7話 仲良くなるには
朝、学校へ登校すると高藤が話しかけてくる。
「日川、作戦会議しようと思うの」
「いきなりだな…」
高藤がそう切り出してきたので俺は思ったままを返した
どうやら、俺は本当に佐々木さんと仲良くなろう大作戦に参加させられるようだ。
教室には俺達以外には数人しか居らず、かつ佐々木さんは遅めの登校なのでもちろんいない。
「いつもはね、朝挨拶しに行くんだけど…」
「無視でもされるのか?」
話し出した高藤に俺は聞く
話の雰囲気的にそういう話に聞こえる
でも、佐々木さんはいくら人見知りといえど挨拶を無視する子には思えないが…
「違うよ、返事はしてくれるんだけどなんかそっけないの。おはようございます、ってなんか敬語だし!!」
「距離置かれてるんじゃねぇの?」
どうやら、佐々木さんは無視をしたわけではなかったらしい
しかし、まだ敬語とは…
これは結構難しい戦いになりそうな予感がする
「もう!!日川もそっけなくない!?」
高藤が俺の言葉を不満に思ったのか身を乗り出して文句を言う
「そんな事無いだろ、はいこれ佐々木さんに返しといて」
俺はそんな高藤に昨日佐々木さんが忘れていったものを手渡す
これでなんとか話すきっかけを作ってくれないものだろうか
佐々木さんも、忘れ物を拾ってもらえば少しは好印象を持つだろう
それに佐々木さん自体も女子の友達が欲しいはずだ
「わかった!!私頑張るね、日川!!」
俺の思惑に気がついたのか高藤はそう言ってドアの角に立つ
え…そこで待つのか…?
それじゃ佐々木さんが来たときも他のクラスメイトが来たときもビビるのでは…
そう俺が思っていると、高藤は佐々木さんの机の近くに移動する
どうやら自分でもあの場所が良くないことに気がついたらしくそこで待つことにするようだ
俺はその姿を見て、ひとまず周りへの迷惑は少なそうだと思いスマホをいじりだす
あの子はテンションが高いし距離感が近い
佐々木さんが苦手とするタイプだろう
それに出会ったばかりの頃から佐々木さんにストーカーまがいのことをしていた
きっとそのせいもあって佐々木さんは距離をおいているのだろう
でも、俺が話した感じ朝早く登校して勉強したりしている人を気遣ってか声量はそこまで大きくなかったし
悪いやつではない、むしろいいやつだと思う
ちょっと馬鹿なだけで
そう思いながら俺がスマホで漫画を読んでいると
高藤の声が聞こえた
「叶ちゃんおはよう!!」
どうやら佐々木さんが登校してきたようだ
俺がそちらに目を向けると佐々木さんは無表情に「おはようございます」と言って席に座った
なるほどそっけない
たまにクラスメイトと話している佐々木さんを見るがそれとは比にならない冷ややかさだ
「もう、叶ちゃん!!敬語はいいって言ってるのに!!それよりさ、今日は叶ちゃんにちゃんとした用事があるんだ」
「…なんですか?」
高藤は佐々木さんの態度にショックを受けたりせず自分のペースで話を進めていく
佐々木さんは相変わらずの素っ気なさだが、それを気にせず話しかけられる高藤のメンタルはなんなんだ…
「はいこれ!!叶ちゃんの忘れ物!!気をつけなきゃだめだぞ〜?」
高藤はそう言いながら俺がさっき渡した佐々木さんの忘れ物を取り出す
佐々木さんが「ありがとうございます」と言いながら受け取ろうとすると高藤がヒョイと退ける
俺が何をしてるんだと思っていると、高藤が口を開く
「届けたからお礼に一緒にお昼食べない?」
どうやら俺が思っていたきっかけを作ったようだ
これで佐々木さんと昼を食べられればいい進展になる気がする
ナイスだ高藤…!!
「じゃあ捨てておいてください」
「ちょっ!?」
しかし、佐々木さんはその誘いを断ってしまった
あまりに予想外だったので思わず声を上げながら立ち上がってしまった
二人の視線がこちらに向いてしまったので、そのまま近寄って話しかける
「佐々木さん、どうしてそこまで高藤を避けるのか知らないけど、昼くらい一緒に食べればいいんじゃないか?」
俺がそう言うと、高藤が「日川…!!」というような目で俺を見てくる
「では、日川も一緒なら…」
佐々木さんは少し嫌そうな顔をしながら高藤に向かって言った
「わかった!!じゃあお昼楽しみにしてるね!!」
そう言って高藤は自分の席に戻っていく
それとほぼ同時に始業のチャイムが鳴り俺も自分の席に戻らざるを得なくなる
タイミングをなくして否定できなかったが、このままでは俺があの2人と一緒に昼食を取ることになってしまう
そんな俺の考えを知ってか
席に戻ろうとした時に「楽しみにしてる」と佐々木さんにも言われてしまい、断れなくなってしまった…
7話を読んでくださりありがとうございます
7話は陽気な女子、高藤と佐々木さんに挟まれた朝の時間でした
不安な時に友達がいてほしいという気持ちは僕もよくわかります。
次回はお昼回となるでしょう
ぜひ楽しみにしていてください




