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寝返りを駆使して

 毎日少しずつ鍛練をした結果、はれて一人で寝返り出来るようになりました。


 最近では百発百中!頑張ったわたしー!


「シオル様本当に上手に寝返り出来るようになりましたしね」


 でしょう?レーシャさん!我ながら頑張りましたよ本当に。


 離乳食が始まってから最初は日に一回だった。スープに最近は少しパンが溶かされる様になりました。


 なんといっても穀物が入ると腹持ちが違うんですよね!


 最近の日課は腕立て伏せです。筋力が付かない限り一人で行動できないからねー。


「ねぇレーシャ!早馬が来たんだけど、明日陛下がお帰りになるそうよ」


 おぅ、父様が出張から帰ってくるんですね。


 父様が駄々をこねてからはや二月もうそんなになるんですねぇ。


 父様ビックリするかなぁ。


「なんでもお客様がいらっしゃるみたいよ」


 追加の情報を携えて扉に寄りかかりながらミナリーが得意気に胸を反らせた。


 そんなに反らせても無いですよ胸、最近会得したスキル寝返りを駆使してミナリーの居る扉近くへと転がって移動です。


「ああい!もー!(ミナリー!もっと詳しく!)」


 足元まで転がってきた私を抱き上げるとミナリーは私を顔の前まで持ち上げて、めっ!としました。


 二十八才児にめっ!とされてもねぇ。


 泣きませんよそれくらいでは。


 自分でも赤ちゃんらしく無いかなぁと思いますが無理です。


 ここ数年泣いたのは一度だけ。


 それも悔し涙というなんとも色気の無い物だもの。


「シオル様、赤ん坊の頃から淑女のスカートを覗くのは、立派な紳士になれませんよ?」


 ミナリーが淑女かどうかはさておき、覗きは不味かったですね、すいません。


 今度から転がる時は気を付けよう。


「シオル様には私好みの良い男に育って頂かなければ」


 まだ諦めてなかったのね、逆光源氏計画。


 良い男ってどんな男だ!説明してみぃ!少なくともセクハラ、パワハラおやじじゃないのだけは辛うじてわかるけど、良い男に定義でもあるんかい!


「ミナリー、前から気になってたんだけど、ミナリーの好みに育ったら色々大変じゃない?」


 ん?リズさんどう言うこと?


「ミナリーの好みって特殊じゃん?嫌だよ私」


 ミナリーは一体どんな風に私を育てようとしていたんだろう。


「リズ、人は見かけじゃ無いって」


「それはそうかも知れないけどね、この前城で一番肥った財務省の官僚みてうっとりしてたの真面目に引いたわよ?」


 うわー、まさかのミナリーデブ専ですかー。


「えー、だってあの太い腕とか、柔らかそうなお腹とか抱き締められたら気持ち良さそうじゃない?」


「うー、あたしはいや。レーシャは?」


 うっとりと乙女の顔をしたミナリーの様子にリズさんは頭を振りながら額を手で押さえた。


「あの、どうせ同じ太い腕なら鍛えられた逞しい腕の中が良いです」


 レーシャさんは顔を真っ赤に染めて恥ずかしそうに自分の好みをタイプを述べました。


「ぶー!(私も嫌だよミナリー!)」 


「ほら!シオル様嫌だってさ」


 なぬ?リズまでロブルバーグ大司教様と似たような能力開花した?


「なんでそんなこと解るのよ。ぶー!だけで」


「勘よ、か・ん」


 勘ですか。うん、そうだよね、ロブルバーグ大司教様が異質なんだなやっぱり。


「シオル様せっかくお顔が整っていらっしゃるんですもの、わざわざ丸くならなくて良いですわ」


「不敬では有りますが、肥え太った者が王族では民に示しがつきませんし」


 だね、これまでの食事を見る限りお母様の食事は質素だもの。


 話によるとミナリーと対して変わらない食事内容みたいだし。


 王族ってテーブル一杯の御飯が出てくるイメージでしたわ。


「去年の大雪で山岳地では食糧難ですもの、あの一帯を治めている領主はあのセクハラ豚ですし」


「ミナリーの理想の男性じゃん」


「私の理想像は中身が伴った太め!あんな豚とはいがうのよ!」


 うん、まぁ中身が大事なのは解るかな。見た目極上で中身が悪魔とかいるしね。


 とにかくそのセクハラ豚さんはあまり良い領主では無いっぽいですし、そのへん探ってみましょうか。


 ふふふ、なんか楽しくなってきた!

 

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