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第004話 エルシア村

主人公の今後の拠点になるであろう(あくまで予定)村の登場です。

アルス大陸西部のアーネルランド王国。

大陸西部は過去の大魔道文明が滅んだ後に出来たアルカテナ魔法帝国が内部分裂により大小16の国に分裂しその後2000年かけ合併分裂を繰り返し現在21の国として存在している。

アーネルランド王国は70年前に現在の王家の2代前の人物が作り上げた比較的新しい国である。

王国の国土の40パーセントを占める大草原地帯にドラゴンが住み着いたため無管理地帯になり当時の冒険者がこれを倒し同時にそこに新国の宣言をしたことから始まった国だ。

ゆえにアーネルランド王国は冒険者の国としても有名だ。

大草原に隣接する王国東部のイスト山脈にはドラゴンが生息する。

イスト山脈のどこかにこのドラゴン達を束ねる古代竜が生息するとも言われている。

また王都から南に2日ほど下った先にあるアルスト山には大魔法時代に作られたと言い伝えられている巨大な地下都市の廃墟が存在する。

ただし現在は魔物が住み着き巨大な地下迷宮と化している。

魔物がどこから来るのかまた沸いてくるかも不明。

常に冒険者が入り退治しても魔物の数は一向に減らずまた地下に行くほど魔物も強力になり現在地下12階あたりで探索は行き詰っている。

はたして地下何回まであるのか現在でも不明である。

またこの迷宮から別の場所に出入り口が出来、近くの村が襲われることもあり冒険者の需要は高い。



“なに?じゃ、おっちゃん村長してるの?”

「さっきからおっちゃん、おっちゃんって俺はまだ27だそ。」

“27……うそ……”


カールド(熊悟郎)の年齢を聞いて絶句するラン、なにげに失礼な奴である。


「いくつだと思っていたんだ?」

“30台後半から40代前半…”

「……」


ランの言葉に今度はカールドが絶句する。


「まさかと思うがお嬢ちゃんこそいくつだ?」

“16”

「……嘘だろう…その姿で成人…」

“いくつだと?”

「10歳前後」

“……”


カールドもなにげにひどかった。(笑)





ついた村はなぜか寂れていた。

思わず入り口でなぜ寂れているのか問いただす。

カールド曰く半年ほど前、今ラン達が出てきたアルスト山の村側にいきなり迷宮の出入り口が出来て中から出てきた魔物達に村が蹂躙れたらしい。

国から騎士団や冒険者達も応援にきたが最初の一撃で村の1/3の人が亡くなりもう1/3の人は村を捨て北の王都に職を求め引越ししていったという。

現在その時、出来た入り口は出来た時と同じようにいつのまにか消えて塞がったらしい。

カールドは再び開かないか定期的に監視を兼ねて山に狩りや薪集めを行っていたという。


村の名はエルシア村。

現在の人口は14家族39名。

本来なら王都と港町のアルシダもしくは迷宮都市ルシナンの中間地点としてそれなりに栄えた村なのだが先ほどの魔物沸き事件によりたとえ少し遠回りになるにしても比較的安全と思われる西側の道が使われるようになり急速に寂れてきたということだ。


「とりあえずは我が家に来るといい。

うちには嫁と娘がいるからオスの巣に入り込むわけじゃないので安心できるだろう。」


内心『中身男ですから!』・『下手なことすれば即座に撃ち殺す!』などと考えていたがそんなこと考えてるなど顔にまったく出さず頷くだけで止めておいた。


「今帰ったぞ!それとお客さんだ!」

「おかえりなさい。」

「パパーおかえり~」


家の奥から奥さんと娘さんが出てくる。

奥さんかなりの美人。

思わず『はじけろ!』と言いたくなるのを我慢する。


“ランと申します、ご主人に山で拾われました♪”


子犬か子猫を拾ってきたみたいに言うラン。

容姿はともかく中身はそんなかわいいものじゃなかろうに。


「どうやら『さらわれ人』らしい。落ち着くまでうちにいてもらうことにした。」

「あらあら…」

“ご迷惑をおかけします。”


