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元勇者の脇役生活  作者: 優。
第零章  ――俺の物語――
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0話 『俺の物語』

「何故そうまでして人間を守る!義理もない!同じ世界の人間でもない!感謝だってしては来ない!逆に裏切り!貶され!うぬの行為を――必死になって助けた恩を忘れうぬを踏みにじる!報われなかっただろう!それなのに何故人間を守る!何故我と一緒には歩まぬのだ!我と一緒にはならぬのだ!


―――――答えよ!勇者よ!」


 決戦の城。

 魔界。

 俺は魔王の前へ対峙していた。

 お互いに衣服はズタズタになり息は荒い。

 ただ、身体は無傷だった。


「決まってんだろ?そいつ等の様な下種野郎にはなりたくねぇからだよ。

 裏切られてきた?ああそうだよ。

 助けても非難されたりもしたさ。

 殺されかけたりもした。

 石も投げかけられた。

 だがな、そんな奴らだって俺と同じ人間なんだ(・・・・・・・・・)

 ここでお前に加担したら本当に俺は――怪物に成っちまうじゃねぇか!

 そんなモンに俺は成りたくはない!民の見方?見方にも成れなかった。枠から出てしまった俺は――せめて誰よりも人間らしくしなきゃ、人間でいられねぇんだよ!」


 七人居る怪物達の王。その内の一人――「【傲慢】の王」は静かに目を瞑った。


「うぬの気持ちは良くわかった。

 うぬは――人間だよ。紛れもなく。

 …さて、うぬは、民を守るでもなく背中にしょう物も無く。

 正真正銘の一人で貴様は挑んだわけか」

「は」


 勇者は笑って――


「こんな俺でもな?化け物紛いの人間でもな?親身になって味方してくれる人は居たんだぜ?」


 何処からか…声が聞こえる。



「証くん!助けに来た…よ!」



 其処に現れたのは元の世界から一緒に転移してきた唯一の仲間――幼馴染だった。

 空に現れた巨大な魔法陣から清涼な魔力を一身に背負った一人の人が俺の横に立ってくれる。


「…ふ。ふふふ。ふはは!そうか!背中に背負う物は無くとも、一緒に背負ってくれる仲間は居たか!」

「ああ。何か背負うものが無ければ駄目なのなら…俺はコイツの為に戦ってやるぜ?コイツが背負っているこの世界の人間の為にだって戦ってやる!」


 「【傲慢】の王」は笑った。


「自分勝手に振舞おうとしても――結局はこの世界の人間の為に戦うか。…お人よしめ」


 「【傲慢】の王」は息は吸い込み大きく叫ぶように宣言する。


「決戦じゃ!最後の時!――雌雄を決めようぞ!勇者よ!」

「ああ!――おおおおおおおおおおお!」


 こうしてこの決戦は――勇者が勝利した。

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