推しの子供にジェラる
翌朝、四郎の頭の中はジェットコースターだった。
でもCが病院の廊下で、窓から射し込む陽光が眩しくてはにかんだ。
(推しが笑ってる……(ಠ_ಠ)✨)
それだけで、四郎一日分の幸福ゲージが満タン。
だがCの笑顔が、妹・四乃に向けられた途端、幸福ゲージは急降下。
(いやいやいや、落ち着け俺(;ಠ_ಠ) 関係ないだろ、義兄には……)
心は乱れ、脳内の倫理ブレーキがギシギシ鳴る。
見たくないのに、見ていたい。
Cが笑うと、世界が少しだけ綺麗に見えてしまう。
「検査の結果、男性不妊の傾向があります」
医師の低い声が響いた。
「通常と異なりうまく液化せず、運動性が低下しています。
まずは体調を整え、それでも改善が見られなければ、専門治療を検討しましょう。
お二人で、今後の方針を話し合ってください」
短い沈黙。
Cは静かに頷いた。
四乃は息を呑む。
「あの…Cさん、離婚はもうしないと考えてよいのですか?」
「理由が無くなりましたので」
四郎は歯の裏で、言葉を噛み砕くように息を吐く。
(Σ(ಠ言ಠ)推しの子供ォ!? 見たくない見たくない見たくないc(`Д´と⌒c)つ彡 ヤダヤダ
夢が壊れる!_| ̄|○ il||li
“取られる”感覚なんだコレ!?
いや、一度だって俺のものじゃないのに!
でも、もし産まれたらそれはS家の子……(>0<;)
嫉妬って、これか……? ……いっそ子供ごと縛り付け……いやいや、俺は最低か。
妹より推し活優先とか、ご先祖号泣☜。:゜(;´∩`;)゜:。鉄拳制裁(ಠ_ಠ)❤❌️……でもやめない!)
医師の視線を感じ、四郎は咳払いした。
「……治療のことは、本人たちの意思に任せます」
四郎は努めて冷静に言った。
「賢明なご判断です」医師がうなずく。
「近日中に治療を始めるつもりですか?」
Cがわずかに肩をすくめる。
「はい。必要なら、当然です」
(……たぶん、無理だろう)
Cの心は冷めていた。
(俺に限っては——あのオバハンの予言……いや、言霊か?
S家は変わらず、T師に翻弄されている。
俺がぶち壊した法事の主、亡き二郎氏の運命が如く、
何かに操られ、決まった通りに進むのかもしれない……)
診察が終わり、兄妹とCはエレベーターホールへ。
帰り際、四郎が唐突に言った。
「C、犬▼・ᴥ・▼でも飼え」
(推しの子供ヤダヤダヤダァァァ▼(ಠᴥಠ)▼!
犬飼え犬!!)
「は? 四乃さん、あの部屋ペット可でしたっけ」
「たしか、そうですね。エレベーターでワンちゃん
抱いてる方も、お見掛けしますし」
「じゃあ、モルモット…ᘛ⁐̤ᕐᐷ飼おうかな」
!▼(ಠᴥಠ)▼四郎ガーン




