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私は俺らしく  作者: きのこる先生
序章『いおり・リジェネレーション 』
8/16

第8話『いおりテイスト』

4/11 ストーリー改変、加筆を行いました。


前略、童心へ帰るってのは幼児退行の一種なのかな どうなんだろ



「HQ、HQ。こちらα(アルファ)。リビングより調理施設(キッチン)への|潜入に成功。」


「これより食料(目標)の確保へ移る。」


「こちらα、冷蔵庫(ストレ-ジ)を発見した。これより内部の物色( 調査)を開始する。」



「こ、これは...虎印(タイガ-ラベル )どらやき( 名物)!?」



「はい、奥様が依織さんのおやつに と用意された物でございます。」


「ひゃいっ!?」


いきなり背後から声をかけられた俺は、驚きと先程のひとり茶番(ハズカシイ姿)を見られた!という羞恥心で絶賛フットー中だよ!!


「なな、中島さん!? い、いつから見てたんですか!?」


「依織さんがキッチンへ入る所から ですね。」


「全部じゃないですかぁ!!やだぁぁぁ...」

穴があったら入りたい...


「すみません、あまりにも可愛らしかったので...つい、声をかけるのを躊躇ってしまいました。」


やめて!俺のHPはもうゼロよ!!


「お詫びと言ってはなんですが、お茶を入れますので、おやつにしましょう」


「うう⋯はぁい⋯」


でも、美味しい物はジャスティスである。



■□10分後□■


俺は屈服していた。

心は完全に溶けきってしまっている。抵抗すら許されない圧倒的幸福感⋯それは『甘味』


「どらやきおいしぃ...♡」


『水は方円の器に随う』なんて言葉もあるくらいだ

()(依織)の形になった⋯と考えると説明がつきそうなんだけどね。

味覚だって依織のものだ。

依織は女の子なんだから、甘い物も好きなのだろう。


俺は絶賛『虎印のどらやき』に夢中なのだ。



「中島さんお茶ありがと!」

ぐっじょぶ!

俺は満面の笑みで親指を立てる。


「ようございました。」

中島さんも嬉しそうだ。


「はぁ...幸せだった。そうだ、中島さん」


「はい、なんでしょう。」



「前の依織は...中島さんから見た依織はどんな子だったんですか?」



「...お嬢様は...他人(ひと)の痛みが分かる、とてもお優しいお方でした。」

色々思うところがあるのだろう

優しいが故の苦しみも⋯この人は依織をよく知っているのだ。

生まれる前から⋯


「...そうですか。ずっと依織を見守っていてくれて、ありがとうございます。」


これ以上聞くのは無粋ってもんだ 何となくそう思った。



「依織さんは、大人になられたのですね…」

少し驚いたような表情をされた


「そんな事ないですよ。私はただ、依織は愛されてたんだなって⋯知れたので、いいんです。」

若干カッコつけてるけどそう感じたんだし⋯うん


「依織さん、貴女はそのままでいいのです。今も変わらず、優しい目をしておられますから。」


中島さんは深く礼をすると、食器や湯のみを片付け始める。



そんな風に言われちゃあ⋯


「馳走様でした。中島さん⋯ありがとっ」


いい子でいるしかないじゃない



「ホント、年上には敵わないなぁ」

4/9 一部内容の変更行いました。

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