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ミリアーナドラグーン王国へ行く*いざ参らん王宮へ

「兄上・・・・・・国外外交って初めてなんだけどこんなもんなの?」


「いや、違うはずだが・・・・・・」


 私の問い掛けに少しだけ困惑した声で返してきました。


 正直拍子抜けです。


 無事城に到着したのはついさっきのこと、招待客でごった返す城内を進み真っ先に礼儀に乗っ取り招待主の新王となった人物にも挨拶を済ませました。


 今回先王の王位を継承した人物はどうみても本当にこの王様大丈夫?というくらいおどおどしてます。


 グラジオス・ドラグーン新王陛下


 それが新しいドラグーン王国の国王陛下の名前だそうな。


 先王ドラフト・ドラグーンの実子で正妃腹、見ての通り覇気はなく隣に立っている宰相らしき人の方が余程王に向いているのではないかと思います。


 年齢は四十を越えているだろうか、王太子時代にもあまり民や家臣の前にすら姿を現さず、実は死んでいるのではと言う噂すらながれていた人物。


 外国や自国の招待客の挨拶に思っていなくても労いの言葉をかけなければ為らないので。


 しかし、グラジオス陛下は背中を丸めたまま玉座に座り宰相が招待客の対応をしています。


 はっきりいって変。


 挨拶を早々に済ませれば途中退席も可能だった。


 他国の王族には城内に滞在中の居室が用意されていたし、各国の要人が集まっているこの場所は情報と言う名の戦場でもあるのです。


 しかし、挨拶さえ済めば兄上との約束はひとつ達成されたも同然。


 さてそうと決まれば部屋に案内して貰おう!


 外交は兄上に任せてしまって大丈夫。


 先に教えられていた情報ではグラジオスには私とあまり年の変わらない王子が居たはずだけれど、本来的王と並んで座る筈の王妃もこの度王太子になる王子の姿もなかった。


「ま、いっかー」


 取り合えず食事は部屋へ運んでもらうことも可能だと聞いたのであとで頼もう。


「これはこれはレイナス王国のアルトバール殿、御身自ら出席とはさすがドラグーン王国の戴冠式ですな」


「お久しぶりです、その後御変わり有りませんでしたかな」


 話し掛けてきた男性に兄上はにこやかに返事をしているけれど、私にはわかる。


 絶対名前を覚えてないぞあれ。


「相変わらずですよ。ところそちらのご令嬢は?」


「ああ、これは妹のミリアーナですよ。ミリアーナ、ご挨拶を」


 う、めんどくさい!


「御初にお目に掛かります。レイナス王国第一王女ミリアーナ・レイナスですわ」


「これはこれはお美しい、私はゼス帝国の国王名代のジョーシン・デュークスと言います、あなたの兄上とはドラグーン王国への留学中にお世話になったんですよ」


 だそうですよ、名前が分かって良かったですね。


 でも本人が私の方を向いているからといってあからさまにほっとしないでくださいよ。


「そうでしたか、兄上と良い関係を築いて頂けたこと感謝します。兄上、申し訳ありませんが私は旅の疲れか体調がすぐれませんので先に退席させていただきます」


 ニッコリと微笑みを浮かべて退出の許可を求めると苦笑いを浮かべながらも労いの言葉をを掛けてくれた。


 これがプライベートな場所でドレスを着ていなければその大きな逞しい手で頭を乱暴に撫でられていたか、わしっと頭を掴まれていたことだろう。


「それではジョーシン様、失礼致します」


「ええ、お大事にミリアーナ姫」


 右手を捕られて手の甲にキスをうけました。


 この男強いかも知れない。


 一切無駄のない動きで私の右手を捕らえた。


 もしくはこういった事に慣れているだけなのかもしれないけど。


 他国からの招待客には其々の国に専属として数名の侍女や護衛として騎士が世話役に任命されているようなのであっさりとレイナス王国に割当てられた部屋へと案内して貰うことが出来ました。


「姫様、他になにかございますでしょうか?」


「いや、ありがとう。長旅の疲れが出たのかも知れない。すまないが暫く休みたいので部屋には誰も通さないでくれ」


 ドレスや装身具、宝飾品、などを外すとスッと呼吸困難を引き起こしていた身体が軽くなる。


 ほぼ毎日この装身具を着けて生活をしている姫君やご令嬢には称賛しかでない。


 常日頃から装身具よりも武具を纏う私には装身具は地獄です。


 侍女が部屋を出たのを確認すると、部屋に備え付けられた衣装部屋へ直行する。


 中にはドラグーン王国への訪問中に着る予定のドレスや装身具、宝飾品。


 その他装飾品が侍女の手によって綺麗に吊るされ整頓されています。


 迷うことなくそれら衣装の納められていた木製の箱のひとつの蓋を開ける。


 箱の中は詰められていた衣服全て出されており空ですけど。


 箱の中に手を伸ばすと四隅を順番になぞります。


 あった!小さな突起を見つけて引き抜くとカタンと小さな音が聞こえて隙間が現れました。


 指を引っ掻けて底板を外すと、見慣れた制服が目にはいる。


 今回レイナス王国からの従者一同が着ている物と同じデザインの服。


 そうして同じように他の箱を次々開けていく。


 兄上は女性用の衣類しか持ってきていないと思っているようだけど、出来ればドラグーン王国滞在中スカートで生活は避けたい。


 足元がすうすうとして落ち着かない上に動きにくいことこの上なもの。


いそいそと着替えを済ませたら、さぁ、大冒険の始まりだぁー!!



本作者は皆様のブックマークと評価とPVを糧に運行しておりますのでよろしくお願いいたします。(*≧∀≦*)

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