第五話
こうきとの連絡も減ってきていた頃、私はりゅうとの家にいた。
その日も映画を見ながら、私たちはいつしか、添い寝をするのが当たり前になっていた。
私がうとうとしていた時りゅうとから、また付き合ってほしいと言われた。
「しつこくしないんじゃなかったの?」
「うん、だからこれが最後」
私はそれを聞いて思った、最後って事はこれで断ったらもう言ってこないのかな。りゅうとの性格はまだあまりよく知らないけど、完全に脈がないって分かればもう遊ぶ事はなくなるかもしれない。
私はこうきの事を半分諦めていた事もあり、りゅうとと付き合う事にした。
「うん、いいよ」
「いいよって付き合ってもいいよって事?」
「うん」
「マジか、ありがと」
そう言ってりゅうとは私にキスをしてきた。
私とりゅうとはそのままの流れでやってしまった。
私たちは相性がとても良かった。
それにりゅうとは上手かった。
りゅうとはよほど嬉しかったのか、私と初めて会った時の事とかを話してくれた。
愛想はなかったけど、何故か気になったらしくミラー越しに見ていたと。窓の外を見る横顔に惚れたとか、聞いていて恥ずかしくなるような事をべらべらと言っていた。
私たちはお互いの事をたくさん話した。
りゅうとは清潔感があり、几帳面だ。
その為、部屋もいつも綺麗で暇さえあれば掃除をしていた。
そして、いつのまにか私はりゅうとの家に入り浸るようになっていた。
こうきとは、頻度は減ったものの連絡はたまに取っていた。もちろんバレないように。
りゅうとが束縛するタイプには見えなかったけど、念のため一緒にいる時はなるべくマナーモードにして、携帯を触らないようにしていた。




