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ミリアーナドラグーン王国へ行く*兄上殿の心の内は

武術大会は割愛させていただきますが、御希望があれば書こうかと思います。


 武術大会はゼス帝国の『双剣のロアッソ』と『ケンテルの鞭』ソラ、どうやらこの二人二つ名まで持っていたようです。


 レイナス王国の代表として参加したロンダークさんが順調に勝ち上がり、大会前に花束を持って「優勝したら結婚してください!」と部屋までやって来た二人組と決勝戦にて対峙。


 皆の予想を盛大に裏切る形でロンダークさんの圧勝に終わりました。


 まぁ当たり前だわな、毎日脳筋兄上の剣の相手をしているのだから。


 はじめは木剣の軽さに感覚が掴めず苦戦したようだったが、後半は本来の動きを取り戻していた。


「木剣は軽くて扱いにくいですね、まったく鍛練になりません」


 手に持った木剣を軽々と空中へ放り上げ、腰に佩いた剣で真っ二つに断ち切った。


「二人とも筋は良いのですが、鍛練が足りませんな。勿体無い。私にすら敵わないようでは姫を倒すのは数年無理でしょうな」


 手厳しい評価をもらった模様です。


「ところで舞踏会の事ですがミリアーナ姫はアールベルト殿下とご入場になりますので、明日はくれぐれも出歩かれない様にお願いいたします」


 もう舞踏会ですか、わかってはいたものの気が進まない。


「うっ、腹痛が?」


「仮病はいけません。丈夫で腹など下したこと無いでしょう?」


 大袈裟に腹を抱えると直ぐさまダメ出しが飛んで来た。


「うっ、それじゃ頭痛が・・・・・・」


「はい仮病。それじゃじゃありません!」


 どうあっても参加は避けられないか。


「ミリアーナ、諦めろ。俺だって我慢して出席するんだ。一人だけ逃げられると思うなよ?」


 兄上、顔が笑ってるのに眼が恐いです!仕方ない、この前みたいに途中で抜け出そう。


「途中での退席は赦さないからな?ちゃんと最後まで参加するように」


 うーん、釘を刺されましたよ?なぜに分かるかなぁ?


「顔がすべてを物語っているんだよ。全部顔に出るのは全く成長しないなぁ」


「悪かったわね、どうせ育つべき所は育ってませんよ」


 まだまだ未熟なのは重々承知してます。


「城下町の職人街と駿馬」


「どこまでもお供させていただきます!」


 可愛い愛馬の為ならばきちんと役目をはたして飛びっきりの婿馬を連れて帰って見せる!


「陛下、明日の祝宴がお見合いだとミリアーナ様にお伝えしてあるのですか?」


 まだ見ぬ愛馬の婿馬に思いをはせてどこか遠くを見ている私に聞こえないようにロンダークが囁く。


「いや、言ってない。どうせ本命が沢山居るからな、ミリアーナに回ってくる可能性はほぼ無いだろうし」


 周辺大国の美女や才女と言われる姫君がわんさか集められているのだ。


 なんの益もない小国の姫の出る幕ではないし、ミリアーナに大国の王太子妃は不向きだ。


 自分の妹ながらドレスよりも甲冑を、扇よりも剣を好む姫を嫁にくれと言う物好きを国外で三人も見ることになるとは思ってもいなかった。


 本人には言っていないが、ロアッソもソラもそれぞれの国で公爵家の人間らしい。


 ミリアーナの嫁ぎ先としては家柄も問題ないのだ。


「とりあえず、舞踏会が終わればリステリアとシオルの元に帰れる!無事に明日を乗り切ることが先決だ」


 未だ自分の世界から戻れていないミリアーナに声を掛ける。


 魔法の言葉をそえて。


「ミリアーナ、明日は頼んだぞ!飛びっきりの婿馬を買ってやろうな?」


「お任せ下さい!兄上!役不足ながらこのミリアーナ、出来る限りの見映えするように舞踏会の華となってみせましょう!」


 意気込む姿に、もはや何かが違うような気がするがそっとしておこう決めたロンダークだった。



ご愛読ありがとうございます。引き続き少しでも楽しんでお読みいただければ幸いです。寒い日が続きますが寒さに負けず頑張っていきましょう!

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