第9話 隣人は、僕の種を欲しがる
「……ここで、するのか?」
隆は周囲を何度も見渡した。昼時の公園は、サラリーマンや家族連れの声が遠くに聞こえる。生垣一つ隔てた向こう側には、日常が広がっている。
だが、麗華の指先は、すでに隆のシャツのボタンを一つ、また一つと弾き飛ばしていた。
「いいじゃない。見られたら、見られた時よ。……そんなスリルさえ、今の私には最高のスパイスなの」
彼女は大胆に隆の首筋に吸い付き、真っ赤な口紅の痕を刻みつける。
隆は、その背徳感に抗えなかった。麗華は、自ら真紅のパンティを膝まで下ろすと、生垣の太い枝を掴んで背を向け、四つん這いに近い姿勢を取った。
「隆さん……早く、私を壊して。昨日の続きを……もっと、激しく!」
黒いスリットスカートから突き出された、眩しいほどに白い尻。その割れ目に食い込む真っ赤なレースが、隆の視神経を麻痺させる。
隆は荒々しく自身の熱りを開放すると、準備など一切無視して、麗華の湿った奥底へと一気に突き立てた。
「あぁあッ!!」
麗華が悲鳴に近い声を上げる。隆は咄嗟に彼女の口を片手で塞ぎ、もう片方の手で彼女の腰を掴んで、野獣のような勢いで腰を叩きつけた。
**グチュッ、パンッ、ジュブッ!!**
静かな公園の死角に、肉と肉が激しくぶつかり合う、不潔で淫靡な音が反響する。
「んんっ、んぅうーッ!」
口を塞がれた麗華の瞳が、快楽と恐怖で裏返る。
生垣の向こう側で、子供の笑い声が聞こえた。
「あ、ボールあっちだよ!」
足音が近づいてくる。すぐそば、数メートルの距離だ。
心臓が破裂しそうなほどの緊張感。だが、その恐怖が、隆の神経をこれまでにないほど鋭敏にさせた。締め付ける粘膜は火を吹くように熱く、麗華の震える体からは、雌の匂いと昨夜の残り香が混ざり合った、濃厚な香りが立ち昇る。
「……麗華、いくぞッ!」
「……ふっ、あぁあぁッ!!」
隆は彼女の腰を折れんばかりに引き寄せ、最後の、そして最も深い一撃を放った。
真っ赤なレースを汚しながら、隆の精が、麗華の胎内へと怒涛の勢いで注ぎ込まれていく。
「あぁ……っ、あ、あぁ……」
麗華は崩れ落ちるように膝をつき、肩で息をする。
その時。
パシャリ。
すぐ近くの植え込みから、微かな、しかし決定的な「シャッター音」が響いた。
隆が弾かれたように音のした方を見ると、そこには見覚えのある、落ち着いた色のカーディガンを羽織った影が、足早に立ち去るのが見えた。
「……香織?」
隆の全身から、一気に血の気が引いていく。
足元に落ちた、無残に汚れた真紅のパンティ。
そして、自分の体に刻まれた、隠しようのない真っ赤なキスマーク。
終わりの始まりは、あまりにも静かに、そして残酷に訪れた。




