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タイムディプライブド  作者: 如月 上下
9/18

case2 霞崎✖︎磯園 『宣戦布告』

あの戦闘から2日間、建物に入っては手榴弾を確保しタイムマシンに戻り、備え付けのシャワーと備蓄してある食料で難なく過ごしていた


磯園「なぁ、いいのか?」


磯園は銃の構造を紙に書きながらチョコを齧る友人に聞く


霞崎「何が?」


霞崎は手を止めずに磯園の方をちらっと見る


磯園「手榴弾だよ、お前・・見つけても黒い方は5個ずつその場に残してるじゃないか」


そう、霞崎は建物で手榴弾の入った箱を見つけても白は全部持っていくが、黒は5個ずつ置いていってるのだ


霞崎「あぁ、あれは誰か他の人の為に置いてるんだよ、5個位あればあの化け物も何とかなるだろ?」


霞崎は銃の構造を書き終え、満足した顔で答える


磯園「成る程な、お前にそこまでの善意があったとは驚きだ」


磯園は霞崎が書き上げた銃の構造を見る為に近寄る


霞崎「まぁな、救済措置って言うのは無いよりマシだしな」



磯園「・・・・・・所で」


磯園は霞崎が書き上げた構造図を見ながら言う


磯園「お前、構造図とか書けたのか・・・いや、分かるのか?」



磯園の記憶では霞崎と言う男は設計図やらそう言う作業は苦手なイメージだったが、どうやらそんな事も無いようだ


霞崎「ん?分からんが?」


霞崎はその期待に苦笑いで答える


磯園「え?じゃあこれって・・・」


霞崎「まぁ、こんなもんなんだろうって感じで書いてた」


要するに適当なのであった

磯園は呆れた後にそそくさと外出の準備をする



霞崎「まぁまぁ、そう怒らずに仲良くお出かけしようぜ」


霞崎は笑顔で磯園の後に続く


霞崎「まぁ、この景色ももう慣れたな」


廃墟の世界を見渡すと霞崎は余裕の笑みで一言



磯園「まぁ、住めば都にはならないがいいんじゃないか?」



友人の適応力の高さにほとほと呆れつつ磯園は拠点から出る



『・・・・ぁ・・・ぁぁぁぁ』


すると何処からか遠くの方から叫び声なのだろうか、人の声が聞こえる


磯園「⁉︎・・・今のって‼︎」


霞崎「人の叫び声だろうな、恐らく俺たちが初日に目指していたあの巨大な建物の方だ‼︎」


そう言うと霞崎は駆け出す


霞崎「生存者かタイムマシンを使った人のとっちかだろうな‼︎」


磯園「ハァ・・・ハァ・・・だけど、そんなに走らなくても・・・」


霞崎は目をキラキラと、磯園は息を切らせながら走る


暫く走ると何かが落ちているのに磯園は気付く


磯園「・・・キックボードか?」


それは結構な重さのキックボードだった


霞崎「どうした?急に止まって?」


霞崎は足を止め、磯園の方へ戻ってくる


磯園「いや、このキックボード、なんかエンジンみたいなのが付いてるんだよ」


磯園はキックボードを観察する



見た目はキックボードだが、所々が違う


足元に3つのボタンとハンドル部分にブレーキの様なものがあり、何より乗り場が大きい


霞崎「ん?、この乗り場のパネル、ソーラーパネルじゃないか?」


霞崎に言われてよく見ると大きな乗り場はあの太陽光発電に使われるパネルそのものだった



磯園「これは、まだ使えるかもな、後ろに乗ってくれ」


磯園はハンドルに手を掛けると霞崎は磯園の腰に手を当てる


磯園「とりあえず右から押してみるか」


右のボタンを足で踏むが何の反応もない


霞崎「流石に壊れてるだろ?」


霞崎の笑い声が後ろから聞こえる中、中央のボタンを踏むと



ボッ‼︎ヴヴヴヴ‼︎‼︎


霞崎「おお、動いた動いた」


キックボードは動き出した、しかしこれなら走った方がまだ早い


磯園「ちゃんと捕まってろよ」


磯園は最後のボタンを踏む



ゴォッッッ‼︎‼︎


速い、車よりは遅いがなかなかの速さだ


霞崎「アボボボボボボ」


後ろの友人は何か言いたそうだが、風のせいで上手く喋れないようだ





・・・・・・・10分後



霞崎「最悪のドライブだったよ」


霞崎は恨めしそうに座り込む



磯園「まぁまぁ、でもあっという間に目的地に着いたじゃないか」


磯園の言うとおり、二人の目の前には廃れた街とまだ遠いが黒い大きな建物があった


霞崎「それもそうだな、じゃあ、狩ろうぜ」


霞崎は白手榴弾を銃にセットする


磯園「あまり猟奇的になるなよ?危ない人に見られるぞ」



磯園は黒手榴弾を腰に付けながら言う



すると



『ギギィ、ギィィィィィ‼︎‼︎‼︎』


何かの金属がこすれ合う様な叫び声が聞こえる


霞崎「あっちの方か?」


霞崎は街のなかでもなかなか開けた場所を指差す



磯園「だな、行ってみるか」



と、その時

[・・・・あー、あー、聞こえてる?まぁ聞こえて無くてもいいんだが]


声が鋭く冷たいが間違いない


霞崎「おい、この声って・・・」


二人の額から汗が落ちる


磯園「ジョーカー局長だね・・・」



[さて、タイムマシンを完成させたいと願う馬鹿が50人を超えたのでこれから君たちには私の発明品達と戦争をしてもらうよ?]



その時、死んでいる街から様々な叫び声があがる



霞崎「いいシチュエーションじゃないか」


磯園「もうどうにでもなれ」



霞崎はニヤリと笑う



霞崎「何?これってRPGって事でいいのか?」

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