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徹夜しました……。

短めです。

 爽やかな朝の日差しを受けながら、私はショボショボと上手に開かない目を擦りながら、机から頭を上げた。


 難解なパズルを組み合わせるような授業カリキュラムを組み合わせていたら、どうやらそのまま寝落ちしたらしい。


 手元の羊皮紙に水痕が……じゅるり。


 しかしまさかカリキュラムで徹夜することになるとは思ってなかったわ……、選択授業恐るべし。


 あー、朝日が眩しいわ。


「シオル殿下、おはようございます……、ってはぁ、きちんとベッドで寝ませんでしたね。」


 まだ入室の許可を出していないのに、部屋へ入ってきたロンダークさんが私の顔を見るなりため息をついた。 

 

「殿下、顔にカリキュラム内容が書き写してありますよ?」


「えっ、どこに!?」


「右側をしたにしてカリキュラムの上に寝ましたね。お食事の用意は出来ておりますので、顔を洗ってください。」


 そう言うと洗面用の金属製の桶に汲まれたお湯を示された。


 この世界は給湯器どころか水道が有るわけでもないので、洗面器いっぱい分のお湯を用意するにも井戸から水を汲み上げて、竈に運び込んだ薪を燃やして沸かすのが、一般的だ。


 温泉水なら温かいお湯には困らないだろうが、真水となると用意するのは大変なのだ。


 冷める前にありがたくお湯で顔を洗うと、スッキリと目が冷める。


「授業カリキュラムの方は出来上がりましたか?」


「大体は、ね……、正直嘗めてたわ。」


「そうですねぇ、出来ればやるべきカリキュラムを終わらせてからにしていただきたかったですね。」

 

 うっ、返す言葉もありませんですはい。

 

 用意してもらった朝食を食べて、昨日着た物よりも若干質素な軍服デザインの制服に袖を通す。


 今日から授業が始まるわけだが、最初の一週目は主に学園の説明や、高学年者との交流会などの社交が多い。


 今日は式典はないので帯剣出来ることに安堵しながら迎えにきた馬車に乗り込んだ。


 ガダンゴトンと言う揺れが、寝不足に効果覿面で学園つくなり、呆れた様子のロンダークに叩き起こされた。


 今にも雷を落としかねない様子のロンダークから逃げるように校舎へ駆け込めば、既に多くの学生が半すり鉢状の講堂に座っている。


 講堂の中央部に席を取っていたアールベルトを見付けて同席を求めれば直ぐに隣を進めてくれた。


 今日はこれから数人ずつに別れて学園内の案内をしてくれるらしい。


 はっきり言ってありがたい。今日座学があれば居眠りの醜態をさらす自信がある。


 意識を飛ばしかけながら学園長の長い長い話と言う試練をアールベルトに救われながら乗り越えた私は、トイレに寄ったことで新入生から見事にはぐれた。


 ここ、どこよ?  

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