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ミルクとマシュマロは合うのかな?  作者: キノシタ
第2章 ー始まりの恋ー
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第130話

「水希のバカ、、バカ、バカー!」


「だ、、大丈夫なの!?」



慌てた様子のお姉ちゃんがいきなりドアを開け部屋に入ってきた。絶対、私達が気になってドアの近くにいたはずだ。

でも、芽衣が泣きそうな声でバカを連呼するから心配になるのは分かるし私も心が痛い。


私の部屋には4人は狭すぎる。心配そうな顔をするお姉ちゃん、戸惑うひかる、下を向くを私…とうとう泣いてしまった芽衣。

私は芽衣に浮気者と言われ悲しかった。それにまた芽衣を泣かした。今日は誕生日なのに何でこんなことになってしまったの?



「水希の浮気者…」


「だから、してないって!」


「心の浮気も…?」


「してないよ、、ひかるは友達だから」


「最近、私の方が水希を好きすぎて嫌になる。重たくて少しのことでヤキモチ焼いて嫉妬が凄いの、、水希が早川先輩に頭を撫でられるのも嫌だし…何より、ひかるちゃんと噂になっているのが苦しい」


「芽衣…」


「水希とひかるちゃんがお似合いすぎて悔しいよ。周りからもお似合いのカップルって言われてるし、、ずっと横にいる私は不釣り合いなんだって毎日落ち込む」


「そんなことない!」


「どうしたらいい…?どうしたら自信が持てる…?水希を好きになって以来、どんどん自分が嫌いになる」



芽衣の心の内を聞いて、私も涙が止まらない。なぜか、お姉ちゃんも泣いてるし…ひかるも涙を我慢している。

私は芽衣の悩みに気づいてやれなかった。自分のことばかりで、私も芽衣同様自分に自信がなくて悩み…ひかるに逃げてばかりいた。


芽衣は1人で苦しんでいたんだね。ごめん、情けない恋人で…何もしてあげれなかった。

痛いよ、、お姉ちゃんに耳を引っ張られて何でこのタイミングなの!耳がちぎれるから!

首が苦しい、、何で次はヘッドロック!もう辞めてよー!体がボロボロだよ。



「芽衣ちゃんを苦しめるなんて許さない!」


「お姉ちゃん、ごめんなさい、、許してー」


「あれほど言ったでしょ!芽衣ちゃんを泣かしたら許さないって!」


「頭をグリグリしないで!痛いから!」


「浮気したら、私が絶対許さないからね!」



するはずない。芽衣一筋だしひかるは…私にとって癒しの存在で、、これは心の浮気じゃない。可愛いウサギ的な存在だ!

体全身が痛い…やっと解放され、芽衣はお姉ちゃんの突然の行動に驚いて涙がひいたみたいだ。ひかるなんて笑っている。



「水希、色んな子に手を振っちゃダメだよ」


「えっ、、ひかる?」


「爽子が言ってたよ。今日、遠藤さんって子に手を振ってたって」


「あれは、別に意味は…」


「水希!遠藤さんのこと、あれほど言ったのに!」


「ひかる!遠藤さんとはただの知り合いで、手を振り合う仲なの」


「馬鹿!あっちは水希のことそう思ってないかもしれないでしょ!私が忠告したのに…もう忘れたの」


「お姉ちゃん…勘弁して」



ひかる、何でいきなり爆弾を落とすの。さわちんめ、何でひかるにチクるの!また、お姉ちゃんの逆鱗に触れてしまった。

もう、勘弁してほしい…芽衣の冷たい目から氷柱みたいなものが飛んできて身体中に刺さり体が震えてくる。芽衣が怖い…雪女みたいにオーラが冷たい。



「水希って、天然のタラシすぎる」


「ひかる、タワシって何…?この前もお姉ちゃんが私のことタワシって」


「タ・ラ・シ!水希、、天然すぎるよ」


「ひかるまで、、そんなに言わなくても…」



ひかるとお姉ちゃんは《タラシ》って言ったの?何、、タラシって。亀の形をしたタワシなら知ってるけど。

芽衣の目が更に冷たくなった。ため息を吐きながら携帯を触り画面を見せられる。



【たらし】

相手を言葉巧みに誘惑すること。

ー人たらしー

漢字だと「人誑し」となり、この「誑」に騙すという意味が含まれている。女たらしは女性の心を弄び、相手を騙す最低な男性のことを意味する。



いやいや、これは反論してもいいと思う。私はタラシじゃないし、女たらしって…超最低な男のことだ。私、男じゃないし、、って言いたかったのに、携帯を見たお姉ちゃんが「まさに水希のことだわ」って言うから何も言えなくなった。


嘘でしょ…私ってみんなからそう思われてたの?こんなに純情でウブな私が!?

芽衣が初めての恋人なんだよ。1000人斬りとかしてそうな人が言われる言葉でしょ!

なのに「水希は天然だからタチが悪すぎる」って芽衣が言い放って…落ち込んだ。


私はどうしたらいいの…分かんないよ。だって何もしてない。手を振ることがいけないことだって知らなかったし、挨拶の一環だと思っていた。

肩身が狭い…急に3人が結束して内緒にしていたこともお姉ちゃんに暴露された。お姉ちゃんめ…遠藤さんに道で渡されたお菓子のこと、今言わなくてもいいのに。



「水希はお菓子に釣られすぎ!」


「芽衣、違うー、、あれはお姉ちゃんに勝手に渡されてて」


「お菓子の子、やっぱり要注意だわ」


「お姉ちゃん…要注意って、、」



もうやだ…開放してほしい。せっかくの誕生日なのに、私は隅っこで体育座りしてる。3人は話が盛り上がり、もう23時なのにずっと話している。

あと1時間で誕生日が終わる。ずっと耳が痛い。私の今までの行いをずっと話され、タワシ…違う、タラシって言葉が胸に刺さる。

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