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ミルクとマシュマロは合うのかな?  作者: キノシタ
第2章 ー始まりの恋ー
430/467

第430話

Manatsu side.03



優香が心配そうな顔で高瀬姉妹を見ていることに疑問を抱く。昨日、優香には高瀬姉妹に助けられたことを聞いた。

私は優香が高校で悩んでいたことを知らず、初めて優香の苦悩を知り悔やんだ。

小さい頃から優香とは仲が良く、姉妹みたいに育ったのに気づいてやれなかった。


今年卒業するお姉ちゃんが優香と一緒にお弁当を食べていると知り、私が同じ学校に行っていればって後悔もしたけど、優香が頑張ると決めたと聞いて嬉しかった。

今の優香はもう弱い部分を脱却した。前を向いており、楽しそうに話している姿を見てホッとしている。そんな優香を救ってくれたのが私の大好きな高瀬姉妹。


この2人はやっぱり神であり素晴らしい姉妹だ。学校一人気があり、2人とも生徒会長を務め、学校の非公式ファンクラブの会員数が断トツで多い。

2人が同じ学校に入学してくれたことが奇跡であり、高瀬姉妹のファンクラブ会長の私は2人が誇りだ。心臓を捧ぐと決めている。


我が校には生徒の非公式のファンクラブがあり、佐藤先輩、早川先輩、松村先輩は勿論、最近は佐々木さんのファンクラブが出来た。

そしてファンクラブで一番人気で、会員数が多いのは高瀬姉妹のファンクラブだ。

他の人達は個人のファンクラブだけど、高瀬姉妹はセットとしてファンクラブが存在する。


最初はそれぞれ個別のファンクラブだったけど2人を同時に応援する人が多く合体した。

そして、そのT.s(Takase.sister)と名付けられたファンクラブの会長を務めるのが私だ。みんなを仕切り、陰ながら全力で応援している。そして、ちゃんとルールを作り高瀬姉妹に迷惑をかけないように応援している。



しまった。優香のことを話さず、つい私のことを話してしまった。でも、許して欲しい。私も少しは自分のことを語りたい。

優香はなぜ高瀬姉妹のことを不安そうに見つめているのだろう?優香の表情を見て、私はドキドキしていた。もしかして【恋】かもしれないと推測したからだ。


気持ちは分かる。分かりすぎる。私も恋に似た気持ちを高瀬姉妹に持っている。憧れの方が強いから本気の恋ではないけど擬似的な恋の気持ちは持っている。

もし、優香が2人のどちらかを本気で好きなら私はどう応援しよう。恋を漫画でしか知らない私は良いアドバイスができそうにない。


優香の見つめる先にいる高瀬姉妹。でも、顔が恋をしているというより心配そうな顔だ。これはもしかして恋ではないのか?恋が分からないから難しすぎる。

この優香の不安そうな顔の理由が分かるのはもう少し先だ。私はまだ語らないといけないから仕方ない。でも、すぐに分かる予定だ。



さて、目線を第一レーンに戻し優香をまた見つめる。高瀬姉妹を見るのをやめた優香は深呼吸をし、ボールをレーンに投げる。その球は見事に真ん中を捉え、綺麗にピンが倒れていった。

羨ましい…佐藤先輩と早川先輩に頭を撫でられている。美女に囲まれる優香。苦しんだ分の幸せが何十倍にもなって返ってきている。


私は羨ましい気持ちを我慢し、語り手として第二レーンに視線を移した。

いつのまにか喧嘩が勃発している。次は竹本さんの番で、なぜか高瀬さんが朝倉さんにはがいじめにされ文句を言っている。

一体、目を離した隙に何があったのだろう?植村さんからは黒いオーラが出ているし、他のみんなは呆れた顔をしている。



「ごんちゃん、いい加減にしてー」


「うるさい、ひかるちゃんに触るからだ!」



2人の喧嘩の原因は竹本さんみたいだけど当の本人は2人を気にせずボールを華麗に投げ、見事にストライクを出した。

2年になって陸上部のマネージャーである竹本さんの人気は鰻登りで近々ファンクラブが出来る予定だ。可愛く、何より文化祭で披露したダンスで一気に人気が上がった。


そんな竹本さんはストライクを出した後、笑顔で朝倉さんに何か言っている。急に慌て出し、顔が青ざめていく朝倉さん。

隣にいる高瀬さんはケラケラと笑い、植村さんにお腹にパンチされ…痛そうだ。今度は朝倉さんが苦しむ高瀬さんを見てケラケラと笑い竹本さんに怒られている。


まさか2人の正座シーンを見られるなんてある意味貴重で、なぜ?が頭に浮かぶ。

みんなの関係性が分からず、とりあえず分かっていることは竹本さんと植村さんは顔に似合わず強い(怖い)ってことだ。

あの高瀬さんと朝倉さんを正座させ、2人はジュースを飲みながら楽しそうに話をしている。力関係がよく分かる構図で…面白い。



頭の中でみんなの関係図を作っていると朝倉さんの番みたいで、意気揚々と正座から解放された朝倉さんは高瀬さんを挑発している。

悔しそうに正座を続ける高瀬さん、いつまで正座をさせられるのだろう。1人だけ正座する姿はあまりに異様で他のお客さんが何事かと見ている。


そんな正座をし続ける高瀬さんをよそに朝倉さんは見事なストライクを決めた。第三レーンで初めてのストライク。これで勝負は分からなくなりそうだ。

ラストは高瀬先輩だし、きっと連続でストライクかスペアを連発するだろう。この2人の頑張り次第で勝負は接戦になるはずだけど不敵な笑みを浮かべる佐藤先輩と早川先輩。


早く高瀬先輩に投げて欲しそうで、ずっとウズウズしている。優香は相変わらず高瀬先輩を見て心配そうな顔をし、また頭にハテナマークが浮かんだ。

一瞬、あの高瀬先輩がと浮かんだけどすぐにそんな考え消え去る。全てが完璧の高瀬先輩がボーリングが苦手なはずがない。

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