挨拶の後それぞれ名前を教えてもらった。

奥さんはアンヌさん、娘さんはマリちゃん。

思わずどこの結婚式場かと思ってしまった。


夕食の食事はランが提供した狼の肉をメインに野菜のシチューとパンがでた。

パンは大麦で出来た物らしい。

昔ドイツに旅行に行ったときに食べたパンに似ている。

汁物に付けて食べることを前提にしてあるのかとにかく『硬い』。

日本の小麦で作られた柔らかいパンに慣れているランにしてみたら顎の疲れるパンという印象である。


食事の後マリちゃんを膝の上に載せてあやしながらカールドさん夫婦から取りあえずこの地方一体のことをそれとなく聴きだすことにした。


いくつかこのあたりのことを聞き出した時ある情報を奥さんが教えてくれた。

この1年でラン以外に数人『さらわれ人』が現れいつの間にか消えている。

おそらく現れた者たちは自衛官達であろう。

その大部分が精神的な理由でリタイアし地球世界に戻っている。

ただ3人ほどがこちらに残ってまだ活動していることは教えられている。

ちなみに1人は中学時代からの知り合いだったりする。

女性なのだが始めそれを聞いたとき旦那と子供ほっぽり出して何やってんだと思ったが。

もっとも早い結婚だったため子供2人もすでに独立して生活しているそうだが。


そのうち自衛官の1人が王都で雑貨店をしているらしい。

後の2人は何しているのか教えられていないため不明だ。

まぁ、あの女のことだどこぞの酒場で腕に自慢のある冒険者あたりをぶん殴って大暴れしているのだろう。

あれはそういう女だ…近寄ればこっちの命が危ない…あいつと結婚した旦那はレベルをカンストした『勇者』に違いないと酒の席で同級生達と話し合ったものだ…

……できれば会いたくねぇなぁ…


マリちゃんを寝かしつけた後少し夜風に当たってくるといって家を出る。

別に遠くに行くわけではない。

少し確認しておきたいことがあっただけだ。

山を降りだしてすぐに狼と遭遇戦闘になりそのあとすぐに熊悟郎にあっているため自分の能力の確認が終わっていなかったのだ。

ラン自身の能力は『One in the WORLD Onlin』とほぼ同じだと教えられている。

ただ『精霊魔法』と『オート生産能力』はないとのことである。

とりあえず『属性魔法』の火・風・土・水のそれぞれ初級の一番簡単な魔法を発動させてみる。

まぁ、いわゆる無詠唱魔法だ。

ゲームでは別段詠唱しなくても魔法名を叫ばなくても魔法は発動する。


火=イグナイテッド(点火)

風=ウインド(風)

水=アクア(蒸留水生産)

土=アースブレット(石礫)


どれも間違いなく発動した。

引き続いて応用編。

といっても攻撃魔法ではない。

土系列を利用しゲーム無いで改良したたランオリジナル魔法の『錬金魔法』だ。


“ゴールト”


頭の中に金の元素構造を思い出しながら発動させる。

目の前にあった石は瞬く間に金色に輝く物体になる。

『鑑定』スキルで検査しても間違いなく純金である。

念のために真っ二つにしてみて中も確認したがきちんと中心まで金になっていた。

再度金を錬金魔法でただの砂に変え放り投げる。


(うし、これで緊急時の金策の目処がついた。)


とりあえずメインの仕事を何にするかは決めていなかったが緊急時の金策手段が確保できたのならあせる必要は無い。

別に生産者でも冒険者でもメリットはある。

ここは少し様子見て決めるのもいいだろう。

生産者をするにしても製作場所の確保や客の確保も必要になる。

また冒険者になるにしても勝手に名乗ればいいものなのかどこぞの物語みたいにギルトなるものがあってそこに所属しないといけないのかすら知らないのだ。


とりあえず明日になってから考えるとしましょうか。

この世界のことほとんど知りませんからね…

いろいろ情報仕入れなければ動くに動けませんし。


そう考えるとふたたび家の中に入り与えられたベットに寝ることに。

とにかく初日だけでえらく疲れました。


本編のほうではランオリジナルの『錬金魔法』は精霊魔法の土属性の亜種でしたが、この作品では都合上『属性魔法』の亜種に変えています。

また魔法自体も本編とは異なる魔法になります。

というか本来ならこちらのほうが本編でも採用されるはずだったのに『呪文詠唱』要素入れるために本編ではややこしいほうを採用しています。

そんなわけで本編と同じ属性魔法なのにまったく違う魔法名じゃないか!などとは言わないように(笑)

VR編と異世界編は似て異なる魔法とだけ理解してください。

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