「そう。もしかしたら弥生が知ってるかも知れないわよ。これから柳町君にとってもシビアな戦いになるかも知れないし、今の内に会得出来るんだったら、ヒントだけでも知っとくと違うんじゃない?」
「そうですね。天影さんに聞いてみましょうか?」
「ええ。ちょっと弥生を呼んで来てちょうだい」
「わかりました」
とりあえずエロいくだりは、お預けされたようだった。
しかし京子先生の言う通り、僕が強くなる事は緊急を要する事に間違いはなかった。
京子先生はいつもバカな事をやっているようで、先の先まで考えている。
これから危険な戦いが続く事は免れない以上、僕も早急に強くならなければいけないのだ。
ベッドの上で体をほぐすようにストレッチする京子先生を置いて、僕は天影さんを呼びに行った。
確かこの部屋に入って行ったと思ったけど……
僕は、お客様用とは明らかに違う、幹部専用といった雰囲気のある部屋の前まで来た。
そしてとりあえずノックしてみた。
「天影さん、いらっしゃいますか? ちょっと異能力の事でお聞きしたい事があるんですが、少しお話出来ますか?」
ゆっくりとドアが開き、天影さんが顔を出した。
「柳町さん! 異能力の事ですか?」
「はい」
やっぱり何度見ても可愛い……
お風呂上がりでガウンを着ている天影さんは、殺人的に可愛い過ぎる……
「あ……あの〜天影さんは……」
「柳町さん。もし、天影って名前が言いにくかったら、弥生でも言いですよ」
何かちょっと嬉しい。
「では、弥生さん。弥生さんは異能オーラを使う、マギア状態の事ってご存知ですか?」
「勿論、知ってますけど」
「実は最近僕と京子先生は、ブレイブハウンドで異能力の特訓を行っていたんですが、まだマギア状態の事を教わっていなかったので、もし弥生さんが知っていたらいろいろとお聞きしたいと思ったんですが」
「別に良いですけど」
「ありがとうございます。じゃ、京子先生も待っているので、あっちの部屋でお願いします」
「わかりました」
脳内から変な分泌物が出て来そうなほど、良い香りのする弥生さんと一緒に京子先生の居る部屋に戻って来た。
「京子先生。弥生さんはやっぱり、マギア状態の事ご存知みたいです」
良く見ると、弥生さんもガウンの下はノーブラノーパンなんじゃ……?
下着を着けていないガウン姿の美女2人と同部屋に居るなんて、何かそれだけで人生の全ての運を使い切ってしまってる気がする……
京子先生はベッドから前宙をするように飛び起きて、弥生さんと向かい合った。
「私が弥生に聞きたいのは、ズバリ、マギア状態の事よ。ざっくりは聞いたんだけど、あまり良くわからなくてね」
「マギア状態っていうのは簡単に言うと、異能力オーラを全身に纏って戦う状態の事です。この状態で居ると、単純に身体能力が2倍くらいになるんです」
「2倍ですか!?」
「そう。でもマギア状態で居続ける事は、かなりの体力を消耗します。ずっと歯を食い縛っている状態に近いかも知れないですね」
「柳町君でいうと、トイレでずっと気張り続けてるって事かしら?」
「何で変な例え出すんですか!?」
「まぁ、それに近いですね」
「弥生さんまで!!」
「慣れれば、その状態が当たり前になってくるので、かなり長い時間マギア状態で居られる人もいます。個人が持っているオーラの総量によっても持続時間が違うと思いますが、私は2時間くらい平気でマギア状態で居れますよ」
「簡単に言うと、スーパーサ○ヤ人みたいな事かしら?」
「まぁそういう事ですね。まずは異能オーラをコントロールする事が出来ないと話にならないので、そこからですね。その後にオーラの総量を増やす訓練や、体の一部分にオーラを集中させて一部だけを爆発的に高める訓練などをしていくのがベターです。ほとんどの人は、オーラをコントロールする事すら出来ませんけどね」
「さっき少しやってみたんだけど、こういう事かしら!」
京子先生が気合いを入れると、全身に薄いオーラを纏っている状態になった!
「凄い、京子先生!」
「そう。その状態がマギア状態です!」
弥生さんも同時にマギア状態になった!
弥生さんの方がオーラがみなぎっているが、鍛えるとここまでのオーラを操る事が出来るのか!!す……凄い!!
