7話 弱点
もうどこにも逃げ場はない!!!
つまりそれはどちらかが倒れるまで戦わなければならないことを意味していた。
どうする?どう戦う?
敵は全身棘まみれの3メートルほどある巨体。二足歩行でピンク色のサンゴのような姿をしている。目はなく、口は噛まれたら痛そうな鋭い牙で埋め尽くされていた。
リュックから出した物干し竿でいつでも反撃ができるよう備える。
「アァァアア、アアアアアアアアアアアアアァァ!!!!!」
鳴き声をあげ、そいつが襲いかかってくる!
ブンッッッ
ガキィィィイイィィィンッッッ
間一髪、棘に覆われた腕をギリギリでよけ、串刺しを回避した!
ダメだッッッデカすぎる!
物干し竿じゃ反撃しても攻撃を喰らってしまう。もう逃げるしかない!
「ああぁあああああああ!!!」
走る走る走る。しかし、相手は全長3メートルある巨体。すぐに追いつかれ串刺しにされてしまう。
クソッ!どうする?このままじゃ死ぬぞ!
ズンッズンッズンッ
後ろから迫ってくるピンク色の怪物に恐怖し、後ろを振り向かず、走り続ける。もう食料調達なんてどうでもいい。どこか安全な場所へ!死にたくない!
作戦なんて考える余裕のないほど、がむしゃらに走っているうちにある異変に気がついた。
あれ?
でかい図体の恐ろしい姿をしたそのバケモノは、頭でっかちでバランスが悪く、思ったより動きの鈍いのろまな生物だったのだ。