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第008話 異世界の『森の熊さん』

熊悟郎さんの親戚登場です(笑)

ゴブリンの巣で集めた剣などの金物をまとめて全部麻の袋に詰め込み(刃物は全部錆びていても布で包み縛っておいた)無限収納の背嚢に突っ込んでおく。

VRゲームの癖で『金物類は全部確保、後で溶かしてインゴット化』の習慣を付けている。

普段からコツコツとこれをしていると意外にこれが馬鹿にならない量のインゴットを貯める秘訣だったりする。

まぁ、エルシア村も一度壊滅的な損害をこうむっているので色々な物資が不足している。

村の鍛冶屋だった者も鍛冶屋をたたみ港町のアルシダに引っ越したという。

村の再建のためにも鍛冶屋は欲しい。

いや剣だの鎧だのとかではなく包丁や鍋の製作や修理にだ。

また農機具もできれば金物で作りたい。

金属製の『つるはし』が存在するのになんで『鍬』が木製なんだ?

せめて刃の部分だけでも金属製に変えたら効率が良いのにと思ってしまったわけだ。

まぁ、後から聞いたら鍛冶屋がいないのでこの部分が作れなくなっているとか…

ぶっちゃけ王都やアルシダで買うと全金属のため高すぎて手が出せないという。

思わず涙が出てしまいましたよ。


作る人がいないなら自分が造ればいい。

ただしそれなりに設備はいる…とくにインゴット化には溶鉱炉も必要となる。

ただ『薪』や『炭』でそこまで高温を作るの大変なんだよな・・・。

できないわけではない…実際古代のインドや日本なんかは薪や木炭で作っていたし。

まぁ、ぶっちゃけた話、魔法で強制的に風を送り込んで常に酸素を大量に送り込んでやったらそれほどは難しくない。

さっきのゴブリンを焼いたときみたいに。

ただ魔法無しの技術でそれをしようとするとできれば『コークス』が欲しい。

石炭さえ見つかればそれを加工して作れるがはたしてこの世界に化石燃料なんてあるのだろうか?

太古の歴史が地球に似ていたら存在してもよさそうなんだが…。

まぁ、このあたりはこの世界のやり方を調べたほうがいいのだろうな…。


いや、ゲームの世界の道具も持ち込んでいるのだけどね…

ありゃいくらなんでもファンタジー過ぎるから最後の手段ということで…


そんな訳で鍛冶を再開した時に必要な材料を今から集めておくというわけだ。

村に帰ったら鍛冶とかできる場所が無いか聞いてみよう。

そこにこれらの素材原料は放り込んで管理しておけばいい。



とまぁ、鍛冶の事はこの辺にしておいて…

獲物狩らないと…

ちなみにマリちゃんよりリクエストがあった…

「クアックルブを捕まえてきて欲しい。」

地面に絵を書いてもらったら…地球で言う『ニワトリ』だった。

もっとも聞くところによると大きさはニワトリの五割り増しほどだが…

魔物襲撃事件のとき全部の『クアックルブ』が食べられるか逃げ出したかしたらしい。

そのため肉もそうだが『卵』が食べられないということだ。

もっとも卵を産んでくれる『クアックルブ』は元々食べないんだとか。

山にはもっと肉のうまい鳥がいると…。

マリちゃん大好物の『まぜまぜ卵』(どうもスクランブルエッグのことらしい)が食べたいので捕まえてきて欲しいとのこと。

元々そこいらの山で捕まえてきて羽先を切って庭に囲いを作ってそこで飼うのが当たり前らしい。やはり地球のニワトリと同じく羽の先を切ると飛べないので網とかで囲う必要は無いらしい。

というわけで木の皮で作られた籠を渡されてきた。

邪魔だから山に入ると同時に無限背嚢に収納したけどね。


さらにもうひとつ・・・アンナさんに無言の期待をされてしまった…

家を出るときのあのプレッシャー…

何が何でも何か獲物をとってこないと…(苦悩)


という訳で…獲物や~い!!


一時間ほど山を歩くと『探知』スキルのレーダーに反応あり。

慎重に近寄ると…

村長発見!…もとい熊発見です!

しかし…熊って群れるのか?

なんか群れの一番後ろに青色の一回りでかい熊と他に黒い熊6頭。

視認したことで『探知』レーダーに個体が判別される。

黒い熊が『ムーン・ベア』。

確かに首にツキノワグマ見たいに三日月の白い模様がありますね…

ツキノワグマと反対向きだけど…

そしてでかぶつのほうは…『ポイズンブルーベア』…ポイズン?

まさか毒も持ちか?

しかもさっきのゴブリンと同じ『探知』レーダー上の個体の周りに赤い丸の輪…。

もしかしてこれ『魔物』の識別か?


「グァ……」


ん?青熊こっちみた?

って、口の中に火??

やばい!!


とっさに横に逃げる!

背中の上を炎の球が飛んでいく。


“まじか?!まさかの『ファイアボール』?”


