表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

6話 嵐の前触れ…?

「…本当だよ」

俺は佐々木さんの質問に渋々答える。


そもそも、こんなことは聞かれたからと言ってほいそれと教えるものではない。

佐々木さんがなぜこんなにもグイグイと聞いてくるのかわからないが、あまり気分の良い行動ではないと思った。


「あんまり人に言いたくなかったんだけど…」

「そっか、ごめん」

佐々木さんは本当に申し訳なさそうに言う。


その後「でも」と続ける。

「私は日川はいい人だと思う。」

佐々木さんは真っ直ぐな目でそういった。


どういうつもりなのかはわからないが、少なくとも俺のために言っているのだろう。


「…ありがとう」

「友達なら当たり前」

佐々木さんはそう言うと図書室の奥へと入っていく。


きっと佐々木さんは不器用なんだろう。

話していても言葉足らずな面があるのは分かるし、クラスでも別段仲の良いやつはいないように感じる。

きっと、他人のこういうデリケートな話に触れることも少なかったのだろう。

そんな中、佐々木さんは佐々木さんなりに俺を励ましてくれたのだと思う。


出会って少しの俺にそんなことをしてくれる佐々木さんは優しいんだと思ったし、その気持ちが嬉しかった。


〜〜〜


「よう、健太」

「春也…」

朝、いつもならすぐに俺の席にやってくるはずなのに、今日は自分の席に直行して健太に後ろから声を掛ける。

すると、健太はギクッというふうに返事をする。


「…ジュース奢るんで許してください!!」

「へぇ、俺のプライバシーはジュース1本分てことか?」

すぐに体を反転させて謝ってきた健太に俺は言う。


「大体、なんで教えたんだよ。」

「…思ったことが口に出てたらしくて…その後質問攻めにされて…」

健太が目を逸らしながら口を開く


その後話を聞いた感じ、健太は本当に悪気があったわけではないようだ

まぁ、わかりやすいのがこいつのいいところでも悪いところでもある。


「聞かれたのが佐々木さんでよかった」

「マジでごめん!!」

「…次から絶対気をつけろよ」

俺はそう言うと自分の席に戻る。


その後は健太も普通に席に話に来た


〜〜〜


放課後

今日も健太は図書室に来ず

というか『もう勉強はいいわ!!』と言っていたしもう来ることは無いかもしれない。


それもあって今日も佐々木さんと図書室で2人なわけだ。

俺も別にただ本当に勉強したくて図書室に毎日来ているわけじゃない。


冬葉との帰宅時間をズラすためだ

勉強したり、本を読みたいというのも嘘ではないが。


しかし今日はなんというか…

「距離近くない?」

「そう?」

佐々木さんは俺の言葉に不思議そうに返してくる。


いや、そうって…

明らかに近いだろう。


そう、いつもは向かいの席だったり、奥の本棚から出てこない佐々木さん

しかし今日は俺の隣、しかも席を少し近づけた状態だ。


「慰めるなら近くにいたほうがいいと思ったんだけど…」

「どうかした?」

「ううん、日川がそういうなら移動するね。」

何かを小声で言っていたような気がするが、よく聞こえなかった。


(意識しすぎでしょ、きもっ)

とかだったらどうしよう。

他人の心なんて分からないし気にするだけ無駄か

なにせ、一番わかってると思っていた相手の心すらわからなかったんだから…


などと俺が思っている間に佐々木さんは向かいの席に移動する。


「日川ここ教えて」

「あぁ、ここはね」

などと、いつも通り本を読んだり、勉強をしたりしていたときのことだった。


ガララッ


「ねぇ、日川叶ちゃん一緒に探そ?」

高藤舞、佐々木さんの追跡者が図書室にやってきた。


しまった、最近来ないから完全に油断していた。

ここは佐々木さんの安住の地だ

健太の時はなんとかなったが、彼女が黙っているとはとても思えない。


「叶ちゃんが日川と勉強会してるぅう!?」

高藤は精一杯の驚きを見せた後、俺に近づいてこう言う


「え、なに?2人ってそういう関係なの?」

「そういう関係ってなんだよ…」

「そりゃぁ」


ガタッ


俺達が話していると佐々木さんはカバンを持って図書室から出ていってしまった。


「叶ちゃん行っちゃった…」

その後、佐々木さんとは図書室で勉強したり本について話し合ったりする仲だと話した。


「つまり日川は叶えちゃんと仲いいんだね」

「そうか?」

「だって、学校で叶ちゃんとあんなに喋れるの日川しかいないよ」

確かに俺以外とあんなふうに話しているのを見たことは無いが…


そう俺が考えていると高藤が「だからね」と続ける

「私が叶ちゃんと仲良くなる手助けをして」

「は?」

「拒否権はないから、じゃあね」

そう言うと高藤は足早に図書室から去っていく


女子は普通ああいうふうに自分勝手なのだろうか。

…いや、あいつだけだろうな


「ってか、佐々木さんも問題集と筆箱忘れてるし…」


明日からは忙しくなりそうだ。


ここまでお読みくださりありがとうございます


今回は佐々木さんとの関係も少し変化しつつ、高藤舞が春也に本格的に関わり出しました。

なぜ高藤が佐々木さんにこだわるのか…

きっとその内明かされるはずです。


ぜひ次回も楽しみにしていてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