女神のいうことにゃー
ああ 女神さま
ソフィア「凄まじき種族、日本人に力を借りるの」
何言ってるんだろうね この女神は
魔王「日本人ってたしか… 父の種族の昔の呼ばれ方ですよね? 悪魔と同じ黒髪黒目だけど魔法が使えないという…悪魔モドキ」
ソフィア「そうだったの そっちでは悪魔モドキって呼ばれてたの」
言いながら女神様は謎の電子版を使いこなし
竜神のリューさんにオモチャを作らせていいという許可(言質)をもらったそうだ
魔王「最近の悪魔モドキは姿を滅多に姿を現しませんよ?悪魔と間違えて討伐されちゃいますから」
ふるふると女神は首を振りながら
ソフィア「違うの 異世界の オリジナルの日本人に依頼するの」
次の刹那
女神様は異界から日本へ続く扉を開き 地球へと魔王を連れてった
◆日本 某月某日 都内某所
魔王の一撃に耐えるオモチャ 通称「魔王のオモチャ」を作ってほしい。
訳の分からない依頼が舞い込んできたと思ったのが半年前
象さんに踏まれても壊れない筆箱を思い出したのは仕方がないことだ
素材も予算もあっちが用意すると言われては半信半疑ながら仕方なく承諾した。
プロジェクトチームを結成
蓋を開けてみれば国家予算を上回るかもしれない大金に未知の金属、謎の素材に新元素に、魔素作る設備が与えられた。
その破格の待遇があかんかったんや
日本の変態技術に火をつけてもうた
これが密かな国家プロジェクト開始のゴングである。
材料与えちゃったら何でも作るでこの国
時すでに時間切れ 賽は投げられた
餌を与えられた猛獣の如く 試行に思考を重ねてはオモチャは作られていった
魔王の情報が秘匿されたので公には決して言えないよう
職員全員には守秘義務が徹底された
本日も魔王は死んだように あらん限りの力を込めた一撃を放つ
研究員1「正直ぃー 魔王って存在について半信半疑だったのじゃー」
研究員2「我々の作ったオモチャを一振りで悉く粉砕、玉砕、大喝采、だゴブ」
研究員3「一応 現状のオモチャでもミサイルや超電磁砲には耐えられるようなスペックにはなってるのに どうなってるのらぁ…」
研究員4「んん 拙者の美学ではオリハルコン以外ありえませんぞ
小生は 次はアニマトロニクスやリアクティブアーマーとかの実装を本気で考えてみようとおもうでゴザルよ」
研究員2「え? 爆発するオモチャって… 安全性的にどうゴブ…? 五分五分ゴブ?」
研究員1「流体力学もぉー 面白いと思うのじゃー」
討論は度々行われた
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◆研究員6の部屋
研究員6「はぁ…」
彼女は他より じっくりしっかり作る派の研究員 適度に手を抜かない 手を抜けない
普通の研究員より時間が掛かる職人気質なポニーテールさん
時間をかけて作った可愛い我が子【オモチャ】
オオウミガラス型やらマシン型やら妖精型なんてものが壊れたまま保管されてある
愛情を注いで作った子供達が壊れ逝く様はとてつもなく悲しい
研究員6「妖精型は自信があったんだけどなぁー…」
流体的で柔軟なボディのオオウミガラス型は魔王の拳を受け流したが余波で粉砕
ナノマシンで高速再生するオートマタ型は一撃を受けて再生したが原型を留めず
今回の妖精型は魔素汚染が凄まじく苦労した 魔道血液で動く高エネルギー体でダメージから身を守る予定だったオモチャは…
研究員6「はぁ…」
黄昏こそ答え
チラッ
壊れたオオウミガラス型を見る
オオウミガラスの目は語る
「まだやれる もう一回 もう一回 お願い捨てないで」
オートマタもまだ諦めてない
妖精型に至っては…
revengeを誓った雰囲気さえある
どうしよう・・・
刹那
にょっ(虚空から穴が開き巨大な鳥の顔が出現)
研究員6「あら 神鳥さん いらっしゃい」
神鳥「ごきげんようだお アイーダさん」
研究員6「違うわよ 相田よ」
いつものように神鳥は苗字をからかう
神鳥「それで アイーダさん 何をお悩みなっているのですかお?」
研究員6「はぁ… もう… うん ちょっと悩んでる
そこの子達がまだ諦めてないの だからもう一度、飛び立たせてあげたいのよ」
神鳥「ほー?」
神鳥は研究員の子供達を見る
再起不能だろうと思われるが
確かに諦めてない雰囲気
オモチャが意思持つなどありえないだろうに
だがありえないと言い切れない何かがそこにはあった
鳥型のオモチャと目が合う
どこかうちの雛の姿と重なって見えた…
子供のためにどうにかしてあげたいという親の気持ちもわからないではない
そしてそれが… あの黒髪ツインテール幼女の為になるかもしれないというなら…
思考は続くよどこまでも
どこまでも
以下中略
神鳥「混ぜればいいんじゃないですかね?アイーダさん」
思考すること15分
神鳥の思考タイムを律儀に ずいぶんと待ってあげていた研究員6に言った
研究員6「混ぜるって この子達を? それと相田よ」
神鳥「ですお 使える部分をつなぎ合わせて融合合体
三位一体とか 割とかっこよくありませんか?マロンですよマロン 大好きだお」
研究員6「合体したら スゴク・・・ 大きくなってしまうわ」
神鳥「別に大きくなってしまっても構わんのだろう?
大きさの指定とかなかったと記憶してますお」
研究員6「… それもそうね でも合体とか言われても…
そんなに簡単にはできる訳が…」
神鳥「私の羽とか素材にどうですかお?たぶんつなぎ合わせる為の楔に出来ますよ?
腐っても神鳥ですし」
神鳥はケラケラ笑う
研究員6「自分で腐ってもって… ついでに血も提供してくれるのかしら?」
神鳥「がめついお! まぁ嫌いじゃないですよ 仰せのままに
相田さま」
研究員6「あたしはアイーダよ!! ・・・ はっ!?」
神鳥「でゅふふふふふ… 合ってるお?」
研究員6はうなだれた。
どうしよう、三位一体案 断りづらい…
まぁいっかぁ…
悪魔モドキ
この世界における日本人。
何らかの方法で異世界に来てしまった日本人
この世界の悪魔は黒髪黒目だったので間違えて討伐されてしまう。
魔法に目覚めてない場合が多く簡単に殺されてしまう。