第02話 『事情と進行』
前話書き足しました。
のですが、今回の話の長さが足りなくなってしまいました。ので、後でこの話も付け足すかもわかりません。
先程この事態に大げさに反応したものの、対処法はしっかりとある。実は。
力技になってしまうがね。
ようは爆発させなきゃ良いんだから、俺の魔法であの魔力が収束している球体を消し飛ばすか、オドの魔力を用いてあの魔力を包んでこううまい具合に不発させるか。
つまり、現在立ち向かっている少年が白衣のおねーさんの犯行を阻止できなかったとしても、まあなんとなるのだ。
このまま放っておいても、なんとななる。
俺が困っているのは、『どう介入すべきか』その一点に限る。
普通に友好的な姿勢を見せて少年に近づいてもいいんだけども。ここで内なる俺が言う。俺にそんなコミュ力があるのか――?
「あるわ!こちとら異世界で知っている人一人しかいない中頑張ってきたんんじゃい!」
「ふえ?どうしたの。証君?」
でもなんというか。
あの少年から香るリア充臭。それが、俺にハードルを想像させる。
「ああ――……えっとあそこにいる少年は何者なのだろうかとね」
「ああ、でもぼくはそれよりも、あのお姫様みたいな女の子のほうが気になるかな?」
「惚れたのか?」
「ええ!?なんでそうなるの!」
「冗談だ。で?」
「あの人、魔力がないよ。それにあの白衣のひとも、魔力が……ほぼない?」
「ああ、そういうことね。わかるわかる」
あのお姫様みたいな人から魔力を感じることができないのだ。
それは、全くということである。
通常誰しもオドを持っているはずなのだが。
そしてまた、あの白衣の女性からもオドを感じない。ただ異常と思うのが、通常どんな物質にも含まれる魔力という力が、お姫様みたいな人の体から、全く感じないということだ。
「また変な事情がありそうだな……」