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ミルクとマシュマロは合うのかな?  作者: キノシタ
第1章 ー高校1年生 出会いー
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第39話

でも、陸上部のファンは私を見に来てるってお姉ちゃんは言ったけど…全員女子だよね。

男子がいないよね?それって、どうなの。喜んでいいの?

女子にモテて、男子にモテてないって素直に喜べない。だって、恋に発展しない。

ただの…自分で言うと恥ずかしいけどアイドル的な存在ってことだ。


全く喜べないよ、、一時的なものだと思うし、嬉しいけど嬉しくない。それに応援は芽衣だけでいい。

芽衣が応援してくれるのが一番頑張れる。応援はありがたいけど、注目されるの苦手だ。

緊張するし、みんなの視線が怖くなりそうで普通に部活できないよ。



「ねぇ、そのファンの人…何で私のなの?」


「部活対抗リレーで目立っていたからね」


「たったそれだけで?」


「何か惹きつける魅力があるんじゃない?」


「えっ、照れる〜」


「水希はさ、好きな子いないの?」


「いないよ、出会いないし」



共学だったら好きな人がいたかもしれない。スポーツマンが好きだし、部活とか見に行って応援したいな〜って願望があった。

一時期、妄想しすぎて恋愛漫画が描けるんじゃないかと思ったぐらいだし。絵が絶望的に下手だから描けないけど。



「私が言ったのは学校内のことよ」


「学校内って…女子校だよ」


「でも、女の子同士で付き合ってる子いるわよ」


「それは…それでしょ」


「ふーん。水希と芽衣ちゃん、仲が良すぎるからもしかしてって思ってた」


「違うよ!芽衣に失礼だよ!」



お姉ちゃん、そんなこと思っていたの?仲が良すぎるって、普通だよ。普通に、仲がいいだけだ…キスは過ちで、私が悪いだけで芽衣は私のことを友達にしかみていない。

はぁ、落ち込む。思い出すたびに、穴があったらずっと入っていたいと思ってしまう。


芽衣は付き合ったことがあるのを分かっているからこそ、私達がそんな関係になるなんて絶対にない。

私は芽衣にとって恋愛対象外で友達でしかない。私も芽衣は大事な友達だ、一番大事な。



「よし、出来た!包帯外れたらすぐに言いなさいね」


「分かった、ありがとう」


「最後に水希。キス・キス・キスってうるさいから。部屋の外まで聞こえていたわよ」


「嘘!声に出てたんだ…」


「ファーストキスおめでとう〜。相手は誰か分からないけど、相手を大切にしなさいね」


「違う…そんなんじゃない」



違うよ、違うんだよ。恋人同士がするようなキスではないし、私が勝手にしたキスで相手を悲しませるキスでしかないんだよ。

私は…取り返しのつかないことをしてしまったんだ。



「お姉ちゃんとして、恋の先輩として忠告してあげる」


「何…」


「芽衣ちゃんを泣かしたら許さない!」


「だから、何で芽衣なの!」


「私と恭子で見張ってるからね」


「何で、恭子先輩が出てくるの!」


「うるさい、忠告よ」



ちょと待ってよ、話がおかしな方向に行ってない?何で、恋の忠告に芽衣の名前がでてくるの?何で、私はお姉ちゃんと恭子先輩に見張られないといけないわけ?意味が分からない!分かるようにちゃんと説明してほしい。


私は馬鹿だから勉強も、、恋も分からない。物事を考えるのが苦手で、運動の様にひたすら練習して体を動かす事が性に合っている。

私は悩むことが好きじゃないし…。



「言っとくけど、芽衣ちゃんモテるからね」


「えっ」


「女子にってことじゃないわよ。他校の男子が狙っているのよ」


「そうなんだ…」



芽衣は可愛いから、やっぱりモテるよね。だったら芽衣にはすぐに彼氏できそうだ。

今は誰とも付き合わないって言っていたけど、いつの間にか彼氏ができて私は少し離れた所から見るのかな。


頭を撫でるならもっと優しく撫でてほしい。急に優しくされると怖いよ。

何で優しくされたのか分からないけど「恋って楽しいわよ」って言われ、お姉ちゃんは部屋を出て行った。

恋は楽しい…私も楽しい恋をしてみたい。好きな人と笑いながらデートしたいしキスをしてみたい。



唇を触ると芽衣とのキスを思い出す。芽衣ともう一度・・頭が痛い、足が痛い、胸が痛い。

痛すぎて泣きそうだ。誰もいないから泣いていいよね?涙が止まらなくて、この感情が分からない。何で涙が流れるの?何で止まらないの?



「私は芽衣ともう一度キスを…」



言葉にするんじゃなかった。自分に反吐が出る。これからも、芽衣の側にいるためには少しだけ距離をとろう。

うん、決めた。芽衣に不用意に触れない、不用意に話しかけない、不用意に見つめない。これで大丈夫。芽衣に嫌われなくて済む。


芽衣、少しだけ待っててね。この訳の分かんない感情を捨てるから待ってて欲しい。最初に出会った頃の私に戻るから。

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