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1話 始まりエクスプレス 挿絵あり

2作目連載となりました!ありがとうございます鉄飛行機です!!

『Silent Syndrome』(サイレントシンドローム)は、私が中学生の時考えていた最初の物語なんです。『サイキッカー辛過ぎワロタ』で学んで培った想いやスキルをーー全力をこの作品にぶつけようと思います!

是非多くの人の目に触れると嬉しいです!

挿絵(By みてみん)


「お兄……ちゃん……!最期に、私の……お願い、を……」


俺の一つ年下の妹ーー犬神悠里(いぬがみゆり)が、この言葉を途中で息を引き取った。

2年前。街に現れた謎の通り魔に刺され、悠里の人生は強引に幕を閉じた。

まだ中学生だった俺は何も出来ず、ただ冷たくなっていく妹を抱き抱える事しか出来なかった。


俺はその日を、忘れた事は一瞬もない。


悠里の最期に言い残したかった願い……俺はその答えを探している。



「おーい渉。ねぇってば渉。かまって渉」


俺を隣でしつこく揺らす少女は、俺が返事を返すまで名前を呼び続けている。

そんな俺ーー犬神渉(いぬがみわたる)は、どうやら眠ってしまっていたらしい。いつの間にか、昔の夢を見ていたようだ。

……また、あの時の夢。

2年経った今でも、あの時の哀しみは消えない。たった1人の妹だったから、思い出す度辛くなる。

夢の余韻に浸っていた所だったが、隣の少女はお構い無しだ。


「ねぇわーたーるー!起きてよー!」

「うるさいな!もう起きてるよ!大人しくしてろよ!」

腰掛けている座席。窓の外で動く景色。そして周りをキョロキョロと見渡して思い出す。

そうだった……俺達、新幹線に乗ってたんだった。

それにしても、この号車乗ってるの俺達ともう1組だけかよ。まぁ、終電だしこんなものか。

「なぁ、俺どれくらい寝てた?」

隣で駄々をこねて座っていた少女に尋ねる。

「えっ?うーん。1時間半くらいかな?まったく、寝るとか有り得ないよねー。ボクと遊んでくれなきゃ」

「あのなぁ……俺疲れてんだよ」

「じゃあ寝ながら遊んでよ!」

「そんなサイキッカーじゃあるまいし……」

「遊んで遊んで遊んで!」

一人称『ボク』の少女。長髪で腰まで伸びた髪色は、紅の赤。そして中学生と見間違える幼い容姿。

「……ほんとお前って子供だよな」

俺は思ったことを指摘するのだが、赤髪の少女はいつも決まって言い返す。

「失礼な!ボクは身長小さいだけで、渉と同い年の16歳だよ!」

今でも信じられないが、少女は高校2年生である俺と同い年だ。


号車の最前席に座っていた俺達2人。

そのずっと後ろで座っていた2人組の内1人が、立ち上がって隣のもう1人に話しかけた。

「私ちょっとお手洗いに行ってくるわ」

そう言って前にあるお手洗いに向かって歩き出す。

ふらつかないように、左右の座席に掴まりながら前へと進む。

そしてすれ違おうとした所で、俺はその少女と目が合った。

ショートヘアーで、全身黒の礼服姿の少女。

俺は直ぐに少女が知り合いである事に気づき、向こうも俺の顔を見るなり名前を口にした。

「渉!?どうしたの!?旅行!?」

「菜乃!?すげぇ奇遇じゃん!」

露草菜乃(つゆくさなの)ーー少女はただの知り合いではない。

同じ学校の同じクラスで、中でも一番仲のいい友達。普段から放課後や休日も、予定があれば会って遊ぶ仲。

菜乃が同じ車両で乗り合わせていたことには驚いだが、今まで何処に行っていて何の用事だったのか……それは前々から聞かされていた。

黒の礼服ーーそれが今までの様子を伺える。

適当に会話を交わし、菜乃は思い出したようにお手洗いへと向かった。


隣に座っていた赤髪少女は、気になって俺に尋ねる。

「ねぇ渉ー。菜乃はどこに行って何していたの?真っ黒なお洋服なんか着て」

「ん?あれは礼服。実家に住んでた菜乃の親父さん……先日亡くなったんだ」

それを聴いた少女は、ごめんと言って縮こまる。

「なんでお前が謝るんだよ」

少女の頭をポンポンと叩く。


菜乃の親父さん……交通事故で死んだって聴いた……

即死だったらしい……

菜乃と遊んでいる時、母親から電話が掛かってきて、次の瞬間菜乃は表情を青くして飛び出したんだ……

俺も……家族が急に亡くなったから、その寂しさも怖さもわかる……!

ほんとに急なんだ……!

昨日まで……数時間前まで……!元気に笑って動いてたのに……!


菜乃はお手洗いを出て、すぐそばの手洗い場で手を拭いていた。

「もう……泣いちゃダメだ」

パッと、自分の表情を確認しようと、鏡で自分を見合わせたーーところだった。


後ろを男の人が通り過ぎる。


一瞬だったが、菜乃は見覚えのあるその体格と横顔に、血相を変えて追いかけた。

反対の号車。男が歩いていった方角。


「……パパ……!?」

1話ご愛読ありがとうございます!

これからも魅力的なキャラクターをどんどん作品内で暴れさせようと思いますので!w

どうかよろしくお願いします!


皆さんの通学通勤時を楽しく出来たらなと思いまして、平日朝7時から連載していこうと思います!

一話一話読みやすく2000文字いかないくらいの作品にしていこうと思いますので!気軽にこれからもよろしくお願いします!

第2話もよろしくお願いします!

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