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魔王のオモチャ  作者: コダヌキスキー
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2

カタカタカタカタ…とキーボードを鳴らしつつ、研究員6は並列思考で考える


流石研究員 ブラインドタッチもお手の物


研究員6「(神鳥との相性も考えてオオウミガラス型をベースにして…)」


神鳥「思考が漏れてますお。アイーダさん」


研究員6「…ブツブツブツ…」


反応がない 集中しているようだ


研究員6「出来たぁーっ」


神鳥「おかえりなさい、(思考の海から)戻ってきたのですね」


集中してる間に神鳥の羽と血を用意してくれていたようだ。


研究員6「あら、準備がいいのね、早速取り掛かるわよーっ」


神鳥「はいはい… 」




神鳥「鳥ちゃんは愛の女神の眷属、つまりその血を受け継ぐこの子も愛の眷属の末席につく訳だお、惜しみない愛こそ原動力だよ。」


まぁ そんなこと言わなくても、オモチャが意思を持つくらいに彼女の愛はでかいと思われるので杞憂かもしれない。


研究員6「ふふふ…」


生まれ変わる寵児に向けて、慈しむように見つめつつ撫でている



神鳥「あぁ、ついでにどうぞ」

そういって神鳥は魔石を差し出す


研究員6「何この石?」

怪訝そうに見る


神鳥「幼少期ヤンチャしてた時代にちょっと… まぁ 昔とった杵柄だお 

もういらないので動力にでも使ってほしいお 賢者の石だお」


さらにといってのける神鳥


研究員6「…有り難く頂くわ…」


こうして深刻な素材過多により


オオウミガラスベースに妖精体とオートマタのボディを移植

神鳥の魔石を起点として融合

神鳥とアイーダの血液で作った魔道血液を注入し馴染ませていった。




ラボの巨大プラントの中、オオウミガラスはこの地に再び、生まれようとしていた。


ナノマシン活性率 クリア

魔力伝導率 クリア

システムオールクリア


神鳥「いつでもいけます どうぞ」


研究員6「オオウミガラス改 起動!!」 


ピピピ・・・ と電子音が鳴り、動作確認が行われた。


研究員6「エラーなし、成功ね」

神鳥「おめでとうございます、相田さん」


神鳥「君は私と相田アイーダの子…そうだな プロト… プロト・ヒュペリオンと名乗るがいい」


こうしてオモチャのプロトは完成した。




研究員6「あとはテストだけね…」

神鳥「そうですねぇ…」



===================================



◆ The Day After Tomorrow


いつもの実験モニターは一種の異様な雰囲気に包まれていた。




次で魔王の一撃に耐えるテストの3000体目となる。未だ合格者はなし。


今回は研究員6が作ったとされる試作品が魔王の目の前に用意された。


精工に作られたそれはまるで生きているようなでかいペンギン。2メートルくらいはあるのではないだろうか


研究員6がいたらオオウミガラスよと抗議するだろう


明らかにオモチャの大きさとしては規格外である。


魔王が来るまで待機中だ



対する魔王は…、 あ 目が死んでる…

限界が近いのかもしれない。余程オモチャを壊してしまう一連の作業が苦痛だったようだ。強すぎる自身の力を呪っている。


このプロジェクトの中止を念頭に入れなければならないかもしれない。優しそうな魔王ひとだったからなぁ、壊してしまう罪悪感が半端ないのかもしれない。

さながら食べられることなくパンを廃棄するような気持ちだろう。

しかし、力を抜く訳にもいかず…といったところだろうか


魔王「もうゴールしてもいいよね…」

などとブツブツ言っており・・・


ゆらゆらと力のない足取りで玩具オモチャの前に向かい


無感情にいつもの如く、右ストレートを繰り出した。



ゴスッッッ



そしてオモチャはいつものように粉砕… 


… しなかった


魔王「ひょ?」



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