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ミルクとマシュマロは合うのかな?  作者: キノシタ
第2章 ー始まりの恋ー
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第407話

昨日以来、私の優香ちゃんの印象が変わっている。きっと先入観が取れたからだ。

それに電話でもう「質問は無しね」と言ったら素直に受け入れてくれて普通の会話になり電話やLINEが苦痛ではなくなった。


でも、私の頭を悩ますことは続く。芽衣の機嫌がずっと悪く、せっかくの家デートなのにどこか冷たい雰囲気がある。

私は芽衣の前では優香ちゃんの名前を出さないようにしているけど、過敏になっている芽衣はごんちゃんからのLINEにも嫌な顔をする。



「もう、携帯に触らないで」


「うん、分かった」



携帯を机の上に置き、私はホットココアを飲む。甘いはずのココアが苦く感じた。



「芽衣、外に遊びにいく?」


「家がいい」



いつもだったら無言の時間も幸せな時間だったのに、今日は辛く感じる。

1秒が長く感じ、空気の重さを感じ、芽衣と喧嘩をして以来の重々しい気持ちだ。



「もうすぐ年末だね。芽衣は今年も年末からお婆ちゃんの家だよね」


「うん…」


「いつ頃、帰ってくるの?」


「2日の夕方」



芽衣とは約2日間も会えない。お正月に芽衣と会えないのは寂しいけど仕方がない。

去年は早く芽衣に会いたくて、帰ってくる日が待ち遠しかった。



「お婆ちゃんには悪いけど…行きたくないな。水希と一緒にお正月を過ごしたい」


「私としては嬉しいけど、お婆ちゃんが寂しいと思うから楽しんできて」


「水希は私と会えなくて寂しくないの」


「寂しいよ。でも、滅多に会えないお婆ちゃんを大事にして欲しいから」



芽衣の言葉に棘を感じる。私だって寂しいに決まっているのに、芽衣は拗ねて「もういい」と言い、私に背中を向ける。



「2日の日、芽衣に会いに行くね」


「遅くなるかもしれないからいい…」


「・・・分かった」



嫌な空気感だ。芽衣と喧嘩をした時と同じ空気感に近く、あの時もう芽衣を悲しませないと誓ったのに私は守れていない。

もう喧嘩はしたくないからどうにかしたいけど、芽衣の気持ちが分からず難しい。



「水希…キスして」


「えっ、、うん」



芽衣の唇と私の唇を重ね合わせた時、私の携帯が揺れる。誰からかLINEが来たみたいで、私は別に気にしなかった(きっと、ごんちゃんだから)けど、芽衣はキスを中断し机の上にあった私の携帯を壁に向かって投げた。


芽衣のまさかの行為に私は驚き、悲しい気持ちになる。芽衣が優香ちゃんに対して不安な気持ちを持っているのは分かっているけど、ここまでするとは思わなかった。



「あっ…水希、ごめん」


「大丈夫」


「ごめんなさい…ごめんなさい」



芽衣が泣いている。私も目に涙を浮かべながら芽衣を抱きしめた。私も感情がぐちゃぐちゃだ。胸が痛くて苦しい。



「もうやだ…自分が嫌いになりそう」


「そんなに不安?」


「不安だよ!優香と毎日電話をする水希を思うと苦しいし、LINEも嫌だ。何で優香と仲良くするの?それに、昨日のLINEは何!?昨日、何で優香と会ったの!」


「えっ…昨日のLINEって。芽衣、何で知ってるの?」


「あっ…ごめん、、」



私は携帯を机の上に置いたまま、一度トイレに行った。これはいつもやっていることで、芽衣に携帯を触られても何も問題はない。

私は後ろめたいことがないから携帯を放置できる。それに携帯を芽衣も操作できるようにパスコードを教えている(芽衣の誕生日)


だから問題はないし、気にすることではないけど芽衣が恐縮し、私も後悔した。

つい、優香ちゃんと交わしたLINEの内容を何で知ってるの?って聞いてしまった。

きっと芽衣の心情は私の浮気を疑った人の苦しい心情で、落ち込んでいる。



「芽衣、こっちを向いて」


「やだ、無理」


「じゃ、これだけは信じて。私と優香ちゃんの間には何もないし、芽衣が世界一好き」



私を芽衣を後ろから抱きしめながら想いを伝えた。小さい体が更に小さく感じ、今こんな感情を持つのは変だけど可愛すぎる。



「芽衣、そろそろ家に帰るね」


「えっ、、」


「やっとこっちを向いてくれた」


「ばか…」



目を真っ赤にさせ、ちょっとだけ拗ねている芽衣を正面から抱きしめる。

子猫みたいに座っている私によじ登るように膝に乗ってきた芽衣は強い力で抱きつく。



「芽衣が甘えてくれて幸せ〜」


「今日、泊まって…」


「うん、泊まるね」



私達はまた唇を重ねる。さっき中断したキスの続きだ。そして、キスした後やっといつも通りの芽衣に戻ってくれた。



「水希、ヤキモチばっかり焼いてごめん」


「芽衣、一度優香ちゃんと話してみたら?」


「やだ…」


「何で?」


「イライラする」


「そっか、分かった」



芽衣の中で優香ちゃんへの嫌悪感が強く、私が優香ちゃんの名前を出しただけで声のトーンが低くなった。

芽衣にとって優香ちゃんは地雷で、簡単には嫌悪感を取れないみたいだ。

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