あんたはどこぞのうちわマークの一族か!などと突っ込みを入れつつ横へ横へと逃げる。

というのもあの青熊公の奴『ファイアボール』もどきを連射してくるんだよ。

とっとと倒さないと山火事になるぞ…

ファンタジーの『森の熊さん』っていうのは親切に落し物届けてくれたり一緒に歌ったりするのが本筋じゃないのか?

いや、現実逃避はいけないな…


少し大き目の岩の後ろに飛び込んでM4カービンを構える。

青熊公をとっとと潰したいが数の暴力は面倒だ。

こちらの逃げ場を塞がれたらたまらない。

というわけて先に近衛兵よろしく青熊公のそばで威嚇している普通の熊公を潰す。

短期で潰すために弾の方も威力を上げるため通常MP1ポイント自動で引かれるのをあえて弾1つに5ポイントつぎ込んで撃ち込む。


『ダッ、ダッ、ダン!』


3点バーストで弾3発飛ばすごとに岩の陰に隠れる。

ソレを繰り返すこと8回、護衛の熊公の殲滅に成功。


だがとりあえず位置を変えねば…

青熊公の『ファイアボール』冗談抜きで洒落にならない威力がありやがる…

隠れるのに使っていた玄武岩らしい岩が熊公側の方が溶けてやがる。

あともう何発も持たないと思うわけでして…

闇魔法ランク2『エンハスドボディ(肉体強化)』をかけ一気に岩陰からダッシュ。

銃を撃ちながら20mほど向こうの岩陰まで走る。

銃は牽制の意味のため狙いはさほど付けていない。

あの『ファイアボール』が撃てないように牽制できていればよいのだから。


岩陰に飛び込んで一息つく。

たまに銃を撃って牽制しながら様子を伺う。

というかあいつどんだけ硬いんだ…

MP1状態の通常弾だとあたってもケロッとしてやがる…

MP5状態でようやく傷がつく程度…10くらいこめないと駄目か?


…むう…試してみるか…セミオートに切り替えMP10つぎ込み撃ち込む!


『ズダーーン!!』


おぉ、初めてまともに傷が入った!

って、なにあれ??

傷が見る見る治っていく…『オートリカバリー』機能付?

なんでそんな反則みたいなスキル持ちがこんな人里近くにいるんだ?

とりあえずMP10で効果があることは確認できた。

しかしある程度足止めしてから叩き込みたい…

動き回られるといくらでかくても一点に集中させずらいんだよな…


…そういや、あれがあったけ…

『閃光発音筒1形』

ようはスタングレネードだ。

腰のポシェットから取り出してみる。

海兵隊の頃使っていたのとまた違うが使い方は同じだ。

とりあえず…耳栓と対閃光ゴーグル…あったあったこれ必須と…


ボコボコ『ファイアボール』を打ち続ける青熊公の足元に『閃光発音筒1形』を投げ込む。


「ウカ?」


熊公何が飛んできたか悩んだときにスタングレネードが威力を発揮!


『(ピカ!)ドカーーーン!!』


すごい閃光と凄まじい爆音が鳴り響く。

熊がそれにショックで意識が飛びかけたときそれを待ち構えていたランの銃が火を噴く。


『ダッ、ダッ、ダン!』


念のため全弾にMP10ポイントこめて撃ち込む。


頭部をズタズタに引き裂かれた『ポイズンブルーベア』はそのまま仰向けに倒れていった。


“まさか、また直っていくんじゃないだろうな?”


再び『オートリカバリー』が発動するか少しビビリながら銃の先で小突いてみるがその心配はなさそうだ。

どうやら完全に死んでいるようだ。

対閃光ゴーグルを取り耳栓をはずしながら少し頭を振る。

というか耳栓していたのに耳が痛い。

あやうくこっちまで意識飛ばされるところたった。


“非致死性兵器っていうけどさ…あの音だけで絶対コロッといく人出ると思うな…”


耳鳴りに眉を顰めながら呟くラン。

いや閃光もすごかったが音がすごかったです…。


“しかし…どういう変化したらこんな生体兵器みたいな生き物が出来るんだろう…

というか、これが魔物の基本性能とか言われたら俺帰るぞ…”


魔物が1匹だからこちらも何とかなった…

でも複数匹とまとめでであったら勝てないような気がする。

まぁ、まともにやりあったらだが…

だいたいこんな奴と遮蔽物の無い草原で出会ったらどうなることやら…


…いやまてよ…この世界ではこっちも魔法が使えたよな…なら…なんとかなるか?

…いやいや…魔法が使えても咄嗟に使えないようなら無いのと同じか…

こっちの世界でもある程度訓練が必要みたいだね…少なくとも反射的に使えるくらいになれるように…


“まぁ、その前に…これどうやって持って帰ろう…”


熊7体の前に悩むランであった。

その時『探知』イキルレーダーに反応があるのに気がついた。

反応は『黄』…中立を示すマークが18体である。


おかしい…ニワトリモドキの話になるはずだったのに…

熊公大暴れのせいでニワトリモドキの出番なくなってしまった(笑)

次回きっと、うんたぶん…出ると思いますよ…


あぁぁぁ!!マリちゃん作者に石投げないでくれ~~!(ToT;

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