「流石、ナニナニはセンスが良いですね。オーラののコントロールは申し分ないと思います。普通の人は、まずこの状態になる事が出来ないらしいんです。この状態さえクリア出来れば、あとは鍛練あるのみなんで、その人のやる気次第ですね。
ナニナニ、その状態であのドアの所までダッシュ出来ますか?」
それを聞いた瞬間、京子先生が僕の目の前から突然消えた!
振り返ってドアの前を見ると、そこに京子先生が移動している!?
元々京子先生が居た位置からドアの前までは、大体10m弱といった所だが、僕には瞬間移動したように見えた!!
「す……凄い!今の京子先生の動き、僕には全く見えませんでした!!」
「そうなの? ダッシュってほどじゃなく、軽く小走りした程度だけど」
あ……あり得ない……
元々、マギア状態じゃなくても、生身の状態で弾丸を避けられるほどの反射神経を持っていただけに、マギア状態になったらとんでもない事になってる!!
京子先生の異能力である『服従させる鬼女神』すら発動させていないのに、ただの小走りが瞬間移動並みなんて、末恐ろし過ぎる……
「まぁ、私はコツさえ掴めばすぐ出来るようになると思ってたけど、新右衛門君はどうなの?」
「ぼ……僕ですか?」
あ……あまり自信がないな……
やっとここ1ヶ月半くらいの特訓で、異能力である『氾濫する欲望』をある程度操れるようになってきたのに、それとは別にマギア状態なんて、そんなすぐには……
そう思いながらも、見よう見真似でマギア状態に挑戦してみた!
「うぐぐぐぐぐっ! ぐぎぎぎぎぎぎっ!!ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
オーラは何も出なかった……
「柳町君には本当ガッカリね。お腹が痛くて痛くて我慢してた挙げ句、やっとトイレに入れたと思ったら、8割方おならだった時くらいがっかりだわ!」
「どんな例えですか!」
「最初からガス欠じゃない! あんたやる気あんの!? 死ぬかも知れない戦いが始まろうとしてんだから、もっとやる気出しなさいよ!!」
返す言葉がない……
もっと言うとやる気よりも、別のモノが出てしまったんで、とにかく早急にトイレに行きたい……
「ただ力めば良いってもんじゃないの! オーラをコントロールして、全身に纏うイメージをするだけよ!」
「ち……ちょっとその前にトイレに行って来ます」
「何でこんな時にエロい事が考えられるのよ! 本当、柳町君の性欲には流石の私も負けるわ!こんな状態でもエロい事が考えられるなんて、あんたとあの猿のおっさんくらいしか居ないんじゃないの!?」
別に、性欲を制御出来なくなってる訳じゃないんですが……
「でもばば様に、昔聞いた事があります。確か熟練してくると、性欲を異能オーラに変換する事も出来るらしいって」
「そうなの?」
「ええ。確か猿正寺さんも、その技を会得してから強くなったって言ってました」
「じゃ、何気にエロい事も強くなる為には必要かも知れないって事ね。新右衛門君の場合、そっちのコントロールをメインにした方が良いんじゃないの?」
「どういう事ですか?」
「普通に異能オーラをコントロールするのは時間がかかりそうだから、性欲を異能オーラに変換する技を特訓するのよ」
「流石ナニナニ!良い考えかも知れませんね!」
どっちにしろ、僕のお尻はかなり危険な状態だったので、一旦トイレに逃げ込んだ。
汚れたパンツを捨ててお尻のケアをした後、僕はノーパンで部屋に戻った。
「トイレットペーパー無くなってない?」
「そこまで、何回もヌイてません! っていうか、そういうつもりでトイレに行ったんじゃありませんから!! 変な誤解を生むんでやめてください!!」
「ごめんなさい。ちょっと冗談が過ぎたわね」
せめて弥生さんの前で、変なキャラを付けるのは控えて欲しい……
「じゃ、改めて性欲を、柳町君の有り余る性欲を異能オーラに変換する特訓をしてみましょうか!」
正当な手段でエロいキャラ付けをされてしまった……
京子先生は、言い負かされた事は倍にして返すように、子供の頃から仕込まれているのだろうか?
