第107話
今、何時だろう…いつのまにか眠り、隣を見ると可愛らしく寝むる芽衣がいた。
芽衣の寝顔を見ると幸せな気持ちになる。そっと頬を撫でると触り心地が気持ちよくて、ちょっかいを掛けたくなる。
「芽衣…ちょっとだけ許してね」
寝ている芽衣の首元に一度キスをし、軽く噛みつく。いつ起きるかな?って思いながら何度も甘噛みしていると体をビックッとさせ、眠たそうな目を擦りやっと起きた。
「水希…」
「おはよう」
「ち、、ちょっと待って、、」
私は戸惑っている芽衣にお構いなしに上に被さり、今度は唇を奪った。芽衣が素直に思っていることを言うと決めたなら、私も気持ちを素直に伝える。
キスをしたいという欲望も叶えつつ、これは愛情のプレゼントだと勝手に決め、キスを止めなかった。
「み、、水希…するの?」
「しないけど、愛を贈っている」
「待って、、うぅん」
これぐらい分かりやすい愛情表現だったら、芽衣の不安は軽減されるかも知れない。
私としては毎日キスできるなら嬉しいし、喜んでする。だって芽衣の唇は食べたいくらい柔らかくて私を虜にする。
「み、、水希!なな、何してるの、、」
「ボタンに手を掛けてる」
「さっき、しないって…」
「しないけど、脱がす練習してる」
「ダメだよ、、」
「どうしてもダメ?」
芽衣はダメとは言わないだろう。分かってて言ったし、もう既に3つのボタンが外れ綺麗な肌が露出してきた。
ほらね、芽衣は困った顔をしているけど私の手を止めようとしない。
「先輩、いるんだよ…」
「大丈夫だよ」
「何が大丈夫だー!!!」
はっ!!!へっ!?幻聴!?脳内にハッキリお姉ちゃんの声が聞こえてきた。まさに鬼の形相のごとく低い声が頭に響き渡り、私の手を止まらせる。
何度もキョロキョロと部屋の中を見たけどお姉ちゃんはいなくて壁に耳をつけたけど音はしなかった。多分、1階のリビングにいるのだろう。
「水希…?」
「脳内でもお姉ちゃんに監視されてる…」
「ふふ、何それ」
「お姉ちゃんの声が聞こえた。怖かったよ…ドスの利いた声で怒られた、、」
「じゃ、練習はここまでだね」
「うん…」
これって刷り込みなのかな。絶対に誕生日の日を迎えるまでは許さないと、お姉ちゃんに散々言われ叩かれ恐怖を植え付けられた。
早く芽衣に沢山の愛情を贈りたいのに、ストップをかけられる。
「そういえば、今日泊まるの?」
「今日は帰るよ、流石に修学旅行から帰ってきたばかりだし」
「そっか。明日、私が芽衣の家に行くね」
「うん」
「沢山、キスしようね」
「うん///」
めちゃくちゃ我慢しつつ、少しずつ関係が進んでいるのはお姉ちゃんなりの配慮かもしれない。流石にお姉ちゃんもそこまで鬼ではなかったかもしれなけど、一段階ずつの関係の進みに何度も転びかけた。
付き合って、芽衣が泣いて…修学旅行でラブラブだったのに、また芽衣が泣いて、、関係は少しずつ進んでいるのにその都度…お互い悲しい気持ちになるのはなぜだろう。
これも成長するためのステップアップ?それとも試練?ただ、子供なだけ?
もし、私達の関係が簡単に最後まで行っていたら芽衣が泣くことはなかったのかな。
難しい、なかなか進まない関係だからこそ芽衣が愛おしくて大事にしたいと思う。毎日、芽衣への好きな気持ちが募っていく。
「ち、、ちょっと…水希///」
「じっとして」
ボタンが空いたままのシャツを手で広げ、少しだけ露わになった胸元にキスをする。強く吸い付くと赤い小さなキスマークが付いた。
「結構、綺麗に付いた」
「キスマーク…?」
「うん、キスマークで誕生日の予約したの」
「バカ…」
キスマークって芽衣が私の彼女なんだぞって意思表示になるし、エロいし…エロいよね。
出来れば、沢山予約の為のキスマークを付けたいけど芽衣が恥ずかしそうにしてるから諦めた。
芽衣って積極的な所あるけど、私が動くと恥ずかしがる。そんな所が可愛くて、つい虐めたくなる。だから耳元で「芽衣の裸、綺麗だった」って、お風呂での感想を伝えた。
「もう、、バカ///」
「こっち向いてよ」
「やだ…無理」
「恥ずかしがらないでよ、芽衣が慣れろって言ったんだよ」
「水希の意地悪…ムカつく、、」
「えっ…」
芽衣が手で私の首を掴み、引き寄せたと思ったら首元に強く吸い付いてきた。これって、さっきのお返し?
照れるし嬉しいけど…場所的にヤバいと思う。私は一応見えない所を選んだのに。
「綺麗に付いた」
「芽衣…」
「さっきのお返し」
「首はマズいよ…隠せない」
「あっ!ごめん、、どうしよ、明後日には赤み取れるかな…」
「無理だと思う…絆創膏で隠すしかないかな」
芽衣の吸引力が強かったから、消えるのに数日はかかると思う。周りに変に疑われなきゃいいけど、首に絆創膏って違和感がある。
それに、高校生なんて思春期真っ盛りだから首元だと敏感に反応すると思う。
これで、変な噂がたったらと考えると地獄だ。こんな事で注目浴びたくない…。




