第二十一話
私はLINEを送るかどうか迷ったが会いたい気持ちが勝り連絡する事にした。
意外にもすぐに返事が来て会う約束をした。
竜也くんには地元の友達と会うと嘘をついて出る事にした。
こうきに会うと私は一番にこれを聞いた。
「今度からゆうきって呼んだらいい?」
こうきは苦笑いを浮かべながら言った。
「今まで通りこうきで」と。
私たちはお互いの近況を話す事もなく、する事だけして解散した。
こうきには家からそこそこ離れたコンビニで下ろしてもらい歩いて帰る事にした。
歩いている途中何故だか涙が止まらなかった。
私は一体何やってるんだろう。
何がしたいんだろう。
誰が本当に必要としてくれる?
どこで間違った?
正直消えてしまいたかった。
そしてりゅうとの事を思い出していた。
心の何処かで憎んでいた。
思い出すだけで辛くなる思い出ばかり。
りゅうとの笑顔や私を睨む顔、ころころ変わる不安定な心。どこか儚げで危なっかしい。
りゅうと‥‥逢いたいな。
私は家に帰るのをやめ、タクシーで海に向かった。
海に着き、浜辺に座る。
その時だけは自分が世界で一番可哀想に思えた。
波の音を聞いていると少し落ち着く。
その時私の電話が鳴った。
出てみるとあおいだった。
「ママいつかえるー、どこいるのー」
「もうすぐ帰るから、早く寝な」
「ママとねるー」
「わかった、わかった、じゃあ切るね」
よしっ!帰ろ!
私は急いで帰り、あおいを寝かしつけた。
竜也くんにはバレていませんようにと願いながら。




