ケーキの追加を仕上げます。
大将がいつの間にやら、休憩に入ったらしくいなかった。
クルミを刻みはじめた頃は、いたような気がしたんだけどな〜
お松さんが休憩から上がり、入れ違いに川ちゃんが休憩に入る。
大将と川ちゃんは、ふたりとも歩いて通える距離に住んでるらしい。
だから、休憩のたびに家に戻る。
大将、嫁さんと仲直りしてきて下さいね。
休憩から上がったお松さんは、本日最後の追加分のプチケーキを仕上げている。
朝の分に比べて、量は少ないからこれが終わったら、アントルメの仕上げもする。
間に合わなかったら、戻って来た大将と一緒に仕上げをするけど、今日の数は本当に少ないらしいから、大丈夫みたいだ。
私もお松さんの手伝いで、フルーツを飾ったり、ナパージュを付けたりした。
窓からショーケースを見て、発注されたケーキの減りを確認する。
んー…モンブランは、このまま追加してもいいかな?
お店に出て、ショーケースを見ていたお客さんに了解を得てから、厨房に戻って追加分を並べて直ぐに戻る。
「ラッシー、他の追加分は仕舞っておいてくれる?」
「わかりました」
了解です、店長。
他の追加分は、番重に仕舞って厨房内にある販売用の冷蔵庫に入れておく。
それぞれ別の扉の中には追加のプチケーキや、予約のアントルメが保存されている。
作ってそこに入れておけば、後は販売員が店に出してくれる。
「オレンジ切ってもらってもいいかな?」
プチケーキを仕舞い終えたら、アントルメの飾りに使うオレンジを頼まれた。
綺麗に洗ったダスターとオレンジ、ペティナイフを準備して、皮を剥きはじめる。
まな板の上で、上下を切り落としたオレンジを、丸みに沿って皮を切り落とすやり方もあるけど、私は上手く出来ない。
結局、教えてもらったものの、りんごの様に皮を剥くやり方でやらせてもらっている。
白い部分が残らないように気を付けさえすれば、いいみたいだけどね。
皮が剥ければ、後は房から切り離してダスターで軽く水気を拭う。
瑞々しくて、美味しそう……。
ぐ〜〜〜。
「もう、12:00過ぎちゃったもんね。ごめんね〜これが終わったら、休憩行っても大丈夫だよ」
お松さんが、にっこりと笑いながらいう。
うぅっ、面目ない……。