ワイン〜サンバ、サンバ、サンバ〜
オレはワインを持っている。
赤いワインがなみなみ注がれた、光り輝くグラスを。
オレにはこれが必要なんだ。
オレは所詮、頭に王冠を持たぬ者。
紛いもの。
龍族でありながら、半人であり
かといって鱗だらけのこの身体は人でもない。
"ウロコダキさん"
若い頃、白いハグレ竜からそう呼ばれた。
フッフールとかいう名の妙なやつ。
今では奴は、世界中を飛び回っているらしい。
奴は竜だった。
自分小さなサイズで色味が珍しいことが悩みなんすよ、旦那。
フッフールはそう言っていた。
今日、私の元に若い人間が訪ねてきた。
オレは手紙をもらい、霧の谷から、橋を越え、川を越え降りてきた。
オレたちは約束通りデニーズでポテトを食べながら、会話をした。
オレの知らない人間の世界の話をする、年端40もいかぬ若い人間ーーオレにはこいつの性別も分からない。
オレは、そいつと話している間ワイングラスを手放せなかった。カメラが回っていたからだ。なんでもこれは世紀のショーらしい。
人の言葉を話す珍しい龍族と、なんとかいう名前の人間の世紀の出会いらしい。
オレは、赤いワイングラスを手放せなかった。
分からなかった。
人間の言葉くらいしか。
デニーズの事も、
ポテトが何からできているのかも、
世紀のショーとやらの意味も。
なあ、フッフール。
ショーの終わり、デニーズを出て、趣味のバイクにまたがったオレは空を見上げ懐かしき稀人に呼びかける。
オレは、やっぱりハグレ竜だ。
あの日、小さな山小屋でオレたちはポテチをバリバリ食べながらそういう話をした。
ピカピカに磨き上げたバイクが、谷底に落ちて、爆発炎上する。大好きだったバイクも、どうしてかやっぱりオレは手放してしまった。
バサバサ
バサバサ
バサバサ
半竜のオレは蛇のようにのたくった山道の一角から、
燃え盛る山を脱出した。
自分用メモ
練習と練習
memo to myself
practice and practice
続.
func.能
func.誰やねんお前