表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

中2

君は、いつものように、窓の外を見ている私に外で、口パクで何かを言っている。


新学期が始まった。彼とは、また、クラスが違った。


でも、れんとは、クラスが同じだった。しかも、相変わらず、隣の席。


桜の花びらが窓の外から入ってきた。きれいに降っている。私は、再び、ぼんやりと外を見ていた。


すると、れんが、

「ねえ…」

と話しかけてきた。私は、

「うん?」

と。れんは、

「あのさ…」

と再び。

「だから、なに?」

と。

「実は…」

となかなか、話さないれん。私は、

「なに?」

と再び。

「お前に、話さないとならないことがあって…」

「とりあえず、ごめん!」

と頭を下げるれん。私は、目を丸くし、

「え?なに?なに?」

とつぶやくと、れんは真剣な顔をした。なかなか、顔を上げないれんに、

「頭、あげて!」

とあげさせた。


そして、彼は、ゆっくりと、私に話し始めた。


それは…


私が、いじめにあってからのこと。


れんは、番長に

「好きです。私と付き合ってください。」

と告られたらしい。れんは、

「ごめん!」

と返した。


その次の日、れんは、学校に登校し、下駄箱を見ると、何かが入っていた。手を伸びし手に取ると、それは、ラブレターだった。れんは、封を開けそのラブレターを読んだ。番長からだった。最後のところには、「今日の放課後、体育館に来てください。」と書いてあった。れんは、授業が終わり、放課後に体育に行った。すると、番長がいた。番長は、

「私と付き合ってください。」

と率直に言うと、れんは、

「昨日も言ったけど…」

と言うと、

「なんでですか?」

と。さらに、

「なんで、私じゃないですか?」

と。

「ずっと、好きだったんです。ずっと。」

と泣く番長。その姿を見て困るれん。

「ごめん!」

と謝るれん。そして、れんは、その場を去ろうと向きを変え、歩き出した。


しばらくしてから、番長は、

「あの子がどうなってもいいの?」

と目を変える。怖い目に。れんは、

「あの子?」

と聞く。

「あなたの愛しい人だよ!」

と怖い目に。

「え?」

と鈍いれんに、

「菜葉だよ!」

と切れたような怖い番長。

「菜葉?」

と。

「そうだよ!」

と呆れたような口調のれん。

「お前…菜葉に何した?」

と怒り出す。

「だから、私と付き合わないと、あの子が痛い目に合うよ!」

と警告する番長。れんは、

「はあ?なにそれ?」

と。

「関係ねぇだろーう!」

と。

「菜葉を好きなこと、関係ねぇだろう?」

と、怒り出すれん。

「じゃあ、私と付き合う?」

と番長は、言う。れんは、即座には答えなかった。

「どうする?」

と答えを出すのを焦らせようと責めさせる番長。


しばらく、間の空間が空いてから、

「わかったよ…」

と答えるれん。

「そうしたら、菜葉には、一切何もしないんだな?」

と。番長は、

「約束する。」

と。


その日かられんと番長は付き合うようになった。


だけど…


私に対してのいじめは、消えなかった。


さらにさらに日々エスカレートしていくだけ。


私は、それから3週間経って学校に行かなくなった。


れんは…

「ごめん!」

と頭を下げる。


私は、れんの思いを知った。


窓の外には、彼がいるのに、気づかなかった。桜の花びらさえ、気づいたいなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