case2霞崎✖️磯園 『未知数』
あれからタイムマシンに鍵を掛けてトボトボと歩いていた
不思議と暑さはあまり感じることは無く、むしろ心地よい気温だ
これが廃墟の山じゃなくてビオトープだったら最高なんだろうな
磯園は元気そうに先陣を切って歩く霞崎を恨めしそうに見る
磯園「ハァ・・・お前は何もしなくても自動で加速するからいいよな・・・」
霞崎と言う男が疲れるまでヒートアップさせてやろうと目論み、おだてたりしたものの、中途半端な所でやめた為霞崎は依然として元気そうだ
霞崎「ん?何か言ったか?」
霞崎はずんずんと歩きながら振り向く
磯園「いや、何でもないよ」
こうなると誰にも霞崎は止められない
恐らく先程の武器を怪物とやらに使いたくて仕方ないのだろう
霞崎「怪物ってなかなかいねぇのな〜、ゲームみたいにぽんぽん出てくるものと思ってたんだが」
そんなぽんぽん化け物が出てきたら明らかに命が足りない
銃を構えるふりをしたり、手榴弾を投げる動作をしてみたりと霞崎は忙しそうだ
と、その時
ズシン・・・ ズシン ・・・《ヴォォォォォォォアォォォォォ‼︎‼︎‼︎》
霞崎「おぉ⁉︎モンスターか⁉︎」
磯園「もういやだ・・・帰りたい・・・」
興奮ふる霞崎と畏怖する磯園
霞崎「ほら‼︎近そうだし行ってみよう‼︎」
霞崎は目を爛々と輝かせながら銃に白手榴弾をセットする
磯園「いや、本気で・・・・」
ガルルルルルルルルルルルルルルルル
その時、磯園の背後から声が聞こえる
後ろを振り向きたくても振り向けない
霞崎「伏せろ‼︎」
・・・ズシャァァァ‼︎
霞崎がそう叫ぶと磯園は伏せる、何かが目の前で滑り倒れる
霞崎「走れ‼︎離れるんだ‼︎」
その言葉を聞くと全力で駆け出す
霞崎「じゃあな、ワンちゃん」
霞崎は犬型ロボットに白手榴弾を打ち出す
と、同時に《ヴォォォォォォォ‼︎‼︎》背後から声が聞こえる
犬型ロボットの爆発音と共に走る、上手くセットできない
すると磯園がこちらへ走ってくる
磯園「右に避けろ‼︎‼︎」
磯園が指差す方向へ逃げる
追いかけてきていた何かは直進しかしないようだ
しかし、回避する際にチラッと見たら
背後は大きな口が広がっていた・・・・
磯園は化け物とぶつかり合う距離まで近付いて何かを口に放り投げると回避した
ドォン‼︎‼︎
化け物の頭部は爆発し、消え去る
霞崎はその一瞬を見ながら
霞崎「・・・・ザリガニ?」
呑気な事を言っていた
磯園「なかなか、スリリングな事になってきたな」
霞崎「だな、次はどこに向かうよ?」
磯園「とりあえずあの大きい建物に向かってみよう」
磯園は廃れた監獄を指差す
霞崎「そうだな、あんなに大きかったら何かしらあるだろう」
霞崎は歩き出す
磯園「あれ、目的がずれている気がする・・・」
磯園はノリ気な自分に嫌気がさした
霞崎「おーい、行こうぜ」
離れた所から霞崎の声が聞こえる
磯園「分かったよ‼︎」
磯園は走り出す
これから起こることにワクワクしながら