プロローグ
これは俺がまだ幼かった頃。五年前――つまりは十歳くらいか?ま、そんくらいに起きた出来事の筈だ。うろ覚えで申し訳ないが許してくれ。
目の前に絵が在ったんだ。子供だったからまだそれが何なのかも――非現実だって事も判らなかったんだが絵を見つけてしまったんだ。まあ、絵と言うか魔法陣だったんだが。というか、脈絡もないな。やっぱり説明は苦手だ。ま、回想しがてらに話すわ。俺のみに起きた出来事を。
俺が五年生でまだ人間の汚れた部分もわからなかった頃、小学校の帰りに幼馴染と一緒に家に帰って行っていた時の事だ。
下校中、心をドキドキさせて悪さ――ま、子供の悪さって言ったら微笑ましいもので。寄り道。寄り道をしようとしたんだ。
幼馴染も俺も結構真面目で――今はって聞かれたら今はそうでもないんだけどさ。心をドキドキさせて公園に向かったんだ。
別に目的があって向かった訳じゃなくて…多分親に秘密でいけない事をしたがるお年頃だったのかね。
無事公園に着いた。別に難関があった訳でもなく。んで少し遊んでくか、ってなった訳だ。
鉄棒に滑り台。砂場に――良く覚えてんな、俺。
そして日が暮れてきた頃、ふと、ある方向を見た。何となく、別に目的があったから見たわけじゃない。
其処がな。なんかすごいカッコ良い絵が在ったんだ。もう俺大はしゃぎ。幼馴染の手を引いて其処へ向かった。ばねで動く馬の下だったな。そんでその絵――魔法陣の真ん中に馬が居たもんだから馬がなんか特別なものに見えて一目散に乗ってはしゃいだ。
幼馴染は馬の横でずるいよ。のせてよ!って言っていたがま、気にせずに続けた。
そして、絵が光り始めた。
驚いて、怖がるでもなく興奮してすっげー!て。
お察しの通り。気付いたら異世界に居たわけだ。森の中でもなく。草原の中でもなく。城の中だった。
そんでRPGゲームで言ったら魔王…モンスター達の七の王「【傲慢】の王」を倒したのでした。ちゃんちゃん。だ。
そんで王様に元の世界に返還され元のショタっ子に戻ったのでした。
ちゃんちゃん。
ps両親に叱られて涙目。括弧勇者。ちゃんちゃん。