中2
君は、いつものように、窓の外を見ている私に外で、口パクで何かを言っている。
新学期が始まった。彼とは、また、クラスが違った。
でも、れんとは、クラスが同じだった。しかも、相変わらず、隣の席。
桜の花びらが窓の外から入ってきた。きれいに降っている。私は、再び、ぼんやりと外を見ていた。
すると、れんが、
「ねえ…」
と話しかけてきた。私は、
「うん?」
と。れんは、
「あのさ…」
と再び。
「だから、なに?」
と。
「実は…」
となかなか、話さないれん。私は、
「なに?」
と再び。
「お前に、話さないとならないことがあって…」
「とりあえず、ごめん!」
と頭を下げるれん。私は、目を丸くし、
「え?なに?なに?」
とつぶやくと、れんは真剣な顔をした。なかなか、顔を上げないれんに、
「頭、あげて!」
とあげさせた。
そして、彼は、ゆっくりと、私に話し始めた。
それは…
私が、いじめにあってからのこと。
れんは、番長に
「好きです。私と付き合ってください。」
と告られたらしい。れんは、
「ごめん!」
と返した。
その次の日、れんは、学校に登校し、下駄箱を見ると、何かが入っていた。手を伸びし手に取ると、それは、ラブレターだった。れんは、封を開けそのラブレターを読んだ。番長からだった。最後のところには、「今日の放課後、体育館に来てください。」と書いてあった。れんは、授業が終わり、放課後に体育に行った。すると、番長がいた。番長は、
「私と付き合ってください。」
と率直に言うと、れんは、
「昨日も言ったけど…」
と言うと、
「なんでですか?」
と。さらに、
「なんで、私じゃないですか?」
と。
「ずっと、好きだったんです。ずっと。」
と泣く番長。その姿を見て困るれん。
「ごめん!」
と謝るれん。そして、れんは、その場を去ろうと向きを変え、歩き出した。
しばらくしてから、番長は、
「あの子がどうなってもいいの?」
と目を変える。怖い目に。れんは、
「あの子?」
と聞く。
「あなたの愛しい人だよ!」
と怖い目に。
「え?」
と鈍いれんに、
「菜葉だよ!」
と切れたような怖い番長。
「菜葉?」
と。
「そうだよ!」
と呆れたような口調のれん。
「お前…菜葉に何した?」
と怒り出す。
「だから、私と付き合わないと、あの子が痛い目に合うよ!」
と警告する番長。れんは、
「はあ?なにそれ?」
と。
「関係ねぇだろーう!」
と。
「菜葉を好きなこと、関係ねぇだろう?」
と、怒り出すれん。
「じゃあ、私と付き合う?」
と番長は、言う。れんは、即座には答えなかった。
「どうする?」
と答えを出すのを焦らせようと責めさせる番長。
しばらく、間の空間が空いてから、
「わかったよ…」
と答えるれん。
「そうしたら、菜葉には、一切何もしないんだな?」
と。番長は、
「約束する。」
と。
その日かられんと番長は付き合うようになった。
だけど…
私に対してのいじめは、消えなかった。
さらにさらに日々エスカレートしていくだけ。
私は、それから3週間経って学校に行かなくなった。
れんは…
「ごめん!」
と頭を下げる。
私は、れんの思いを知った。
窓の外には、彼がいるのに、気づかなかった。桜の花びらさえ、気づいたいなかった。