表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/81

逆源氏物語計画!?

ブックマークしてくださっている皆様。ありがとうございます。しばらく赤ちゃんライフがつづきますが、気長にお付き合い下さいね( ̄▽ ̄;)

 どうやら初めての散歩は意外と赤ん坊の今の体力には効いたようです。


 寝る前にミルクを沢山貰ったお陰もありますが、昨晩は夜に眼が覚めることもなく、久しぶりに爆睡しました。


「おはようございます。シオル様」


「シオル様おはようございます」


「あーう(おはようございます)」


 いつもより部屋へ出入りする侍女が増えている。


 シオルとして生を受けてから専属侍女として、ミナリー、リズ、レーシャと言う名前の二十代前後の娘さんがお世話をしてくれることになりました。


「シオル様!今日は生誕祭ですよ。お披露目ですからおめかししましょうね~フフフ」


 いやいや、ふふふって!ミナリーさんまじでそれを着るんですか!?


 首元が無駄にレース過多で白タイツ、カボチャパンツに金モールの装飾と刺繍の王子様仕様の服一組・・・・・・・いーやー!恥ずかしい!どんな羞恥プレイさせる気ですか!?


 衣装を持ってじりじりと迫る侍女から逃げようと必死に手足を動かすものの、寝返りが叶わない限りぱたぱたと羽ばたくことしか叶わない~。


「さぁさぁおしめ代えましょうねー」


 リズさんが布おむつを抱えて私のおむつを外しにかかる。

 レーシャさんから、おしりを拭くための湯を張った金属製の盥と、タオルを堅絞りしたタオルを数枚受けとり、流れるような素早さでおしめを替えていく。


 主にこの三人だが世話役の侍女が代わる代わる交換していくおしめ、精神年齢二十八でこの義務は辛い、辛すぎる!


 この世界の成長速度とか、暦が日本と同じとは限らないけど、そんなことは関係ない!一刻も早くおしめ生活を卒業しなければ、この無限羞恥プレイは終わらない。

 

 しかも便利だなぁと思っていた言語が同じだと言うことの弊害が、これまた辛いところ。


「シオル様ってさ、赤ん坊にしては立派よね」


「やっぱりそう思う?アルトバール様に似たのかしら」


「案外宰相様かもしれないわよ」


「きゃー!あなた誘惑して身をもって確認してきてよ」


 セクハラですよ・・・・・・赤ん坊でもわかるんです、似たような話をしてましたから。


「シオルを自分好みの殿方に御育てするのも楽しそうよね?」


 ミナリーさん、なにやら悪い笑みを浮かべていますよ。


 二次元の世界だけにしてください!逆源氏物語計画じゃないですか、しかも、ターゲットが自分なのは嫌だ~!


「ハイハイ!シオル様理想の殿方化計画ここに参加を表明します!」


 リズさん参加表明しなくていい!断じてしないでください!お願いします!


「そうこなくちゃ!」


 自分の将来がものすごーく不安です。


 不穏な企てを続ける侍女たちは、せっせと私に服を着せるとミナリーが首をかしげる。


「んー、似合うっちゃ~、似合うんだけど、あたしの好みじゃないのよね~」


「まぁ、好みの違いはあるけど、もう時間がないしリーゼ様来ちゃうわよ?」


 レーシャさんが呆れたようにミナリーさんに返事をすると、首元がやぼったいドレスシャツを整えてくれる。


 昔はレースとかウエディングドレスとか憧れましたよ。縁はなかったけど・・・・・・


「ミナリー?シオル様の準備は終わったの?」


「リーゼ様!もっ、もちろん済んでます」


 どうやら準備に時間がかかっていた私をリステリアさんを伴って迎えに来てくれたようだ。


「シオルおいで、父様が首を長くしてあなたを待っているわよ」


「あう」


 リステリアさんに腕を伸ばすと、暖かい腕が直ぐに抱き上げてくれる。あぁ、リステリアさんは私のお母さんなんだなぁとあらためて嬉しく思える。


 転生したばかりの数日間は混乱と悲壮感で前世の母の事や家族の事ばかり考えていたけど、毎日世話をしてもらっているうちにすっかり違和感は薄れている。


「シオルは今日も可愛いわね」

 

 両脇の下を手で支えるとリステリアさんは私を顔の前まで持ち上げ、頬にチューをくれた。

 

 今日のリステリアさんは、青色の身体を締め付けないデザインのドレスを纏い、頭にはキラキラと輝きを放つ素敵なティアラが飾られている。


 幼い頃に憧れたドレス姿は儚さと王妃としての気品が溢れているようだった。


「あーう、きゃー!(リステリアさん・・・・・・お母様もね!)」


「本当に、シオル様はアルトバール様のお小さい頃とそっくりですわ、そのお洋服もよくお似合いです」


 そんなにアルトバールさん、アルトバール父様と似ているのでしょうか、なら外見的には大丈夫かなぁ。


 私とリステリアお母様の様子を微笑ましいと目で語りながらリーゼさんが呟くので、私はリーゼさんに腕を伸ばした。


「ふふふ、リーゼ。シオルがリーゼを呼んでいるわよ?」


「まぁ、シオル様、どうかなさいましたか?」

 

 リステリアお母様からリーゼの腕に抱き代えられると、私はリーゼさんの顔を見上げて笑顔で両手を伸ばした。


「あーう~」


「あらあらシオル様、今後もリーゼと仲良くしてくださいますか?」


「あう(こちらこそ)」

 

「さぁ、そろそろ行きますよ?アルが痺れを切らして迎えにくるまえに」


 ミナリーたちの見送りを受けて、私たちはアルトバール父様が待っている大広間へ出発した。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