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ミルクとマシュマロは合うのかな?  作者: キノシタ
第2章 ー始まりの恋ー
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第85話

声、上擦ってないかな…ちゃんと歌えているかなと緊張がピークでどんな風に歌えて演奏出来ているか自分では分からない。

必死に前だけを見て、4分26秒の音楽を演奏して歌い切った。



わー!きゃー!(パチパチ)



私、大丈夫?ちゃんと歌えていた?演奏出来てた?と無我夢中で歌い演奏していたから全然分かんない。

芽衣を見ると笑顔で手を叩いている。恭子先輩は口を開けてボーッとしている。もしかして寝てるの?



「ありがとうございます。最後の曲はバラードの曲になります。高瀬さんが奏でるピアノメロディーと歌声を楽しんで下さい」



先輩…私の名前を出さなくていいよ。注目されるから勘弁して欲しい。もう、胃どころかお腹も痛くて倒れ込みたい。

芽衣は二曲目を知らない。だから、今日知ってワクワクした顔をしている。


この曲はピアノがメインだから頑張らないといけない。喉の調子がいいみたいだし、あと一曲歌い演奏すれば終わる。

深呼吸していると先輩と視線が合った。しまった、最後の曲は私がタイトルを言うことになってたんだ。



「えっと…それでは聴いて下さい。えー、、花×××」



最初の一音が大事だ。この曲は私のピアノから始まる。深呼吸してチラッと芽衣を見る。

終わった後、笑顔で笑い合えるといいな。何だろ、芽衣を見ると安心する。

私はいつのまにか笑っていた。芽衣を笑顔にするには私が笑顔じゃないとダメだよね。


芽衣との夏の思い出を沢山頭に浮かべ、私は歌いピアノを弾き出した。

季節の匂いを感じると思い出せる思い出を沢山作りたい。もうすぐ季節は秋を迎える、次は芽衣とどんな思い出を作れるかな。





♪〜♫〜♩〜♫〜♪〜♩〜♫〜





・・・キャー!キャーー!!!(パチパチ)



終わった…やり切った。今日までめちゃくちゃしんどかった。練習、練習の日々で辛かったけどやり切ると気持ちいい。

ごんちゃん達も笑顔で頭を下げている。みんな笑顔で良かった。私も嬉しくて、みんなに釣られて笑顔になるよ。


芽衣をチラッと見ると真剣な顔でこっちを見ている。どうしたのかな、、もしかして、私の顔に何か付いてとか。

隣の恭子先輩は相変わらず口を開けっ放しで口の中が乾かきそうだ。

お姉ちゃんは笑顔で手を叩いて「良かったよー」って言ってくれた。

終わったー!終わったよー!



「ありがとうございます!軽音部をよろしくお願いします!!!」



みんなの歓声が凄い。軽音部の演奏良かったし、私もミスることなく演奏して歌えた。後は、音を外してなければいいなと願う。

今度、ごんちゃんに高いお菓子を買わせる。練習量を考えるとチロルチョコだと絶対割りに合わない気がする。



「水希、ありがとう!凄く良かった!」


「ごんちゃん、疲れたよー」


「今度、何でも好きな物を奢る!」


「本当!?やったー!」



修学旅行先でお洒落なカフェに行ってごんちゃんに高いやつを奢らせよう。

次いでに芽衣の分も奢らせる。ごんちゃん、芽衣には甘いし諦めて奢るだろう。


この後はゆっくりしたい。結局、茶道部にも行けてないし抹茶を飲めなかったけどもう疲れたしのんびりしたい。

ピアノを片付け、壇上から降り私は芽衣を探した。早く、癒されたかった。



「め・・・」


「水希、歌上手いじゃん!」


「ピアノの演奏も良かった!」



クラスメイトや陸上部の部員が私の周りに集まり芽衣の所へ行けない。後少しなのに…芽衣の感想を聞けないよ。

みんなの感想や称賛にお礼を言いながら抜け出そうとしたけど、次から次へと捕まってしまう。



「水希ー」


「あっ、お姉ちゃんに呼ばれたから行くね」



お姉ちゃんがナイスタイミングで呼んでくれた。手を上下に動かしながら私を呼ぶから生徒会の仕事かなって思っていると、「カッコ良かったよー」となぜか頬をつねられながら褒められた。


なぜ、褒めるのに頬をつねるの…痛いよ!隣にいる恭子先輩は私の腕をバシバシと叩きながら「別人みたいだった!めちゃくちゃ良かったよ!」と褒めてくれたけど、2人共もっと普通に褒めてほしい痛いから。


あれ…お姉ちゃんの近くにいたはずの芽衣がいない。さっきまで恭子先輩の隣にいたのにどこに行ったのだろう。

芽衣の携帯にLINEをすると部室にいると返ってきて、私は急いで向かった。



「芽衣ー?」


「水希…」


「演奏と歌…どうだったかな?」


「良かった…凄く良かったよ」


「本当?良かった///」



芽衣に褒められた///。頑張って良かった、練習の日々で疲れてストレスが半端なくて大変だったけど芽衣の一言で報われる。

これで、あとは楽しみにしている修学旅行だ。楽しみすぎる。芽衣と初めての旅行だ。



「水希…」


「何?」


「今日…私の家に泊まって」


「芽衣の家?いいけど、じゃ一度家に帰って芽衣の家に行くね」


「うん…」



芽衣はどうしたのかな。不安そうな顔をして私の制服を握る力が強い。

どうしたらいいのか分からず頭を撫でるため近づくと肩を掴まれ、芽衣が背伸びしながらキスしてくる。


嬉しいけど…どうしたの?首に回された腕が力強い。私の頭が下を向き、噛みつかれるようにキスをされ戸惑ってしまう。

芽衣が泣いてる。私、芽衣に何かしたかな、、泣いている理由が分からないまま、私は芽衣からのキスに必死に応えていた。

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