Rのデルタ
Rは無事実家へ帰宅した。家族は既に寝静まっている。Rもすぐ部屋で寝る。
明日もまた、部活副顧問としても、情報講師としても、仕事がRを待っている。
朝になった。Rは実家の物置から、高校数学の教科書と、大学時代に使っていた経済学のテキストを引っ張り出して、オンボロクラブハウスへと舞い戻った。
チワワ諸君は既に朝食を済ませたあとで、じいさん先生の監視下で、朝から課題を片付け中だった。みんな黙々とスマホをいじり、AIに答えをきいて書き写す。時折あきらかに他の事――SNS閲覧やワイヤレスイヤホンで動画視聴――をしていたりもするが、机に向かってはいるため黙認状態である。一応教科書や資料集を見たりもするようだ。
Rもまた、少し色あせた教科書とテキストを開いた。それからルーズリーフを取り出して、計算式を書き連ねる。
1. 前提設定
ハンドボール部員=User:ここでは U と呼ぶ。
U ✕ i(index※生徒一人ひとりに割り振る番号)で、部員ごとの個人差を集計。
チワワ諸君には何が起きているのか? を計算式で表す。
部員個人=Uiは、かぎられた資源を持っている:
①:T=Time時間(部活+勉強に使える総時間)
②:E=Energy体力・精神力(消耗すると回復が必要)
③:H=Health健康リスク(熱中症・疲労など、負債として蓄積)
①②③を使って、生徒が努力した量(またはリソース投入量)をfで表す。なお、このf表記自体には、特に意味はない。
各部員Uiの創り出す成果は2つだ。
G=学力(勉強努力で増加)
S=Sportスポーツ(成果・技術・体力up)
つまり、Ui = f(S_i, G_i)
チワワ諸君1名分の成果とは、
①②③の努力配分により(スポーツ優先、学力優先)という形で現れる。
努力配分は有限資源に従う。
限界を超えるという言葉は、比喩に過ぎない。:
スポーツと勉強に使える時間Tは有限
①時間 Ti = t_{sport} + t_{study},
スポーツと勉強に使える体力Eも有限
②体力 Ei ≧ t_{sport} + t_{study}
健康リスクH が大きいと、努力の効果が減衰する:
スポーツは健康で無いとプレイできない
Si → Si ✕ (1 - Hi),
学力は健康で無いとまず勉強できない
Gi → Gi ✕(1 - Hi)
Δ
2. チワワ諸君のAI利用の意味とは?
AI丸写しは時間の節約:
これで勉強時間が大幅に短縮
t_{study}乗{effective} = t_{study} - t_{AI\_gain}
max Ui = f(Si(t_{sport}), Gi(t_{study}乗{effective})) {s.t. } Ei, Hi
つまり、AIは「倒れないための手段」であり、人的資本投資を最大化する戦略。
ΔΔ
3. 教師Rの役割
教師は外部環境の整備者:
安全管理、スコア管理、栄養補給、休息指示
これにより 健康リスクHiを低減:
Hi →Hi - ΔDelta H
「Δ(デルタDelta)」は、
数学・経済学では “変化量(difference / change)” という意味。
ある値がどれだけ増えたか・減ったか
を表す記号。
この健康リスクΔの調整こそ、Rが関与できること。
ΔΔΔ
4. 経済学的解釈
生徒は効用最大化をしている:
時間と体力の制約下で、スポーツと勉学の総効用 を最大化する。
AIは技術進歩や効率化ツールと同じで、限られた資源を有効活用する手段。
教師は公共財的役割:
個々の人的資本投資の効率化・リスク管理を担う。
まとめ:
部員は「スポーツと学習」という二つの財を所有し、時間・体力という有限資源で配分する消費者である。
AIはその効率化技術、Rたち教師は外部性調整者。
チワワ諸君の努力と健康のバランスを取ることが、人的資本最適化の鍵。




