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終焉戦争秘録(ラグナロク)  作者: イノさん
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星屑の少年達

アーカラの見た、「神」の正体とは?

「神」の中の少年は、目と口の三つの穴をぽかんと開けてみつめてくるアーカラを、見下していた。「神」の中の無線機から、声が出てくる。「こちらD地点、任務完了。これより撤収する。」「B地点、同じく。これより、上空にて合流する。」背中が、光り出した。降りてくるときも、同じ光を発していた。「なぁ。」アーカラは、少年「エア」に、いや、正確にはエアの乗る機体に、話しかけていた。「なぁ、アンタが「神」なんだろ?教えてくれよ。生きる意味って、何なんだ?」アーカラは、恐れと、希望が半々の眼で、二、三歩よって、すがるように言った。「なぁ、何なんだ?」エアは、首だけ後ろに向けた。「そんな物は知らん。」アーカラの眼は、絶望と悲しみの色になった。「ただ、「生」は、「死」と同じように避けられないものだ。だから、理由が無くたって、俺ら人間は生きるんだ。お前は、生き残れば良い。ただただ、生き残れば良い。」アーカラは、心底驚いたようでそして薄い涙の膜を張った。「やっぱり、アンタが神だ。」「違う、人間だ。」エアを乗せたまま、今まさに用は終わったという風に、機体は飛び立とうとしていた。「最期に一つだけ、聞かせてくれ!何で、俺を助けた?」エアは、ちらりと見た。「お前は、俺に似ている。たったそれだけだ。ヒーローを気取るつもりはねえ。いつでも呼べだとか、何があっても駆けつけるだとか、言うつもりはねえ。せいぜい、俺「ら」が戦争を消すまで、待ってろ。」機体は、今度こそ本当に飛び立った。


「ご苦労でした。早速ですが、「次のミッションだろ、お嬢。場所はどこだ?」お嬢と呼ばれた少女はにっこり笑って、「軍事国家「ヴァルトラル」と過激派宗教集団「ゾーツロフル教」間で最近小競り合いが見えます。その後、「大地球連合」の新機がお披露目されます。その二つです。」エアは、宇宙服の上から、ヘルメットをかぶった。目立たぬよう、この船体は宇宙を漂流し続けているのだ。「それと、「宣戦布告」は今日ですよ。」ひらひらと手を振ると、「分かっている」と返した。


それぞれ形の違う「怪物」、通称グリムと呼ばれる人型の機械が、争っていた。本来、人型の機械が戦艦に勝てるわけなど無いのだが、カメラを通してしか外を見れない戦艦は、近頃の入り乱れた電磁波には耐えられないのだ。なので、人型にして、ガラスだと危険なのでカメラとリアルスコープを組み合わせたような仕組みになっている眼から見るのだ。そのグリム達が、戦っていた。といっても、ほぼ勝負はついていて、逆転は不可能に思われた。しかし。ズバン!と鋭い音がして、押していたヴァルトラルのグリムが一機、切られて爆発した。次々と、グリムが消えていく。そして、ヴァルトラルの前線は、全滅した。「ありがとヨ!」調子に乗ったゾーツロフル教のグリムが、敵の陣地へ走って行く。「手も足も出なかったんだ。この機会に殲滅する。ついてこい!」残っていた三機が、走って行く。そして。ズババン!エアは、それらさえも切ったのだ。それを隣で見ていたもう一人の「神」が、無線で、「おいおい、あんまりやり過ぎるなよ。」と忠告したが、エアは、「分からないのか。これが、「終焉を破壊せし者ラグナブレイカー」だ。」何か言おうと、一度口を開けたが、結局何も言わすにため息一つつくと、「とりあえず、任務終了だろ。」そう言って、飛び立った。「なあ、スコール。」「何だ?」「生きる意味って、何だ?」スコールは、頭をポリポリかくと、「少なくとも、俺は、」とおもむろに切り出した。「生きる意味が分からない。それが分からないうちは死ねない。俺の生きる意味は、そんなところだ。」エアは、目線を下ろした。「矛盾しているな。」「はは、だろ?」エアは、心の中で舌打ちした。「何でこんな、ヘラヘラしたやつがラグナブレイカーなんだ。」