前からそう思っていたが、僕は何をやっても京子先生に勝てる気がしない……
正しいか正しくないかは置いといて、とりあえず京子先生の言う通りにしておけば、大抵の事は上手く行くし、今の自分よりは向上出来る事は確かなんだ。
「ちなみに弥生。性欲を異能オーラに変換するにはどうしたら良いの?」
「正直、それに関しては、私は詳しく知らないです」
「じゃ、とりあえず感覚でやってみなさいよ柳町君」
「か……感覚ですか?」
簡単に言うけど、僕は京子先生のように何に対してもセンスがある訳じゃないんだから、そんなすぐには出来ませんよ……
「多分だけど、エロい事を考えて、自分の全身に性欲を纏うイメージね」
「どういうイメージですか!? 弥生さんも半笑いしないでください!! 恥ずかしい……」
全身に性欲を纏うって、さらっと言ったけど、どうやるんだ?
「新右衛門君。あまり深く考えないで良いのよ。いつもの自分を少し解放してあげれば良いの」
いつもの自分って……なんか失礼だな……
「私も弥生も、このガウンの下は全裸なんだからしっかりイメージしなさい」
そ……そう言われると、何だか変なエネルギーがみなぎってきた……
僕は京子先生と弥生さんの裸を想像し、全身に性欲を纏う事をイメージしてみた。
するとうっすらだが、僕の体が薄い光に覆われているのが分かった!
「柳町さん、出来てます!! 凄い!!」
弥生さんはガウンの上から胸などを隠し、変態を見るような目ので僕を見ていたが、かなり驚いた様子だった。
「本当ね。出来てるわ。やっぱり柳町君にはこっちの方が合ってるのよ」
「あ……ありがとうございます」
どこかに素直に喜べない自分がいた……
とりあえずマギア状態にはなれたけど、何かがちょっと違う。
何だろう……?
良く見ると僕のオーラの色は、薄いピンク色だになっていた。
さっき京子先生や弥生さんがマギア状態になった時は、薄い黄色で光輝いていたのに、何で僕だけ……?
「柳町君だけオーラがピンクね。性欲を変換するタイプのオーラって色が違うのかしら?」
「そうみたいですね。私も見るのは初めてです」
「何かこれだと、自分がエロい人ですって言ってるみたいで、戦いづらいですね……」
「良いじゃない、別に。柳町君がエロい事には間違いないんだから、堂々としてたら良いのよ」
京子先生は簡単に言うが、僕にも少なからず羞恥心というものがある。
堂々としていられるほどのメンタルは持ち合わせていませんよ……
「柳町君、その状態でパンチしてみて」
「分かりました」
僕はシャドーボクシングの要領で、思いっきりパンチを繰り出した。
その瞬間、凄い風圧が起きて、弥生さんのガウンがめくれ上がった!
「キャ!!」
一瞬だけ、色白の可愛いお尻がチラっと見えた!
部屋の棚に置いてあった物も風圧で全て飛んでしまい、ベッドの掛け布団も壁の方に舞っていた!
「す……凄い。思っている以上の破壊力です」
少し気を抜いたらすぐに、普通の状態に戻ってしまったが、僕は急に強くなった気がした。
「猫パンチでこれだけの威力が出せたら、上出来よ!」
猫パンチ…………
僕的には格好良くパンチを繰り出したつもりだったのに、そんな風に見えていたなんて……
どちらにせよ、やっと僕も少しだけ戦力になりそうな兆しが見えてきた。
いつも足手まといになっていた事がコンプレックスだったが、何とかこのマギア状態を会得出来た事で、僕の中での強くなろうとするモチベーションが一気に上がった。
こうなったら、もっともっとパワーアップしてやる! このエロマギア状態で!!
マギア状態の事を教え終わった事もあり、お尻を見られて恥ずかしそうにしていた弥生さんは、そそくさと部屋を出て行った。
僕と京子先生は散らかった部屋を片付け、一緒のベッドで寝る事になった……
最後まで読んでいただきありがとうございます。あきらさんです!
最近、書く時間を確保する事が難しくなっているので、書くスピードを意識しています。
その分、内容が薄くならないように気をつけようと思っていますが、元々あまり濃い内容でもないので、しっかり笑いが取れるように笑いの部分を注視して行こうと思っています。
次回は9月18日頃までには投稿したいです。よろしく!!




