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ミルクとマシュマロは合うのかな?  作者: キノシタ
第1章 ー高校1年生 出会いー
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第55話

うわぁ!!!!くそ…またこの夢を。一体、何度見たらいいの、、流石に心が疲れるよ。

お盆休みが終わり部活が始まると、私は3日続けて同じ夢を見ている。夢がリアルで起きると心臓の鼓動が早く胸に痛みが走り、自分自身に絶望する。

自分が嫌いになりそうだ。こんな状態では芽衣に何をするか分からない。苦しいよ、いい加減この夢から解き放たれたい。


夢で私は芽衣にキスをする。頭を掴みながら芽衣に上を向かせ見つめ合いキスをする。

一度だけなら変な夢を見たで済ませられる。でも、3回連続で同じ夢を見るのは異常だ。

だから、私は調べた。同じ夢をなぜ見るのかを…そしたら、最低な結果だった。潜在意識からの警告。願望・・・


私は友達の芽衣とキスをしたいと思っている。一度したキスを忘れられないんだ。

あんなの最低なキスなのに、さらに最低になろうとしている。

どうしたらいい?どうしたら、この夢を見なくて済む?願望を叶えたら夢を見なくなるの…芽衣を失うことになるのに。



最近、眠りが浅いせいで体が怠い。お陰で部活でも暑さと怠さで何度も息切れを起こし倒れそうになった。こんなんじゃ、また周りに迷惑をかけ芽衣を心配させてしまう。

お盆休み中は家でゴロゴロし穏やかに過ごしていた。でも、部活が始り芽衣と顔を合わせる様になりおかしくなった。


芽衣を意識し、常に戸惑う自分がいる。急に挙動不審になるから芽衣が戸惑っていたし、私も普通にしたいのに出来なくて苦笑いすることしかできなかった。

迷惑かけっぱなしだ。自分を制御できなくて、最近自分が分からない。



携帯を見るとひかるからLINEが来ている。そう言えば昨日、お誕生日おめでとうってLINEを送ったあと何度かやりとりしていつの間にか寝てしまった。

寝落ちした私から返事が来なくなって〈おやすみ〉って送ってくれている。

ひかるは優しい。勝手に寝た私を気遣ってくれ、最近ひかるの優しさが心に染みる。


クールなさわちんが、ひかると仲良くなって穏やかになった。時々、私にはムスってすることがあるけど(理由が分からないからいつも困る)

ひかるって不思議な魅力がある。いつも穏やかで、優しくてニコニコしている。だからか、私もひかると一緒にいると心が穏やかな気持ちになる。


着替えなきゃ。制服に着替えて、今日も部活を頑張ろう。そして、芽衣を見ても変わらない自分でいられるよう頑張ろう。

もうすぐ夏休みが終わる。学校が始まったら授業や部活・生徒会でまたいつも通り忙しい日々が始まる。今は部活だけで頭が疲れてないから色々考えるんだ。

学校が始まったら大丈夫。きっと大丈夫。










はぁ、はぁ、しんどっ。この暑さをどうにかしてほしい。さっきから汗が止まらなくてTシャツが濡れては乾いての繰り返しだ。

今日はお昼もぐったりしてお弁当をあまり食べれなかった。ちゃんと食べないと体力が持たないからダメなのに食欲がない。


あと少ししたら部活が終わる。部活が終わったらシャワーを浴びて、ひかると甘い物を食べに行く約束をしているから頑張らないと。せっかくのひかるの誕生日をちゃんと祝いたいし、昨日〈楽しみにしてるね〉ってLINEが来たからがっかりさせたくない。



「水希、汗が凄いよ。大丈夫…?」


「大丈夫だよ、あと少しで部活終わるし。ひかる、今日はケーキを食べに行こうね」


「うん…無理はしないでね」



深呼吸すると体が落ち着く。ひかるが心配してくれて冷えピタをおでこに貼ってくれたしこれで体の熱も下がるだろう。

冷たくて気持ちいい。少しだけ頭がスッキリした。これでケーキを食べたらモヤモヤが晴れるかもしれない。

ひかるはいつも私がキツい時、悩んでいる時そばにいてくれる。その度に私はひかるにどれだけ助けられているか。



「ひかる、いつもありがとう」


「そんなことは」


「ひかるといると元気が出る」


「ありがとう///」



最後に思いっきり走って頭を空っぽにしよう。季節的に生温いけど風を感じると気持ちいい。走るって行為は最高の運動なのかもしれない。

タイムを縮めたい、来年は大会に出たい。そして「頑張ったね」ってひかるに褒められたい。ひかるはいつも応援してくれて、走るとき見ていてくれるから期待に応えたいよ。



「よし、走ってくるね」


「うん」



前までは芽衣さえ応援してくれればいいって思っていた。でも、今はひかるにも応援されたいと思っている。

贅沢だよね、マネージャー2人に応援してほしいなんて。でも、やる気が漲ってくる。

2人に応援されていると思うと、絶対に大会に出てやろうって思えるんだ。





私のこんな思いは人によって嬉しかったり、嬉しくなかったりする。

芽衣が寂しい顔をし、ひかるは笑顔になる。でも、私は鈍感だから何も気づかない。

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