そこは、ざわめきたっていた。「あの新機、どう思う?」「どうもこうも、所詮うちのまねごとだね。あの程度で最終兵器なんだから、ヨユーだよ。」そんな会話をしている二人がいた。「おい、そこ!聞こえてないと思って好き勝手言いやがって!」「なるほど、音はうちより集まるみたいだね。」それは、威嚇を兼ねたテストだった。と、その時。全く別の機体が、そこに降りてきた。逃げ出す人々。それにつられ、波は次第に大きくなる。「ちょっと失礼。」先ほどの二人のうち一人が、双眼鏡をとった。機体に、筆記体で書かれた「NOAH」の文字。「ノア・・・それがあの機体の名前か?」それは、新機と格闘になった。「く、速いっ!」ズバッ!上半身と下半身が、分かれた。そしてノアは、飛び立った。「何だったんだ、アレは?」「おい、早く助けろ!」パイロットがわめいている。「安全性も、うちより高いようだ。」


「お一人ですか?」「ええ、飲めないもので。これ、かっこつけてワインっぽくしてありますけど、ジュースなんです。」「では、食事は?」「もう、おなかいっぱいですの。」「そうですか。では。」ナンパを軽くよけながら、彼女はパーティー会場のある第一軌道エレベータの、向かい合うようにして立っている第二軌道エレベータの方を見ていた。そこで、爆発が起きた。会場がざわつく。「始まりましたか。」


エアは、次々とグリム達を切り捨てていく。しかし。ヂュン!とビームが飛んできて、機動源にかすれた。「チッ」エアは後ろを向くと逃げ出した。それでも執拗に追ってくる。と、その時。そのうちの一機が、絞められて、爆発した。「一人で突っ走りすぎだ!」「さそり座「スコーピオン」のスコール。」その、サソリを思わせる尻尾が、絞め殺したのだ。「もらいっ!」後ろから斬りかかろうとした機体が、逆に後ろから切られた。「たまには後ろも見るもんだ、といつも言っているだろう。」「天馬座「ペガサス」のペスト。」そのスピードや純白の機体は、まさに天馬だった。「ひっ」逃げ出そうとした機体に、先回りしている者がいた。「ムダだ」「獅子座「レオ」のレーノ。」その力は、まさに獅子のようだった。そして、それを身代わりにしている者がいた。「悪いが、自分の命が一番だ。」「そしてー北極星「ノア」のエア。」破片は、美しく宙を舞って、美しいまま、散っていった。


「臨時ニュースです。昨夜、第二軌道エレベータを襲撃したと思われる団体から、メッセージが届きました。こちらです。」パッとテレビの画像が切り替わる。男の顔が映った。ゆっくりとしゃべり出す。「我々は、過激派武装組織、「スターダスト・オーディン。」これより、各国の戦争へ武力による本格的な介入を開始する。世界から戦争が消える、その日まで。今回、我々の中の四人の精鋭部隊を送った。それらが、戦争を消す「終焉を破壊せし者ラグナブレイカー」である。戦争を止めよ。さもなくば、命の保証はしない。繰り返す。我々は・・・」「スターダスト・オーディンにラグナブレイカーか。」「本格的な反戦争組織が動き出したわけだ。」「しかし、」「戦争を戦争で止めるなど、スターダスト・オーディン、存在そのものが矛盾している。」「それに、この1回でどうにかなると?おめでてえこった。」「いいえ、何度でも介入します。世界中の恨みが、悲しみが、憎しみが、私たちに向けられるようになる、その日まで。何故か、それは、そうでもしないと、人類は「一つ」になれません。世界をつなぐ、接着剤になること。」「それが、ラグナブレイカーの役目だ。」エアの眼は、まだまだ白くなっていなかった。しかし、それは負の感情が交じり合った黒であった。


イノさん参上の3乗!エッグがえぐれてエッグ!わーっはっはっはっはっ88六十四!この前のは、プロローグです。すみません。

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