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序章
「ふぁ~・・・」
平穏な空にこれまた平穏な雲が流れていく。文句なしのお散歩日和である。
ポカポカした4月の日曜日、家族連れで賑わう公園を、黒鳥翼は歩いていた。特に理由があるわけではない。あえてあげるとすれば、‘暇だから’だろう。
10分ほど歩いて気付いた。
「今日のゲーセンってコイン2倍の日か・・・」
特に好きなこともなく、お金を使うこともなかった翼はコインゲームをすることが少なくなかった。
5分ほど歩いてゲーセンにたどり着いてドアを開けた翼は、眩しさのあまりめをつぶった。
目を開けるとそこは・・・
小高い丘だった