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ミルクとマシュマロは合うのかな?  作者: キノシタ
第2章 ー始まりの恋ー
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第86話

「芽衣…どうしたの?」


「何でもないよ…」


「泣いてるじゃん」


「分かんないの…急に不安になって、怖くなった」


「何が怖いの?」


「水希を失うのが怖い…」



私が芽衣から離れるはずがない。こんなにも好きなのに、好きすぎて私の方が怖い。

芽衣を失ったらって考えると、私は一生笑える自信がない。だから、早く芽衣の全てが欲しいのかもしれない。自己満足かもしれないけど…安心したい気持ちが強いのかも。



「芽衣から離れることはないから安心して」


「うん…」


「私の方が怖いよ…いつも悩むもん。私が芽衣の恋人でいいのかって」


「水希以外好きになれない」


「ふふ、ありがとう」



お互い不安なんだね。初めての恋で同性同士の恋で常に不安が付きまとう。

私も早く自分に自信が持ちたい、芽衣の恋人として自信を持ちたいよ。なのに、いつも私は芽衣を泣かせてしまう。



「今日、生徒会の話し合いが終わったらすぐにLINEするね」


「うん、教室で待ってる」


「よし、じゃ文化交流会を楽しもう」


「そうだね」



せっかくの文化交流会を楽しまなきゃ。私はもう重圧から解放されたし、今日は授業も部活もない。自由だー、最高だよ。



「あっ、ごんちゃんからLINE来た。沢山ジュース買ったから軽音部まで来てって」



打ち上げでもするつもりなのかな。これはタダでジュース飲めるなら行かなきゃ。

丁度、喉が乾いていたしクッキーとチョコのマドレーヌを食べたかった。



「芽衣、軽音部に行こう」


「うん」


「疲れを取るために早くクッキーとチョコのマドレーヌ食べたいな〜」


「・・・今度、マドレーヌ作ってくるね」


「やった!嬉しい!」


「水希ってお菓子好きだよね」


「うん、でも芽衣の手作りお菓子が一番好き」


「ひかるちゃんのよりも?」


「うん…」



甲乙つけがたいほど2人の手作りお菓子は美味しい。私にとっては両方一番…じゃダメかな。ひかるの作るお菓子も美味しいからさ。

あっ。でも、この前知らない子から貰ったチョコクッキーも美味しかった。


あのお菓子を作ったの誰なんだろう。確か、私と同じ1年生なんだよね。

私の周りはお菓子作りが上手な人が多い。その度に運良くお菓子を貰えて、最近はコンビニでお菓子を買わなくていいぐらい困らなくて幸せだ。



「この…正直者」


「2人のお菓子、美味しいから…」


「今度、めちゃくちゃ美味しいマドレーヌ作るもん」


「楽しみにしてるね」



良かった、芽衣の笑顔がやっと見れた。芽衣の笑顔は可愛いくて、何度もこの笑顔を見るたび胸がトキメク。

そして、この笑顔が見たくて色んなものを頑張ろうと思える。毎日好きが募っていく。









「水希、フラフラしないの」


「だって、他の部活の活動とかなかなか見れないから。芽衣も見たいでしょー」


「ジュース無くなっちゃうよ」


「それは嫌だ!」



私は文化部と縁遠いから、みんなが普段どんなことをしているのか見るのが面白くて、ついフラフラしてしまう。それに、さっきから色んな部活のやつを覗くたびに何かしら貰えて得している。


文化交流会が楽しい。芽衣はさっきからブツブツと何か言ってるけど、怒ってはないみたいだから大丈夫かな。

腕を握る力は強いけどそれはいつもだし、流石に慣れてきた。



「おー、水希達やっと来た」


「ごんちゃん、ごめん。少しだけウロウロしてた」


「はい、ジュースどうぞ。芽衣も好きなの選んで」


「ありがとう〜」



一度みんなで乾杯をし「お疲れ様!」と文化交流会の発表を労った。今日まで長かった、ずっと練習の日々で疲れが取れなかったよ。

解放感が私を笑顔にさせる。今日の文化交流会は私に青春を感じさせてくれた。



「水希、さっそく新入部員が増えたよ!」


「ごんちゃん、マジ?」


「うん、今日の演奏を見て入ってくれた」


「良かったじゃん」


「高瀬さんありがとう」


「私も楽しかったので(緊張とストレスで胃とお腹が痛くなったけど)」



こんなに効果が早く出るなんて凄い。来年の文化祭は軽音部は盛り上がりそうだ。次は私も芽衣と観客として楽しみたい。



「それにしても、今日で水希のファン更に増えたね」


「ごんちゃん、そんなのあり得ないって」


「水希が歌い終わったあと、観客の殆どが水希にハートの目してたよ」


「そんな訳ないじゃん」



ごんちゃん、裏があるの分かってるよ。またいっぱい褒めて手伝わそうとしてもしないからね!そう簡単に引っかかるものか。



「水希の笑顔にやられたって人もいたよ」


「私の笑顔?」


「ほら、アンケート用紙」


「こんなのあったんだ」



ごんちゃんの言う通りだ。アンケート用紙にはバラード曲を歌う前に私が笑っていたらしく笑顔にトキメキました!って書いてある。

それも…複数。勿論、一番は演奏や歌も褒めてくれてる人が多いけど笑顔って、、喜んでいいのか分からない。



「水希って、1年生で一番のモテ野郎だね」


「野郎って…ごんちゃん、言葉が、、」


「水希の笑顔に落とされた被害者が多数出たし、これから大変だ」


「もう、勘弁してよ…」


「告白されるかもよ」



芽衣がいる前でやめてほしい。芽衣って意外にヤキモチ焼きなんだからあとが怖いの。

叩く力強いし、声も低くなるからマジで怖いの。ほら、今も真っ黒なオーラが出てる。



「告白なんてされないって!」


「私のクラスの子も今日、高瀬さん見てファンになったって言ってたよ」


「ほら〜、先輩も言ってるし。それに手紙の子から告白されるかもしれないじゃん」


「ごんちゃん!手紙は一度きりだし、、ないって」


「えー、可愛い子かもしれないのに」



先輩もごんちゃんもそろそろ勘弁してほしい。今日、芽衣の家にお泊まりなの。

こんな真っ暗なオーラを纏った芽衣に何をされるか分からないから…怖いから。

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